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【アジアドラマ特集2021】<中ドラ座談会>#1 ブームが到来!! 数多くの中国ドラマが日本上陸した2020年

2021年第1回目の特集は、Cinem@rt読者にもファンの多い“アジアドラマ”を深ぼり!今回は、韓国、台湾、中国、タイのドラマを取り上げます。アジドラ有識者の方々が、2020年の振り返りと2021年どんなドラマが、どの俳優がブレイクするか予想!ドラマ好きの皆さんにとって2021年のドラマがより一層楽しみになりますように!(対談内容は2021年1月時のものです)

【パネラー】
青木久美子さん(写真左・以下、青木
アジアンエンタメライター。『韓流ぴあ』『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ)、『韓国テレビドラマコレクション』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)他、情報誌を中心に韓国・中国・台湾などアジアンエンタメの魅力を紹介。好きなジャンルはSF、ファンタジー、ミステリー。

小酒真由子さん(写真中央・以下、小酒
フリーライター。アジアから欧米までドラマについて執筆中。中国・台湾ドラマについては双葉社『韓国TVドラマガイド』にて「熱烈推薦!! 中華ドラマはこうハマる!」を、Cinem@rtにて「アジドラ処方箋」を連載中です。執筆させていただいた、ぴあMOOK『2021年見るべき中国時代劇ドラマ』も発売中ですので、ぜひよろしくお願いします!

島田亜希子さん(写真右・以下、島田
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆するほか、中文翻訳も時々担当。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『2021年見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ)ほかにて執筆記事掲載中。推しジャンル:サスペンス、ミステリー、ホラー、そして中国らしさ満載「聊斎志異」のような古典妖怪ものも面白くて好き。

【アジアドラマ特集2021】中国ドラマ編 座談会 目次
#1  ブームが到来!! 数多くの中国ドラマが日本上陸した2020年(2021.1.29更新)
#2  2021年要注目!10人の推したい俳優達(2021.1.30更新)
#3  大予想!2021年この作品がヒットする!?(2021.1.31更新)

<韓国・台湾・タイドラマ編はこちら>


2020年はこれまでに中国ドラマが日本に一番多く入った年!

※会話中に登場する作品タイトルは中国現地のもので、日本での放送時に変更になる場合があります。

島田
 中国現地では、2020年は大型で超大作時代劇も人気はありましたが、話数が短い小規模作品、ネットドラマにおいても注目すべき作品、話題作も多かったです。日本での中国ドラマ人気はどういった印象でしたか?

青木
 今までも日本で中国時代劇の人気は前からジワジワきていましたが、2020年はおうち時間があったのでアジアのドラマ全体が小ブームだけどワッときたかなと思ってます。ファンタジーの時代劇が日本だと多いけれど、「招揺」シュー・カイ(許凱)「陳情令」シャオ・ジャン(肖戦)、2019年リリース作品だけど「三国志 Secret of Three Kingdoms」マー・ティエンユー(馬天宇)などの美形スターが登場したのは大きいかなと。

それから、昨年日本でDVDリリースされた「大明皇妃 -Empress of the Ming-」「明蘭~才媛の春~」のように、歴史モノなんだけどラブ史劇のヒロインとはまた違った女性の視点で描かれているのが最近の流れなのかなと思いました。

◆「明蘭~才媛の春~」日本版予告編


小酒 2020年に日本に入ってきたラブ史劇だと、“ラブ史劇”と一言では言えない作品が増えたという印象です。現地でサスペンスが流行ってるということもあって、事件捜査もののサスペンス要素がプラスされたものや、武侠ドラマの要素を加えたものが出てきましたね。これまで武侠ドラマというと、金庸「笑傲江湖」「射鵰英雄伝」といったイメージでしたが、ジャンルがうまく融合して、日本でも多くの人に見られるようになったという印象です。

青木 友人も最近中国時代劇を見始めたのですが、ある中国時代劇のムック本を「小酒さんが書いた時代劇の用語解説がいいから買った」と言っていました。時代劇だとどうしても普通は知らない言葉がたくさん出てきますよね。

小酒 ファンタジー時代劇になるとさらに用語が独特ですしね。世界観もとっつきにくいし、日本の視聴者的には敷居が高いと言われていましたが、最近はだんだん浸透してきました。とくに2020年は中国時代劇のムック本がいっぱい出て、島田さんも書かれているCinem@rtの「中国時代劇トリビア」の連載コラムなど、学べる場所が増えたと思うんです。中国時代劇を今まで見たことなかった人も、とっつきやすくなってきたのかなと思います。

青木 たしかに2020年は中国時代劇のムック本が次々出ました。

島田 私も執筆していて2004年頃のF4大ブームの時を思い出しました。2020年は華流が走り出した頃の勢いがありましたね。

青木 あと、時代劇に分類するか迷いますが…昨年末にDVDリリースされた中華民国時代を描いた作品「海棠が色付く頃に」もよかった。民国時代のファッションを見ているのも結構楽しかったです。 

島田 ダン・ルン(鄧倫)「晩媚と影~紅きロマンス~」リー・イートン(李一桐)の主演作ですね。 

小酒 最近、その時代のドラマもすごく増えましたよね。「君、花海棠の紅にあらず」とか「紳士探偵L 魔都・上海の事件簿」とか。あと昨年11月にリリースされたクリス・スン(孫祖君)のラブコメ「雲衣坊 〜糸に秘めた恋〜」も一応、民国時代でしたね。 

島田 現地でもリー・イーフォン(李易峰)の民国時代のスパイドラマ「隠秘而偉大(原題)」も視聴率が良かったようで、すごく話題になったみたいでした。


<次のページ:時代劇だけじゃない! じわじわ本数が増えている現代ドラマの流行の特徴と面白さ>

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