日本未公開の韓国アニメ映画作品を集めた特集上映「Cinem@rt韓国アニメセレクション」を2023年1月27日(金)～2月9日(木)の2週間限定で、シネマート新宿・シネマート心斎橋にて開催が決定！　さらに、アジア映画に特化した動画配信サービスおうちでCinem@rtにて先行独占配信中！　

劇場公開に先駆け、上映される５作品の作品解説をお届けいたします。

「Cinem@rt韓国アニメセレクション」作品ラインナップ
『ホテル・ローズ 欲望の館』
『アンニョン、僕のユーレイ様』
『密事 閉ざされた村』
『耳穴(みみあな)』
『ジンジンとアキタ』

怪しいホテルで暮らすことになった二人の少女の葛藤と、彼女たちを支配する底なしの欲望を描く、スリラー・サスペンス作品。韓国映画アカデミー（KAFA）の長編課程（2017年）アニメーションコースの修了作品として制作された。

物語の舞台は、つるバラに覆われた古いホテル。そこでは女主人が財産家の顧客たちに女性をあてがい、蓄財に励んでいる。部屋の窓からは繁華街のまぶしいネオンが見渡せるが、街とつながる道は、一本のトンネルだけだ。アニメーション研究家のナ・ホウォンは、そのトンネルを小説『不思議の国のアリス』で現実と異世界をつなげている「ウサギ穴」のようだと評した。二人の少女は、満たされぬ乾きを少しでも潤すため、周囲から注目を浴びるため、または現実から逃避するため、禁断のウサギ穴に飛び込んでいく。ちゅうちょなく物欲を表現し、全てを思いのままに操ろうとするハンナと、欲しい物を買うどころか、自我を持つことすら許されず生きてきたミナ。互いの夢見ていたものが、社会が作り上げた虚像に過ぎないと思い知らされた瞬間、ホテルを激しい憎悪の炎が包み込む。

ヨ・ウナ監督は、少女が性犯罪の犠牲になった事件の報道番組と、その事件をめぐるネットでの激しい論争を目にしたことから、本作を構想したという。生々しい男女の交わりがアニメーションで描かれることに違和感を覚えるかも知れないが、ある意味では実写よりも感覚的、また象徴的に、画面からのメッセージを伝えられるのもまた、アニメーションが持つ魅力の一つと言えるだろう。

『ホテル・ローズ 欲望の館』
配信ページ：https://www.cinemart.co.jp/vod/lineup/detail/000902.html

【あらすじ】
少女たちから熱烈な人気を集める最高のアイドルスター、ローズ。誰もがそのスタイルをまね、彼女が宣伝するアクセサリーや化粧品を欲しがった。中でも女子高生のハンナは、身につけるアイテムだけでなく、美しい容姿までローズとそっくりで、友人たちから一目置かれる存在だ。ある日彼女は、歓楽街の外れにひっそりと建つ「ホテル・ローズ」を訪ねる。夏休みの間に金持ちの得意客たちのコネを得て、ローズと同じくスターになろうともくろんでいたのだ。一方、病気の妹の治療費を稼ぐため、メイドとしてホテルにやってきた内気な少女ミナ。彼女もまたローズに憧れており、ハンナと打ち解けていく。だが「ローズ」の通り名でホテルNo.１の座を得たハンナに、ミナは羨望と劣等感の入り混じる、複雑な思いを抱き始めていた。

監督：ヨ・ウナ
原題：장미여관／英題：Motel Rose　2018年／77分／韓国／PG12／サスペンススリラー

Text：田中恵美（ライター・編集者）
1990年前後のアジア美術ブームをきっかけに、韓国の現代美術や民衆美術を通じた交流活動に携わる。特に「花開くコリア・アニメーション＋アジア（花コリ）」運営委員として、日韓アニメーション界の交流をサポート。韓国関連の執筆・編集では、ドラマなどのほか美術・デザイン、野球、ジャズなど専らニッチ担当（笑）。
花コリ公式サイト：https://anikr.com/

「Cinem@rt 韓国アニメセレクション」

2023年1月27日(金)～2月9日(木) シネマート新宿・シネマート心斎橋にて開催！
シネマート新宿・シネマート心斎橋
一般・大学生：1,500円／シニア(60歳以上)：1,200円／障がい者：1,000円
・各種サービスデイ、TCG会員割引、ペア50割引、伊勢丹アイカード割引の適用はなし。
・リピーター割引：1,200円（2回目から「韓国アニメセレクション」半券提示で上記料金でご入場できます。）
オンラインチケット予約サービスをご利用の場合にも、ご入場の際に必ず提示をお願いいたします。
https://www.cinemart.co.jp/

 おうちでCinem@rt 先行独占配信中！
視聴料金：1,200円（視聴期間 48時間）
https://www.cinemart.co.jp/vod/news/20221125006670.html