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一番偉いのは誰?「明蘭」登場人物たちの上下関係|中国時代劇トリビア#43

中国ドラマを観ていて、あれ、これ...なんかちょっと気になる~!?という小さな"なにか"を見つけてしまうことはありませんか? そんな中国ドラマに登場する、ちょっと気になる小さなアレ!を集めた、小ネタトリビアをまとめてご紹介していきます。今回は大ヒットドラマ「明蘭~才媛の春~」の気になるアレを探ってみました!

一番偉いのは誰?「明蘭」に出てくる身分の上下関係

「明蘭」場面写真1

ドラマ「明蘭~才媛の春~」には、官史・伯爵・侯爵・郡主と様々な身分が登場します。ではその上下関係は、どのようになっているでしょうか?

中国の爵位は隋代以降基本的には王→公爵→侯爵→伯爵→子爵→男爵の並びで唐・宋代に完成します。宋代では爵位は世襲が可能で、子がその位を引き継ぐことができます。このため、科挙の受験を許されず出世のチャンスを失った顧廷燁でも、寧遠侯爵家である顧家を継ぐことで爵位を持つことができます。

他のキャストをこの上下関係にあてはめていくと、皇室の次にくるのが国公爵である国公家・斉家の斉衡は侯爵である顧廷燁の上になります。これに加えて、斉衡の母である平寧郡主は皇太子の養女で皇后様に育てられたという高貴な身分の御姫様(郡主)なので、斉家はより皇室に近い貴い身分の家ということになります。

このようにもって生まれた身分が高い貴族でも、科挙に受かればさらに重要なポストにつくことができるため、男子は科挙に挑戦していきます。

一方、明蘭の父・盛絋は科挙に合格して官僚となりました。位置づけとしては士大夫の家柄となりますが、その身分と地位は貴族と異なり、原則として世襲されることはなく、このため長柏や長楓たちは自力で科挙に受かり、官僚へのパスを手に入れねばならないのです。家でも職場でもどこか肩身の狭いイメージの盛絋ですが、超難関の科挙を見事突破したスーパーエリートであることを、どうかお忘れなく!

「明蘭」場面写真2


Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。

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