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「驪妃(りひ)」茶菓に隠された意味|中国時代劇トリビア#69

「りひ」場面写真

ドラマ「驪妃(りひ)-The Song of Glory-」では、家族や親子の関係を描く際に、蓮子羹や穀物で作られた点心、栗の実といったおやつ・茶菓が登場します。

ドラマの舞台である魏晋南北朝は中国の茶文化成立期にあたるとも言われるそう。木の実などが加工されて作られた茶菓が、皇族や貴族たちに好まれました。嗜好食品としての果実は換金性が高く、限られた地方でしか採ることのできない貴重な果物を用いた加工品などは、献上品や服従の印として、政治的に利用されることもあったようです。

こうした意味合いもあって、ドラマの中でも、人とのつながりや情感を感じさせる大事な場面には、茶菓がさりげなく登場してきたのかもしれませんね。

そんな果物の茶菓の中で、特に人気があったのは、梅などの果実を蜂蜜漬けにした加工品。

果物が蜜により漬かりやすくするために、果物の表面に切り込みをいれ、精巧な花や鳥などの模様を彫る(現代のカービングのようなもの)方法も用いられたようです。また、宴席などに並ぶ茶菓にはスモモなどを塩漬けにしたものもあり、酒の肴として食する際には、それに蜂蜜をトッピングして食べた…ということです。

こうした茶菓の加工技術は現代でも使われており、ドライフルーツや砂糖漬けになった「蜜餞」など、多くの人に愛され続けています。

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。

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