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横店影視城レポート|第2回 秦代の宮殿がそびえる「秦王宮」

中国にある世界最大規模の映画スタジオ「横店影視城」。数多くの映画・ドラマが撮影され、華流ファンにとって「見たことある!」な風景がいっぱいの“横店”を、華流エンタメに精通したライター 小酒真由子さん&島田亜希子さんが訪問! 現地で取材した、横店の基本情報からエリアごとの見どころなど、全5回+番外編で紹介します。

※ご紹介している情報は、2025年6月時点のものです。


第2回 秦代の宮殿がそびえる「秦王宮」

 
「蓮花楼」チョン・イー(成毅)の手形も!

西安に遺跡が残る秦帝国を象徴する王宮のセットが横店に建てられたのは1997年。チェン・カイコー(陳凱歌)監督の映画『始皇帝暗殺』撮影のためでした。現在は横店影視城の5大オープンセットの1つとして、観光ツアーでも必ず立ち寄る場所に。秦代を舞台にした作品に限らず、様々な中国時代劇ドラマがここで撮影されているので、見覚えのあるスポットがいっぱい! なお、最初の城門をくぐると左右の城壁にスターたちのパネルが飾ってあり、それぞれの手形&サインが見られるので、忘れずにチェックしてみてください。

SPOT1 緑広がるスペースはココ!「前広場」


最初の城門をくぐって正面に見えるのは中宮門


特徴的なデザインの櫓でピンとくるはず!

中国時代劇ドラマでよく観る緑が広がるスペースは、城門を入って目の前に広がる前広場。正面に見える中宮門までは舗道になっていますが、その左右は芝になっていて、めちゃくちゃ見覚えのある櫓が! 登場人物たちはここで球技をしたり、馬を走らせたりしていたんですね〜。ドラマを観ていなかったら、まさか入ってすぐの広場が数々の名シーンの撮影地とは気づかないかもしれません。


▶︎「楽游原」のこのシーン!


© Beijing Qishuo Film Co., Ltd

︎「楽游原」では宮中で大都督・孫靖(于波/ユー・ボー)がボール遊びをしている第2話のシーンをここで撮影。 既存のオープンセットにさらにオリジナルのセットを付け加えることで、新たな空間を創り出しています。



SPOT2 あの高い塀の通路はココ!「復道」


誰もが何かのドラマで観ている宮殿への通路

登場人物たちが宮殿へと向かう通路としておなじみのこの通路は中宮門の左右にあります。入った右側は舗装されていて、左側は砂地。砂地の方は雪の場面などで使われるそうです。中国人の観光客たちもここだ、ここだとばかりにみんなが記念撮影をしていました!


▶︎「長安 賢后伝」のこのシーン!


© 2019 Dongyang Yueshi Media Co.,Ltd and Mediaquiz International Holdings Limited.

「長安 賢后伝」第10話、蕭承煦(成毅/チョン・イー)が痛めた体を引きずって愛するヒロイン・賀蘭茗玉の元へ駆けつけようとするも、彼女が異母兄のものになってしまう“成婚の鐘”の音を聞くことになる名場面。 圧迫感のある高い塀、果てしなく続くように見える通路だからこそ、ストーリーがドラマティックに盛り上がります。



SPOT3 99段の階段がある宮殿はココ!「四海帰一殿」


99段の階段の上にそびえるメインの宮殿

中宮門を抜けてずんずん中へ進んでいくと、ど〜んと見えてくるのが四海帰一殿。その宮殿に行くには99段の階段を上ることになります。99という数字は「九九帰一」という言葉にちなんでいるとのこと。「九」は「久」と同じ発音で、王朝が久しく続くようにという意味が込められているそうです。


▶「斛珠<コクジュ>夫人~真珠の涙~」のこのシーン!


©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

「斛珠<コクジュ>夫人~真珠の涙~」では長らく仮面で正体を隠していた方鑑明(陳偉霆/ウィリアム・チャン)が本来の身分に戻って朝議に出るようになります。第10話に朝議が行われる紫宸殿として登場するのが四海帰一殿。99段の階段の存在感も相まって厳かな雰囲気を醸し出すカッコいい宮殿です。



SPOT4 あの動くお家を1:1で復元!「蓮花楼医館」

   


「蓮花楼」ファンにはたまらない撮影スポット

現在、秦王宮のウリとなっているのが、「蓮花楼」に登場する移動式医館を原寸大で忠実に再現したレプリカ。これは四海帰一殿前の広場(後広場)の舗道左側に設置されています(2025年6月現在)。その向かい側にはキャラクターたちのパネルと記念撮影できるスポットも。ここでは1人で来ているらしい男性観光客が楽しそうに自撮りしている姿を目撃。「蓮花楼」の現地での人気が肌で感じられました!


▶「蓮花楼」のこのシーン!


© Beijing iQIYI Science and Technology Co Ltd. & H&R Century Pictures Co.,Ltd. All rights reserved.

レプリカはその全体像を外側から映すシーンで使用したものを復元。李蓮花(成毅/チョン・イー)の暮らしぶりを映す医館の中のシーンは、もっと大きなサイズで建てられた別のセットで撮影したそうです。


第3回 北宋文化を再現した「清明上河図」




TEXT: 小酒真由子(フリーライター)
映画界・出版界での会社勤めを経てフリーライターに。『月刊スカパー!』などの雑誌、『見るべき中国時代劇ドラマ』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』『華流ドラマガイド』などのムックのほか、Cinem@rtにて「『山河令』の台詞を読み解く」「アジアドラマの処方箋」などを執筆。

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