中国にある世界最大規模の映画スタジオ「横店影視城」。華流エンタメに精通したライター 小酒真由子さん＆島田亜希子さんが横店を訪問し、現地で取材した横店の基本情報からエリアごとの見どころなど、全５回＋番外編で紹介。

番外編は横店から飛び出し、現代ドラマの撮影場所として選ばれることも多い上海へ！　あの人気ドラマのロケ地や持っていると便利なアイテムを紹介します。

※ご紹介している情報は、2025年6月時点のものです。

番外編 現代ドラマの舞台「上海」

上海市は中国の中央政府の直轄市の一つで、中国最大の経済都市としても知られています。2022年末時点で、上海市の常住人口は2475万8900人、そのうち外来人口が1006万2600人となっており、街中では旅行客の外国人の姿も多く見られます。租界時代からの歴史ある建物が残されたクラシカルな街並みと、テレビ塔や金融街の高層ビル群がもたらす近未来的な雰囲気が上海独特の景観を生み出しており、現代ドラマの撮影地に選ばれる場所にもなっています。

上海市内は地下鉄が発達しているので、ロケ地巡りの際には、タクシー移動とあわせて活用してみるのもおススメです。こうした交通費をはじめ、現地での支払いは、Alipay（支付宝）やWeChatのアプリをダウンロードして利用するオンライン決済が主流になっています。中国のアプリ利用に関しては、慣れるまでにはとまどうことも、しばしば……。不自由なく使いこなせるようになるには、やはり実際に自分で使ってみて、トライアンドエラーを繰り返し、経験していくのが一番だと痛感！　めげずに色々チャレンジして、観光をエンジョイしてみて下さい。

POINT1　上海ならではの歴史的建物と現代空間を楽しもう

南京東路から外灘のルートは、上海ならではの歴史的建造物と現代空間が楽しめる観光スポット。年代劇の撮影地としては上海影視楽園が使われることが多いのですが、ドラマや物語に登場する実在の場所やモデルとなった建物を、街歩きをしながら観ることができるのは上海ならでは。「あそこも！ここも！」と、どこかで見たことがある有名な建物や景色を発見すると、天気が悪くても（撮影日はあいにくの台風接近中で大雨）、やっぱりテンションがぶち上がる！　テレビ塔などの超高層建築が建ち並ぶ浦東を、黄浦江を挟んで眺める景観も、現代ドラマや映画によく登場するワンシーンとなっているので、ぜひ、スペシャルな記念撮影をたくさん楽しんで！

POINT2　 「始まりは君の嘘」で登場する高級ホテルや北外灘の風景もチェック

寧波や杭州など、いくつかの都市で撮影された「始まりは君の嘘」ですが、ジョン・シューイー（バイ・ルー/白鹿）とシー・イエン（ワン・ホーディー/王鶴棣）が2人きりで食事をするレストランや、美術館付近の風景などを上海の北外灘で撮影しています。レストランが登場するホテルのベラージオ、MGM 上海は、「マリアージュ・ブラン～嘘つき弁護士の愛の法則～」などの人気現代ドラマなどでも登場する撮影スポットに。高級感あふれるフロントロビーでしばし休憩したり、ヤン・ミー（楊冪）が昇った階段をマネして歩いて、ドラマの登場人物になり切ってみるのもあり！

ちょこっと豆知識「上海パス」

上海パスは、空港や地下鉄駅の窓口で購入可能なプリペイド式の交通カードで、地下鉄などの交通機関での利用の他、一部観光施設やコンビニなどでの支払いにも使用できます。カード本体購入時の20元、チャージは10元単位で可能。地下鉄移動が多い時や、携帯充電切れの時の代用として持っていると便利。

実際に地下鉄で使ってみたところ、日本のPASMOやSuicaのようにスムーズに改札の出入りができたので、これも十分アリかも！　ただしチャージ式なので、残金のチェックやチャージ場所などは利用する際に確認しておくほうが安心。

Text：島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』（キネマ旬報社）『見るべき中国時代劇ドラマ』（ぴあ株式会社）『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』（コスミック出版）などにも執筆しています。