【アジアドラマ特集2021】＜中ドラ座談会＞＃１　ブームが到来!! 数多くの中国ドラマが日本上陸した2020年

2021.01.2918:00

時代劇だけじゃない！じわじわ本数が増えている現代ドラマの流行の特徴と面白さ

青木　それから、2019年末から日本でも配信された「Burning Ice〈バーニング・アイス〉-無証之罪-」がすごく良くて。2020年は現代ドラマも日本に入ってくるようになった印象ですよね。“スパダリ※”って流行ってるじゃないですか。私もスパダリ・ラブコメの「あったかいロマンス」は、かなり好きでした（笑）。
（※編集注：「スーパーダーリン」の略。整った容姿、高収入、高身長、包容力があるなど、何でもできる男性を指す。）

◆「あったかいロマンス」日本版予告編

小酒　そうですね、現代ドラマも日本に入る本数がちょっとずつ増えてます。2020年は甘いラブコメ系やサスペンス系が入ってきて、中国の現代ドラマを初めて見た、という人も増えているかと思います。

サスペンスに関しては「破氷行動〜ドラッグ・ウォーズ〜」やWOWOWで今年放送される「バッド・キッズ　隠秘之罪」は中国の大ヒット作だけど、今まで日本に入ってきづらかったこういう作品も入ってきました。

同じくWOWOWの「家族の名において」もそう。ホームドラマとヒューマンラブコメディを足した日本の朝ドラのような作品なのですが、中国の人々が本当に見ていてヒットしたドラマが日本に放送されるのも良いですね。中国にもこういうドラマがあるんだと新たに認識されて、現代ドラマのジャンルが広がると思います。

あと、最近WOWOWは中国ドラマを入れるのがすごい早い！

「家族の名において」©2020 China Huace Film & TV Co., Ltd.

島田　現地では、現代ドラマは女性にスポットをあてた作品も多かったですよ。今までも不倫や夫婦関係、家庭問題などを取り上げた作品はあったけど、2020年は女性の生き方や働き方、結婚、出産と現実的でシリアスなものが流行ったのかなと思いました。

それから、青木さんがおっしゃったスパダリ的な、“甜寵劇”と呼ばれる激甘なラブコメ作品。たとえば「ロマンスの方程式」「愛しい僕のラッキーガール」は、若い人たちの間で人気でした。社会派とライトな甘いラブコメの二極化の流行りが現地にあったかなと思います。

◆「愛しい僕のラッキーガール」日本版予告編

2020年はBL原作のブロマンスも続々上陸！

青木　それからBL要素ですよね。2020年はタイドラマ、日本ドラマ、アニメファンと、大きいパイでBLから興味を持ってくれる人が多かったかな。「陳情令」は原作がBL小説でドラマはブロマンスですけど、もちろんシャオ・ジャン（肖戦）とワン・イーボー（王一博）が美形なので、日本でも今までとはまた違う大きな流れがきたかなと思っています。2.5次元ファンにも興味を持ってもらえたところがちょっとありますね。

小酒　「陳情令」でBLの匂わせシーンたっぷりのブロマンスとして表現しているところにはまった人もいると思いますし、中国ドラマらしい映像美と壮大な世界観に触れて、ほかの中国ドラマも見てみたいと思った人もいると思います。

青木　あと「鎮魂」はBSで放送されることがあれば、さらに人気が出るかなと思ってるんですけど。

◆「鎮魂」日本版予告編

小酒　「鎮魂」はBL原作のブロマンスでありつつも、特撮ものの要素もある意外なファンタジーですよね。

青木　そうそう、特撮戦隊ヒーローものって感じですよね（笑）。

島田　その流れなら、「成化十四年～都に咲く秘密～」もおすすめしたいです。原作は耽美系（BL）で、ドラマではBL要素はだいぶぼやかしていましたが、面白かったです。ジャッキー・チェン（成龍）がプロデュースしているので、ジャッキーを好きな人もどうぞ、ぜひ。

◆「成化十四年～都に咲く秘密～」15秒予告