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インタビュー|『流転の地球 -太陽系脱出計画-』グオ・ファン監督

ヒューゴー賞受賞SF小説「三体」原作者による同名短編小説を基に豪華キャストで映画化した『流転の地球 -太陽系脱出計画-』が、3月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。

差し迫る太陽爆発の脅威にさらされている2058年の地球を舞台にした中国初のSF超大作『流転の地球』(19)と今回公開された前日譚である『流転の地球-太陽系脱出計画-』とあわせ、13億6000万ドルという驚異的な興行収入を記録し、2027年には第3弾の公開が発表されているなど、まさに社会現象といえる『流転の地球』ブームとなっている。

この度、中国SF映画界の寵児となったグオ・ファン監督のオフィシャルインタビューが到着した。



COPY RIGHT©2023 G!FILM STUDIO [BEIJING] CO., LTD AND CHINA FILM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

SF世界構築に対するクリエイティブのアプローチについて「私たちの目標は未来の歴史をいかにリアルに見せるかでした。舞台は未来ですが、現実に基づいて、想像力のバリエーションでいくつか設定を考えたのです」と語る。世界観のコンセプトは、中国で最も権威のある科学技術研究機関の一つ中国科学院の専門家20名による監修のもと作成され、その文字数は2万字程度しかない原作小説の5倍以上にもなる十数万字以上にも及んだという。

原作と今回製作総指揮を務めたリウ・ツーシンについて「私たちはお互いにクリエーターであり、SFファンでもあるので、目指す方向についてもコミュニケーションが取りやすかったです。お互いの仕事や役割に関しても、妥協点を見出しながら進めました」と語る。

しかし、『流転の地球-太陽系脱出計画-』は原作にはないオリジナルストーリーとして製作された。グオ監督は「今回、彼の小説のプロットはほとんど使いませんでしたが、その代わりに内なる核、つまり彼の精神を使わせてもらったんです」と説明する。「リウのサイエンス・フィクションに対する理解、つまり『流転の地球』全体の世界観の骨格を採用し、拡張したんです」

SF映画の普遍的なテーマ「人間とテクノロジー」の関係性の中で、「現実と仮想」という観点から「デジタル生命」の問題を探求する時期だと考えたのだという。「原作小説が連載されていた2000年当時、中国のインターネットやデジタル技術はまだそこまで発展していませんでした。でも今では情報化社会が急速に発展し、現代の私たちの生活は、アルゴリズムやバーチャル世界で溢れている。脳とコンピューターを直接繋げる「ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)」や「メタバース」などのコンピューター開発の議論が白熱する中、デジタル生命はもはや単なるSFの概念ではなく、私たちの生活と密接な関係を持つ現実的な概念となっているんです。デジタル生命をプロットに取り入れることにより、現在の観客はより深く物語に入り込むことができると考えたんです」

今回の前日譚では、トータルで3万人ほどのスタッフが関わったという。20人以上のインターンが撮影をフォローし、発生する様々な問題を記録することで、今後の撮影で同じ過ちを繰り返さないように努めるなど、過去の経験を活かして改善し続けている。「前作の反省を生かしながら、超巨大企業の経営の様に管理プロセスを整理し、製作過程を洗練されたものにしたんです。おかげで私たちのチームは大きな進歩を遂げました。とても誇りに思っています。現在進行中の三部作目ではさらなる進化を期待してほしいです」と熱く語った。


公開を記念して短編「流浪地球」無料公開!

この度映画公開を記念して、文芸情報サイト「カドブン」にて本作の基になった短編小説「流浪地球」を4月7日正午までの期間限定で全文無料公開中!
https://kadobun.jp/trial/rurouchikyu202403/entry-88715.html

圧倒的なスケールで描かれる物語を、大迫力のスクリーンと小説で余すところなく楽しんでいただきたい。ハリウッド映画にも全く引けをとらないSF超大作『流転の地球 -太陽系脱出計画-』は全国で絶賛公開中。


『流転の地球 -太陽系脱出計画-』
『流転の地球 -太陽系脱出計画-』ポスター

2024年3月22日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

2023年/中国/中国語・英語/173分/カラー/ビスタシネスコ/5.1ch/DCP/原題:流浪地球2/英題:THE WANDERING EARTH Ⅱ/
字幕翻訳:神部明世/字幕監修:大森望/配給:ツイン
https://rutennochikyu.jp/
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提供:ツイン

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