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インタビュー|ヴァネス・ウー(呉建豪)「一番誠実に、ありのままの自分を表現した」

ヴァネス・ウー1

2000年代、『流星花園〜花より男子〜』から誕生したアイドルグループF4のメンバーとしてアジア中を熱狂させたヴァネス・ウー(呉建豪)。「王女未央-BIOU-」、「王子様の条件」、「秋のコンチェルト」など話題作にも出演し、俳優・ソロアーティストとして確かなキャリアを築いてきた。2025年7月にはMayday(五月天)のコンサートで12年ぶりにF4が再集結し、変わらぬ存在感を示す。さらに同年12月、ジェイ・チョウ(周杰倫)作曲、Maydayのアシン(阿信)作詞による「恆星不忘 Forever Forever」を発表し、「F✦FOREVER恒星之城」上海公演では、解散から14年経った今もなお圧倒的な人気で5万人以上を動員した。

昨年末リリースの最新アルバム『Dance Until We Die』の収録曲が台湾チャート1位をマークするなど、ますます勢いに乗るヴァネス・ウーにアルバムに対する想いを聞いた。


ヴァネス・ウー2

—— 『Dance Until We Die』は、多様な要素がありながらもアルバム全体に統一感が感じられますが、特に伝えたかったメッセージは何ですか?

ヴァネス・ウー 音楽に境界線はないということです。どの曲も方向性は違っても、同じ宇宙というか、世界観を感じていただけると思います。このアルバムでは自分らしさだけでなく、僕がインスピレーションを受けてきた70〜80年代の映画音楽やPrince、Daft Punkなどさまざまな要素を感じてもらえると思います。

—— これまでのアルバムと比べて、特に「今までと違う」と感じる点はありますか?

ヴァネス・ウー 一番誠実に、ありのままの自分を表現したアルバムかもしれないと思います。

—— 『Dance Until We Die』というタイトルには強い意志が感じられますが、今のヴァネスさんにとって「踊り続ける」とはどんな意味がありますか?

ヴァネス・ウー 諦めないことです。ダンスは自分の人生にとって、それほど大切なんです。13歳でダンスを始めた当初はうまく踊れなかったけど、今では踊らないなんて考えられない。そういう、人生のスタンスを示したものです。

—— 過去にはH.O.T.のKangtaさんとのコラボや中国でのバラエティ番組など、長いキャリアの中でいろいろ挑戦されてきましたが、ダンスとの向き合い方はどのように変化しましたか?

ヴァネス・ウー より自由になれたんじゃないかな。若いころはとにかく体全体で踊らなくちゃいけない、わかりやすく踊らなくちゃいけないと思っていましたが、今は体が一番心地いい状態で踊るのがいいと思っています。踊りたいように踊っても、一つ一つの動きが調和して、心地いい状態で動けるようになりました。

—— 特に好きなダンスのジャンルはありますか?

ヴァネス・ウー 一番好きなジャンルは……特にないんです。選ぶのは非常に難しいですね。

—— 先ほどアルバムを宇宙と表現されたのを聞いて、タイトルトラック「Dance Until We Die」のショートMVを思い出しました。地球ではない別の惑星が舞台と見受けられますが、MVの世界観について教えてください。

ヴァネス・ウー 実はこのMVに対して、最初は特に大きなビジョンは描いていませんでした。ただ見栄えがいい映像で、もう一つの宇宙を表現したいと思っていたんです。「Dance Until We Die」は3年前に作った曲で、今回のアルバムでは全体のアレンジをアップデートせずそのまま使いました。当時はこの曲をどうリリースするか、MVをどう撮影するか決まってなかったのですが、たまたまInstagramで見つけたAIの監督の映像と世界観に共感して、とても気に入ったんです。それでMVはその方向性でいこうと決めました。この曲がリリースされて、フルバージョンの正式なMVも作ろうということになりました。


—— 完成を楽しみにしています。ところで、アルバムのうち「換場」と「I Dreamt You」は同じメロディーですよね。

ヴァネス・ウー そうです。中国語バージョンと英語バージョンです。

—— 作詞、作曲もすべて手がけられたそうですが、いずれも歌詞の内容から、敬虔なクリスチャンであるヴァネスさんにとって特別な曲ではないかと感じました。これらの曲への思いをお聞かせください。

ヴァネス・ウー 中国語の歌詞は違いますが、英語の歌詞は自分で書いています。基本的に僕が書く曲は、すべて信仰や人生に関連しています。どう壁を乗り越え、より多くのことを学ぶか、頼れる強さを見つけるか。それから無償の恵みをしっかり理解し、無償の愛を受け入れるといったことです。

—— David Lucius Kingさん、Sam Linさんらとのコラボレーションを通して、意外な気づきや新しい発見はありましたか?

ヴァネス・ウー Sam Linさんとのコラボは厳密には初めてですが、お互いの生まれ育った環境や好きなものがよく似ていると気づきました。初対面のときに話したのは音楽のことではなく、人生についてや、神は日々のどの瞬間にもいてくださること。「わあ、これは相性ぴったりだ」と思いましたね。ですから音楽についても、自然と同じ方向を向くことができました。Davidとはもう長年一緒に仕事をしてきたので、お互いをよく理解しています。もちろん制作過程のコミュニケーションでは多少の衝突はありましたが、それはすべて各楽曲をより良いものにし、最終的な仕上がりを完璧にするためのものでした。

—— ツアーコンサート「F✦FOREVER」では、ニューアルバムから6曲を披露されて会場はとても盛り上がったそうですね。観客の反応を生で感じた心境を教えてください。

ヴァネス・ウー 最初はとにかくパフォーマンスと歌をしっかり歌うことに集中していたので、特に何も思わなかったんです。耳にイヤモニも付けているので、実は会場の歓声も聞こえていないんですよ。終わった後にスタッフの方から聞いて、そんなに反響があったんだなと知りました。それから、ファンの皆さんがアップしてくれた動画やメッセージを見てワーオ! 本当に感動しましたし、新曲を気に入ってもらえて嬉しくなりました。

—— ツアーコンサート中、特に思い出深いエピソードや、心に残った瞬間があれば教えてください。

ヴァネス・ウー 毎回特別で、1回ごとに違う感触があります。ファンの皆さんとこんなに近づけること、彼らの反応が見られること、そして喜び楽しむ表情や興奮している様子を目にできることは、すべて忘れがたい思い出です。それがまさに、僕がステージを愛してやまない理由ですね。

—— 昨年は「F✦FOREVER」上海公演のほか、MaydayのコンサートにF4としてゲスト登壇されるなど、長年のヴァネスファンにとって嬉しいことが続きました。日本のファンも心待ちにしていますが、日本での開催予定はありそうですか?

ヴァネス・ウー (日本語で)ありがとう。できることなら、もちろんやりたいです。まず直近のコンサートを走り抜けて、皆さんの反響を見て考えていきたいと思っています。

—— では改めて日本のファンに向けて、『Dance Until We Die』をどんな気持ち、どんなシーンで楽しんでもらいたいですか?

ヴァネス・ウー このアルバムは特定のシーンに限らず、いつでも聞いてほしいですね。日中はもちろん、かわいい雰囲気、楽しい気持ちのときは「Ur The Reason」とか、ロックに切り替えてもいいし、どんなときでも大丈夫です。

—— F4時代から応援している日本のファンも多いですが、当時の経験は今の音楽活動や表現にどのような影響を与えていますか?

ヴァネス・ウー 一番大きなことは、周りの人の意見に耳を傾けること、自分が本当に作りたい音楽を作ること、そして自分を信じること。望むものを手に入れるために、準備を怠らず、一生懸命努力をすることだと思います。

—— 芸能および創作活動の上で、大切にしている心の支えやマインド、あるいは自分なりのルールはありますか?

ヴァネス・ウー 一番大切なのはやはり信仰です。それが自分の唯一の方向性であり、拠りどころであり、パワーの源です。僕が何かやりたくないときでも、主の存在が平穏を与えてくださり、やり続ける力を与えてくれます。まだ口に出していないこと、あるいはダンスや曲について一番理解してくれているし、表現したいこと、それからまだやっていないことも主はすべてご存じです。コンサートについても、たくさんのファンの方からいつ開催するのかと長年聞かれてきましたが、自分でもよくわからないので無理強いはせず、自然の流れに任せています。いつかふさわしいときに、主が導いてくださるでしょう。

—— 以前、教会で説教を聞きとても感動したことを思い出しました。いつかヴァネスさんの信仰心を心から理解できる日がきたらいいなと思います。

ヴァネス・ウー 今からできますよ。毎日神とコミュニケーションするんです。悩みや疑問を打ち明ければ、神はきっと答えてくださいます。そういえば、Magnify Tokyoという日本のバンドの曲を初めて聞いたとき、それまで聞いたことがない、すごく特別な感じがしました。2024年のアルバムです。Magnify Tokyoはクリスチャンのバンドで、去年日本に行ったときに、生でパフォーマンスを見ました。

—— そんなお話をお聞きすると、ぜひMagnify Tokyoさんとのコラボを実現させてほしくなりますね。

ヴァネス・ウー チャンスがあればぜひ。今はまだ予定はないですけど(笑)。

—— ドラマファンのCinemart読者のためにもお聞きしたいのですが、今後も俳優活動のご予定はありそうですか?

ヴァネス・ウー 実は去年2本のドラマに出演しました。引き続き俳優としての活動もしていく予定です。

—— どんな作品で日本のファンとお会いできるか楽しみにしています。では最後に、近々のご予定をお聞かせください。

ヴァネス・ウー 引き続きコンサートの機会はさらに増えますし、おそらくフェスにもいくつか出ることになりそうです。新曲もシングル中心にたえず書き続けています。新曲の内容? (日本語で)ごめんなさい。それはまだ秘密です。




吳建豪ヴァネス・ウー 2025最新アルバム『Dance Until We Die』
『Dance Until We Die』ジャケット画像

https://vanness.lnk.to/DanceUntilWeDie

全十曲の作詞・作曲による、
魂と音楽への執念に満ちた実験。

▌ 音楽こそが唯一の座標:コアとなる作品の探求
▌ 気の向くままの聴覚の旅:音楽を日常の背景へと溶け込ませる

これは止むことのない舞踏。
そしてそれは、音楽という道を歩み続ける
吳建豪ヴァネス・ウーが貫いてきた誠実さが浮かび上がる、一瞬の顕影でもある。

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聞き手・文:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。

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