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中国の四大医女、人々を救った女性医師たち|「女医 清落」「女医明妃伝」より【中国時代劇トリビア #87】

「女医 清落」写真1
「女医 清落~恋愛の処方箋~」© Youku information technology (Beijing) co., LTD

「大唐女法医~Love&Truth~」の検視官や「女医 清落~恋愛の処方箋~」の医師など、近年中国ドラマには医術を用いるリケジョヒロインが登場する作品が注目されていますね! 今回は、中国ではどんな女性医師が活躍してきたのか、その歴史を調べていきます。

中国で女性が医師として登場するのは、漢の時代とされているそう。その中の一人、民間出身者の医者の一人である淳于衍は、専門的に学んだ経験は無いながらも脈診によく通じ医薬にも詳しく、宮廷女医となります。しかし後に宮廷闘争に巻き込まれ…というお話しは、ドラマ「クィーンズ 長安、後宮の乱」などにも登場しています。

中国の四大医女

談允賢
以前の記事でも紹介しましたが(第84回 譚允賢のモデルは?)、中国には四大医女という方たちがいました。その一人が明の時代の談允賢。祖父母、そして父の談綱も医師という一家で、薬の知識が豊富な祖母から処方の仕方や医術について教わるなど、幼い頃から医術を学んだそうです。

談允賢は婦人科によく通じ、彼女が残した「女医雑言」には実際に診療した治療実績が書かれ、出産や産後の病気、また腹部切開の例なども記述されており、後世の中国医学に大きな影響を与え、中国医学の中で名を残す存在となりました。明の時代は儒教の影響もあって、女性の医師がほとんどいませんでした。そんな中で腕の良い女性医師・談允賢の登場は、多くの女性たちの救いとなっていたことが分かりますね。

「女医明妃伝」場面写真1
「女医明妃伝~雪の日の誓い~」© New Classics Television Entertainment Investment Company Limited Chinese Entertainment Tianjin Limited

義妁
西漢の時代の人物で、中国歴史上初の有名な女性医師。幼少から薬草に興味があり、10代から薬草を採集する為に山に入り、村人の外傷を治療。医薬知識を勉強し、経験を積み重ねました。その医術は漢武帝に知られ、女侍医として皇太后の病を治療した後、皇太后との信頼関係を築きあげたことでも知られています。

鮑姑
晋の時代の女性医師。夫は著名な医薬家・煉丹家の葛洪。医術に精通し、特に灸治を得意するとの評判で知られていました。広州で豊富に産出している「紅脚艾」(ヨモギの一種)を用いて灸治し、鮑姑が用いた灸法で腫瘍を治療するという治療法は、彼女の夫の葛洪が著した「肘后方」に収録され、医学史上でも最初の記載になるそうです。

張小娘子
宋の時代の外科医。丸薬・粉薬・膏薬・練り薬などを用い(←どれもドラマによく登場する薬のタイプですね!)や、薬湯を用いて傷や肌の疾患部を治療するだけでなく、外科手術も行なったとか。

「女医 清落」写真2
「女医 清落~恋愛の処方箋~」© Youku information technology (Beijing) co., LTD

他にも…人々を救った女性医師たち

「女医 清落」写真3
「女医 清落~恋愛の処方箋~」© Youku information technology (Beijing) co., LTD

蔡尋真、李騰空
唐の時代の女性医師。高い身分でありながら蘆山での修行の道を選び、医学を学んで医療によって人々を助けたということで知られています。

将氏、方氏
明の時代に活躍し、2人は嫁(方氏)と姑(将氏)の関係に当たります。家業の小児科医院を継承し、小児疾病を治療したそうです。

曾懿
清末期の時代の人物。医師としてだけでなく、詩人としても知られる存在。医学理論を習得し、医学を実践し国を救うことを目指した曾懿は、医学と衛生の知識の普及に努め、書からの知識だけでなく自分が目にした症例や民間治療なども積極的に吸収し、古い知識に縛られることのない医術を身に着けていきました。

この時代、多くの保守派は西洋医学の知識を知らず、盲目的に反対していました。しかし、曾懿はそうした知識を集めて広く実用することができました。例えば、「脳力を保護するために労力を節約する」、「肺を保護するために時々新鮮な空気を吸い込む」、「血流(脈拍)を作るための運動」などを強化するように教えたり。特に女性たちの不調は「部屋に閉じ込められていることで、退屈さを払拭することはできず、落ち込んで不快感を覚えるだけでなく、空気が循環せず、多くの病気の原因はこうした悪循環によるもの」だとし、封建社会にありながらも、進歩的な思想を持って行動を起こしていきました。

そして54歳で医学文献「古歓室」を執筆。このシリーズは「女学篇」、「医学篇」、「詩詞篇」の3つで構成され、「医学篇」は上冊下冊共に全4巻となっており、上冊では脈拍、舌の色、熱性疾患、風邪、腸チフスなどの理論などを網羅し、下冊では病気以外の内科の疾患、小児科、婦人科、外科に関することがまとめられています。私生活においては、曾懿は20歳で江南からやって来た優れた才能と学を持つ袁学昌と結婚。夫婦共に寄り添い、曾懿は文学と医学の才を存分に開花させていったそうです。


様々な時代背景の中で、医術を用いて人々の力になることに努めた個性豊かな女性医師たち。これからもドラマなどで、そうした彼女たちの人生をより深く知る機会が増えそうですね!

翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

このコラムに登場した作品


「女医 清落~恋愛の処方箋~」
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発売・販売元:エスピーオー
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