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「白蛇伝」「孟姜女」…中国の「四大民間伝説」とは?|中国時代劇トリビア#78


「天命~白蛇の伝説~」©H&R Century Pictures Company Limited


「霜花の姫~香蜜が咲かせし愛~」ヤン・ズー×「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」アレン・レンが主演を務め、視聴回数、人気度、話題性の三冠王を獲得したドラマ「天命~白蛇の伝説~」は、中国四大伝説「白蛇伝」を大胆にリメイクした作品。

3回にわたり、「天命」をはじめ幾度となく映画・ドラマ化され、近年は最新アニメーションにもなって話題となった「白蛇伝」について解説します。 今回は「白蛇伝」と同じく、中国四大民間伝説の「孟姜女」、「牛郎織女」(織姫と彦星の物語)、「梁山伯と祝英台」をご紹介します。

<白蛇伝についてはこちら>

中国の四大民間伝説ってどんなストーリーなの?

「孟姜女」

孟姜女は万里の長城の建築工事に徴用された夫の後を追いかけるが、彼女が万里の長城についた時、既に夫は亡くなっていた。悲しみのあまり孟姜女が泣き崩れると万里の長城が数里に渡って崩壊した、というお話し。この伝説も「白蛇伝」同様に、京劇、川劇、越劇などの芝居の演目として上演された他、各地の民謡の中で歌われ、さらに短編や長編の小説にまとめられて、広く中国の民衆に知られ、各地に広がっていきました。

また、秦皇島市(河北省)の山海関はずれには孟姜女寺があって、孟姜女像のほか、「望夫石」という背丈ほどの岩もあり、孟姜女がここに登って遠くを眺めながら夫を待っていたと言われているそうです。


「牛郎織女」

天帝の娘・織姫は牛飼いの牽牛と恋に落ち、天帝の許しもないまま結婚する。それを知った天帝は激怒し、夫婦を天の川を隔てて別居させた。そして年に一度だけ、7月7日の夜に2人が鵲橋で会うことを許したというお話し。

七夕の行事と共に日本でもこのお話しは良く知られていますね。山東省の沂源県が2人の故郷と言われているそうです。


「梁山伯と祝英台」

勉強好きな祝英台は男装して町の塾で梁山伯と出会う。英台が女だと気がつかないまま、二人は意気投合する。三年間の学習が終わり、梁山伯が英台の実家を訪ねると既に英台は婚姻が決まっており、梁山伯は辛さのあまり病死してしまう。英台が婚家へ行く途中で梁山伯の墓の前を通りかかると、雷鳴とともに墓が割れ、二つに割れた墓の中に英台は身を投じる。やがて嵐が止むと、一対の蝶が舞っていた……という男女の悲恋を描くラヴ・ファンタジー。

こちらも何度も映画化される人気作で、ウー・ズン(呉尊)主演『バタフライ・ラヴァーズ』などがあります。古くから男装女子のお話しがあるなんて、ラブ史劇の源流を感じますね!

「白蛇伝」をはじめ、多くの人々に愛され続ける民話伝説の面白さは、現代の中国ドラマにも大いに生かされているようです。


「天命~白蛇の伝説~」©H&R Century Pictures Company Limited



Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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