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最新中国ドラマ|「他是誰」「人生之路」「帰路」がランクイン、作品の多様化傾向がますます顕著に

引用元:wechat 德塔文科技 公式アカウント:「德塔文影视观察」
記事タイトル:「《人生之路》破2《爱情而已》丰富爱情市场,市场竞争愈发多元」


中国で市場分析を展開する德塔文科技による影視観察(datawinfilmtv)データより、2023年第13週(03.27-04.02)のドラマ景気指数TOP10にランキングしたドラマを、ピックアップ! 第13週の調査で人気を獲得したドラマカテゴリーは、1位現代ドラマ、2位年代劇、3位時代劇という結果に。(以下ドラマ表記名は全て原題)

 中国ドラマランキング   

13週は前週より3本増加の29本の新作ドラマが放送。チャン・イー(張譯)&チェン・ユィシー(陳雨鍶)主演のクライムサスペンスドラマ「他是誰」、チェン・シャオ(陳暁)&リー・チン(李沁)主演の年代劇「人生之路」、ジン・ボーラン(井柏然)&タン・ソンユン(譚松韻)主演の現代ラブストーリー「帰路」がランキングのトップ 3 にランクされており、市場における作品の多様化傾向がますます顕著に。安定して首位をキープしている「帰路」を除けば、今週放送のウー・レイ(呉磊)&チョウ・ユートン(周雨彤)の現代ドラマ「愛情而已」の展開の勢いも比較的強く、同ジャンル市場の首位を争うことになりそう。

また、年代劇の「人生之路」が巻き返しをはかり、今週の景気指数は大幅に上昇。ジン・ドン(靳東)&ワン・リークン(王麗坤)らが出演する年代スパイ劇「無間」も内容を充実させ、年代劇市場を占拠している。

時代劇に関しては、首位争いに加わる作品の登場が無いものの、タイトル数は豊富で、ディン・ユーシー (丁禹兮)&ポン・シャオラン(彭小苒)の「春閨夢裡人」、シュー・ジェンシー(徐正溪)&モン・ズーイー(孟子義)の「花琉璃軼聞」の他、今週から始まったチャン・ユンロン(張雲龍)&チェン・ルオシュアン(陳若軒)のイケメンW主演が話題の「山河之影」が、他作品との差別化を図り、市場で一定の存在感を獲得している。

13週は新たなランキング作品が8作品あり、そのうち現代ドラマがメインで半分以上を占めているが、市場の影響力という点では、「愛情而已」だけが上位の競争の中にあり、他は比較的小規模型のネットドラマやそれに類似するドラマが中心で、存在感は比較的弱めと言えそう。このほかでは、年代スパイ劇「無間」や「山河之影」がテーマや作風の違いから大型作品の中でもやや競争力があり、同ジャンル内における市場での出力実績は比較的強い傾向がみられる。

現在、来週にも公開が予定されている新作は5つあり、その種類は非常に豊富で、市場はますます多様化している。その中でも時代劇のレオ・ロー(羅雲熙)&バイ・ルー(白鹿)主演の「長月燼明」は、現在市場で非常に期待されている作品であり、ランキング上位枠で時代劇の空いている位置を埋める可能性も高いと予測されている。また、チャン・ハオウェイ(張昊唯)主演の「恩愛両不疑」も、「花琉璃軼聞」の終了後はラブ史劇枠でその後に収まる作品となる可能性があると予測される。チェン・ジェンビン(陳建斌)&チェン・シャオ(陳暁)の探偵サスペンス「塵封十三載」は、本週で最終回となった「他是誰」の男性視聴者市場をカバーすることになりそう。人気シリーズ「歓楽頌4」は、「愛情而已」と共に現代ドラマ枠の中心的な存在になり得る予想だ。ポン・グァンイン(彭冠英)&チェン・ユーチー(陳鈺琪)の年代劇「薄冰」もスパイ物の人気力が強まっている現在の市場の印象を強化し、「無間」と共に、年代劇市場の主流のテイストの一つを構築するかたちとなっており、年代劇というジャンルのなかでもよりも多くの選択肢を与える結果となっている。

現代ドラマTOP3
―本週カテゴリー別ヒットドラマ TOP1:現代ドラマ―
第1位 「帰路」
第2位 「愛情而已」
第3位 「心想事成」

「愛情而已」は今週、初放送作品カテゴリーの中で1位を獲得するなど、好調に放送を開始し、多くの話題を集めた。岐路に立つスポーツ選手とキャリアウーマンを描くこのドラマは、一見遠く離れているように見える登場人物が互いに衝突し、さらに、劇中で描かれる 2 人の主人公の個人的なキャリアラインと人生経験も異なることからもわかるように、人生の問題は同じではなく、ラブストーリーというベースの上に、複数の視点でより根拠のあるトピックや展開をもたせることで、多くの聴衆を引き付けることができると分析されている。

年代劇TOP3
―本週カテゴリー別ヒットドラマ TOP2:年代劇―
第1位 「人生之路」
第2位 「無間」
第3位 「步雲衢」

「無間」が今週比較的好調で、スパイものという差別化されたテーマにより、市場で一定の存在感を示した。またスパイというテーマが比較的沈滞している市場のニーズを満たしたと共に、江蘇衛視・東方衛視での放送が従来のドラマ視聴者をよりよくカバーし、視聴者層を広げたようだ。主演のジン・ドンのサポートも番組の良い基盤を築いた。さらに、伝統的なスパイ戦の「知恵と勇気の戦い」の制限の下で、劇中では多くの刺激的で目を引くアクションシーンと銃撃戦シーンを追加し、観客に一定の爽快感を与えることもできた。

時代劇TOP3
―本週カテゴリー別ヒットドラマ TOP3:時代劇―
第1位「春閨夢裡人」
第2位「花琉璃軼聞」
第3位「山河之影」

「花琉璃軼聞」は安定した人気上昇とともに幕を閉じ、ストーリーの面白さと登場人物の愛らしさで、番組の人気は徐々に市場に認知され、好評を博した。昔ながらの時代劇のスタイルにコメディ要素を取り入れつつ、一定のリラックス感と癒しを与えて人気を獲得した劇中のヒーローとヒロインのカップルラインに加え、複数のサブキャラの感情や活躍も評価されるなど、配信前の予想を上回る話題作となった。中規模の時代劇作品として、そうした主演カップル+多元素の鮮度のおかげで、ドラマはダークホース的なヒット作となった。

翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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