2022年10月「初恋だけ3度目」、11月「To My Star」「To My Star2：僕たちの言えなかった話」、12月「春情の乱」と韓国BLドラマが3ヶ月連続でDVDリリース！　これらの作品の買い付け担当者キムさんに、韓国BLドラマについてお話をお伺いしました。

―　まず、作品購入の決め手をそれぞれ教えてください。

キムさん　「初恋だけ3度目」は、前世の記憶を持ったまま初恋の人だけを待ち続けたのに、その人が男に生まれ変わった!? という設定がとても興味深くて。「To My Star2」は、実はシーズン１の大ファンで。シーズン２制作の可能性があると聞いた時からこの作品は購入したいと思っていました。購入できると確定した時は思わず大声で叫んでしまいました…（照笑い）。「春情の乱」は原作のwebマンガを読んでいましたし、BLドラマとしては珍しく時代劇だったので興味をひかれました。

「To My Star2：僕たちの言えなかった話」©STUDIO HIM CO. & ENERGEDIC

―　買い付け担当者のキムさんが思う、それぞれの作品の見どころを教えてください。

キムさん　「初恋だけ3度目」は、自分の愛に揺るぎない自信を持った男に投げかけられた「自分が愛したのはその女性なのか、その人なのか？」という疑問、それに対して彼が出した答えにご注目ください。「To My Star2：僕たちの言えなかった話」は、1話の00：00：00から10話の00：43：00までです。(笑)　ファン・ダスル監督の演出は本当に繊細で、韓国BLファンの間では神と呼ばれていますし、私も大ファンです。そんな監督の演出が十二分に溶け込んでいるのがこの作品ではないかと思います。それに、素晴らしい台本や主演俳優２人の演技まで、完璧なハーモニーになっています。「春情の乱」は、主人公2人の物語ももちろん面白いのですが、この作品は特に脇役が目立つ作品になっていると思います。安定した演技と全場面で色んな形で活躍する脇役たちにも是非ご注目ください。

―　最近の韓国のBLドラマの状況についても、キムさんのご意見をお伺いできたらと思います。キムさんから見て、韓国でのBLドラマ人気はいかがですか？

キムさん　韓国でもBLドラマは人気です。最近、韓国でも「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい（チェリまほ）」が大ヒットしました。タイBLの人気も凄くて、コロナの規制が少し和らいでから、タイの俳優たちの来韓イベントなども立て続けに行われています。長くBLジャンルを楽しんできた私個人としては、最近のこの雰囲気はまるで仲間内で楽しんでいた“BL”が、学校の文化祭で展示されたような気分ですね。まだ博物館に展示されるまでではないのですが（笑）。実際、近年BLマンガの実写化やBLドラマ制作本数も増えています。現場の人間としては、まだまだ無限の可能性があるジャンルだと思っているので、今後を楽しみに期待しています。

「初恋だけ3度目」© 2022 ASCENDIO ALL RIGHT RESERVED.

―　キムさんがドラマを視聴していて「こういうところが韓国BLらしいな」と感じるポイントはありますか？

キムさん　昔に比べ、最近はだいぶBLが水面上まで浮き上がり話題になっているとは言え、このジャンルをよく思わない視線もまだまだあります。ドラマを制作する時もそういったことに考慮しながら制作するしかない環境ではあります。その代わり、韓国BLはソフトな感じの演出とストーリーが魅力になっている思います。（1話の分数や話数自体が短めなので、十分な説明ができない場合もなくはないのですが…。）

―　キムさんが思う、日本のBL／韓国のBL、どんな共通点または違いがあると思いますか？

キムさん　先ほどの答えと重複しますが、韓国はまだ社会的にこのジャンルに向けられた視線が必ずしも肯定的なものばかりではありません。そんな雰囲気はどの国もあると思いますが、特にBLジャンルのコンテンツが活発に制作されている国々の中では、個人的に日本と韓国が一番似た状況なのではないかと思っていて。韓国も日本もラブストーリー色が強い作品がTVドラマもしくはWEBドラマ化される機会が多いことが共通点ではないかと感じています。

「春情の乱」©media atlantis co..Ltd

―　ありがとうございました！　これからも様々な韓国BLドラマが日本上陸することを楽しみにしています！