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金馬奨俳優 モー・ズーイーが、全編日本語の演技に挑戦!日台コラボ作品 『リスボンの恋人』が公開中

台湾の劇作家・詩人・演出家・映画監督であるホンホン(鴻鴻)と演劇ユニット「亜細亜の骨」主宰のE-RUN(山﨑理恵子)が、俳優モー・ズーイー(莫子儀)を主演に迎え、日台コラボレーションの映像作品『リスボンの恋人』を制作。現在YouTubeにて、台湾華語版、日本語版が公開中だ。


新型コロナウイルスの流行により、国々での行き来が難しくなっている現在。本企画は、20年に渡り日台演劇交流の懸け橋となってきた両氏が「コロナに両国のコミュニケーションを阻まれてなるものか!」と2020年6月にスタート。2つの助成金、東京都「アートにエールを!」と台湾国芸曲「コロナを超えて国際交流」によって実現し、10か月の月日をかけ完成した。

本作は、作家としても活躍するホンホン鴻鴻の同名短編作品を、台湾で撮影した写真と映像、ポルトガル首都・リスボンを絵画で表現し、それらを組み合わせた映像作品。劇中の音楽は全て、日本で俳優・ミュージシャンとして活躍する豪起の新曲だ。制作は、三密を避け各メンバーが自分のエレメンツを完成させ、最後にそれらをミックス。日本のメンバーが今までに台湾で撮りためた写真、そして新たに撮った台北の映像も使用されている。

また、今回は台湾華語版(文字アリ、文字ナシ)と日本語版という複数のバージョンが作成されており、主演のモー・ズーイーも日本語版では全編日本語での朗読に挑戦している。

彼は本作の為に、日本側のスタッフとオンラインで日本語の練習を何度も行ったそう。またオンライン以外でも、彼が自分で日本語の台詞を録音し日本側のスタッフに送り、指摘を受けた箇所を修正し再び録音…と細かく日本語の発音を調整していったそう。その甲斐あって、彼の日本語での演技は魅力あふれるものになっている。また、台湾、日本だけでなく世界で作品が視聴できるよう、4月以降に英語とイタリア語の字幕も付く予定だ。

台湾が大好きな日本人アーティストと日本が大好きな台湾人アーティストが、日台間のコラボを止めない!と作り上げた本作。両国の永遠の友好への願いが込められている。

◆『リスボンの恋人』日本語版


◆華語字幕有版  https://youtu.be/ooPz8XOIYcc
◆華語文字無し版 https://youtu.be/jC3Lz2ovqhA



『リスボンの恋人』

作:鴻鴻 / Hung Hung (TAIWAN)
出演:莫子儀 / Mo Tzu-Yi (TAIWAN)
北村真實 / Kitamura Mami (JAPAN)
演出: E-RUN (JAPAN)
美術・衣裳:竹內陽子 / Takeuchi Yoko (JAPAN)
音楽:豪起 / Goki (JAPAN)
編集:邱垂仁 / Chiou Chuei Jen (TAIWAN)
撮影:陳冠宇 / Chen Kuan-Yu (TAIWAN)
平石順一 / Hiraishi Junichi (JAPAN)
日本語翻訳:山崎理惠子 / Yamazaki Rieko (JAPAN)
英語・イタリア語字幕:本谷麻子 / Honya Asako (JAPAN)
企画・制作 リスボンの恋人実行委員会

 *日本語・華語・英語・イタリア語 4か国語

企画者・作者コメント
リスボンの恋人について

ホンホン(鴻鴻)

32歳のGogoは正直な男:僕のタイプの女性はソウルフルなセクシーな美女。
25歳のMomoは自信がない美女。:私には魂がないの。私の魂は犬に食べられてしまったの。それに私は美人じゃない。

私のパソコンの中には「工事中」というフォルダがある。それはまだ展開させてないものや、未完成のプロジェクトが入っている。『リスボンの恋人』もその中に入っていた。二人のキャラクターが織りなす、ラブコメディーの予定で、ドキュメントフィルムとして撮影する。自分が主演も務めようと思っていた。これはこの小説の前哨戦的なプロローグに当たる部分で、本編はリスボンに辿りつたところから展開するつもりだった。でもこれ自体も短編小説として出来上がってはいた。

この物語はこのフォルダの中でもう10年以上もスタンバイしていた。きっともう世の中に姿を現すことはないのだろうと思っていたのだが、E-RUNから過去に書いた戯曲が読みたいと言われて、なぜだかわからないけど、この短編もその中に入れた。コロナが世界に猛攻をふるっている時に、この作品が再生の機会を得る、それも国境を越えてのアーティストたちのFireflowerが咲くなんて思ってもみなかった。それはまるでこの二人の悲惨なキャラクター達が、曲がりくねった人生という道で、意外にも愛の花を咲かせたのと同じようだ。そしてこの物語が不条理な運命に弄ばれている人達に勇気を与えてくれることを願っている。

企画者・翻訳・演出コメント
E-RUN(山﨑理恵子)

ここ5年ほど一年の半分を台湾で演劇コラボをしながら過ごしてきたのですが、コロナがこの世界に横行して、2020年は台湾との仕事が次々にキャンセルになりました。でもやっぱり大好きな台湾の人達と一緒に作品を作りたいと思い、20年以上にわたって親交のある作家・鴻鴻に彼の短編『リスボンの恋人』の映像作品作りを切り出すと、二つ返事でOKをいただきました。そして台湾好きの仲間を一人二人と誘って製作体制が整いました。

振付師の北村真実先生とは2002年から幾度も一緒に台湾公演に行ってます。そんな真実先生には今回は初のクロマキー効果を使ってご出演いただきました。また主演の莫子儀は、2006年に香港で見た芝居がとっても素敵で、今回、声を掛けてみたらスケジュールが空いていて快諾。日本語にも挑戦し、その上、自分で録音までしてくれました。三密避けてのインディペントの企画ですから(笑) 因みにその録音を終えた日の夜に台北映画祭の主演男優賞を受賞するというとっても嬉しい出来事も付いてきました。私たち日本人の目に映る台湾の魅力の写真と台新芸術賞ノミネート常連のカメラマン・陳冠宇の台北の映像、莫子儀の映像を組み合わせて作品を紡いでくれたのはエディターの邱垂仁、室内音楽家としてイタリア留学の経験を持つ素敵な感性の持ち主です。衣裳家・竹内陽子の描くリスボン、そして豪起の音楽、いろんな思いでこの作品が構成されています。魅力いっぱいの台湾を世界の人に届けたいということで、舞台通訳・翻訳家の本谷麻子による英語とイタリア語の字幕やウェブサイトも用意しました。コロナをいち早く制した台湾。なのに国として認められていない台湾。隣人として共に手をつなぎ「私たち」の未来を育んで行きたいと願ってやみません。私たちの思いが皆様に届きますように。

2021年3月15日
リスボンの恋人実行委員会
E-RUN/山﨑理恵子


プロフィール
◎ 企画・作  ホンホン(鴻鴻)
詩人、作家、映画監督、演出家。1964年台湾出身。呉三連文芸賞、2008年度詩人賞、南瀛文学賞などを受賞。詩集『土製爆弾』、『暴民の歌』、『楽天島』など。散文『阿瓜日記ー80年代の文学青年記事』、『Tシャツを干して』、評論『新世紀台湾劇場』、小説『灰掐』、その他戯曲、編集『衛生紙+』、詩刊(2008-2016)、当代名作翻訳戯曲シリーズなどが出版されている。演劇、オペラ、ダンスなどの演出作品は40本以上。国立台北芸術大学映画学科、文学メディア大学院にて指導を担当。映画作品は金馬賞の最優秀作品賞、シカゴ映画国際評論賞、ナント三大陸映画祭最優秀監督賞などを受賞。2011年と2018年二度に渡ってベルリン文学協会でレジデンスを行う。2014年アジア文化協会より選出されニューヨークでレジデンスを行う。現在、台北詩歌フェスティバルのキュレイター、「黒眼睛文化」と「黒眼睛跨劇団」の芸術監督。

◎企画・翻訳・演出:E-RUN(山﨑理恵子)
翻訳家・演出家・ドラマトゥルク・亜細亜の骨主宰。
1991年より中国・中央戯劇学院に留学。1996年より北京にて、日本の現代戯曲のプロデュース公演を行う。2000年、香港にて演劇制作会社をoffice30設立。日本現代演劇シリーズ公演を展開。同時に、北京・香港・台湾・マカオでの日本の劇団の海外公演ツアー企画・コーディネーターを務める。2016年に日台コラボ作品、阮劇団+流山児★事務所『マクベス』の制作及び演出助手を務め、同作でシビウ国際演劇祭2017に参加。2017年には台湾にて劇団・亜戯亜を、そして東京にて亜細亜の骨を旗揚げ。現在は、日本と台湾を往復しながらの演劇活動を行っている。2020年コロナ渦においても、リモートを駆使し日・台・港・マレーシア・ロスと5か国コレボレーションで超空想科学奇譚演劇作品『食用人間~トリコジカケの中華料理~』や映像作品『リスボンの恋人』を作りあげる。演劇でアジアを繋ぐをモットーに、コロナ渦でもできるコラボレーションに日々トライしている。

◎主演 モー・ズーイー(莫子儀)
国立台北芸術大学演劇学科卒業生、専攻は演技。1996年より舞台と映像作品に参加し、舞台、映画、テレビとジャンルを超えて活躍している。 テレビドラマ『台北歌手』、『台北ラブストーリー~美しき過ち』ではゴールデン・ベル・アワード主演男優賞にノミネートされる。ミニドラマ部門では『ヨモギ』、『ワタンの酒瓶』、『濁水溪の契約』で同賞助演男優賞に三度ノミネートされる。2017年創作文集『不眠症の人』を出版し、また舞台化し上演。2018年テレビドラマ『台北歌手』でゴールデン・ベル・アワード最優秀シナリオ賞、2020年映画『親愛なる客』で第22回台北映画賞並びに第57回金馬奨の最優秀主演男優賞を受賞。台湾では数少ない、舞台、映像、テレビと縦横無尽に活躍している俳優である。


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