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“縦スクロール”で楽しむマンガ新常識・ウェブトゥーン 【前編】人気作の実写化が続々!「梨泰院クラス」「ミセン」…韓国WEBマンガの魅力

「ちょっとした隙間時間に」スマホの普及で習慣化

12年以降は各ポータルサイトで一部の作品の有料化が始まり、13年にはウェブトゥーンの有料プラットフォームであるレジンコミックスが誕生。「ウェブトゥーンは無料で読むもの」という“常識”に変化が訪れた。

また、SNS上で連載され注目を集めた「ミョヌラギ」のように、ポータルサイト以外の場所からも話題作が登場するようになってきている。

00年代前半に登場したウェブトゥーンは、スマートフォンの普及と足並みを揃えながら韓国の読者の間に定着。20年末に韓国コンテンツ振興院が発表した「2020 マンガ白書」によれば、その年にマンガを読んだ人の68.8%がデジタルマンガ(ウェブトゥーン)のみを利用している。

「デジタルと紙媒体のマンガ両方」と答えた27.0%を加えるとその数字は95%を越え、マンガの読者ほとんどがウェブトゥーンに接していることがわかる。 このように、韓国でウェブトゥーンが急速に広がった背景にはいくつかの理由があると考えられる。まず第一が、縦スクロール&フルカラーという、スマートフォンで読むことに最適化された形式。また、1話が短いため、忙しい日常の中でちょっとした隙間時間に楽しむことができる。

多くの作品は1週間に1回更新され、リマインド機能によって読むことが習慣化していく。人気ランキングやお勧め機能もあるので、読むべきものも選びやすい。コメント欄に感想が書き込め、作者とリアルタイムでコミュニケーションがとれるところも魅力のようだ。

内容面でも、紙媒体よりも規制が少ないため、多ジャンルにわたる作品が登場。また、クオリティを維持するため制作スタジオを利用しての分業化や作者の発掘にも力を入れている。この結果、ウェブトゥーンは進化を遂げ、韓国を代表するコンテンツとして世界でも注目を集めるようになったのだ。


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