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【特集】アジアのお弁当を知りたい!<韓国編>#2:傾けばキムチの汁が!? 弁当が映し出す日常風景etc…

今回、お弁当事情を深堀りしてみるのは、お隣、韓国です。文化面においては日本との共通点も多く、身近な国というイメージがありますが…!? 韓国在住歴20年の日本人ママであり字幕翻訳家である山岸由佳さんに、リアルなお弁当事情をレポートしていただきました!

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懐かしのアルミ製弁当箱。傾けばキムチの汁が!?
弁当が映し出す日常風景etc…

韓国の学校で給食制度がまだしっかり整っていなかった時代、子供たちは毎日お弁当を持参して登校していました。高校生になると放課後、学校に残ってヤジャ(야자 夜間自習)をするので、お弁当は昼食用と夕食用に2つ必要。親しい知人は5人姉妹で、お母さんは、お弁当を毎朝7つも作っていた時期があったそうです!

おかずはスパム(ハム、ソーセージ)、卵、キムチの3種が定番。スパムやキムチを炒めるときは、肉やイカ、野菜などが加わり、彩りにこだわる余裕があれば、豆類、ししとう、エホバク(애호박 ズッキーニのような野菜)などと小魚を炒めてグリーン色を、海苔を載せてブラックをプラスします。


今も昔も人気テッパンの特大ソーセージ。パッケージには、定番3種のおかずが盛られた理想形の弁当が


80年代に保温密閉容器が定着する以前、広く使用されていたのは金色のアルミ製弁当箱で、今でも“懐かしの弁当箱”として売られています。シーリングパッキンも密閉蓋もありませんから、カバンの中で弁当箱が傾いて……、キムチの赤い汁が付いてしまった教科書は韓国人にとって懐かしのアイテムです。


日本人にも懐かしく感じるアルミ製の弁当箱。金色なのが韓国スタイル


2020年に日本で公開された韓国映画『はちどり』は、ちょうど90年代半ばが背景。お母さんが長男・長女・次女の大きなお弁当袋を3つ、朝の食卓にドカッと出すシーンがあります。次女が修学旅行に出発する朝で、彼女のお弁当の中身はキンパ。(おそらく兄姉のお弁当もキンパだったのでしょう。)詰めて残ったキンパが朝ご飯としてテーブルに追加で出されます。機会があれば本編でご確認を!

◆韓国映画『はちどり』予告編。パク・ジフ、キム・セビョク、チョン・インギらが出演。 ©2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.


#3:実業家タレントがコンビニ弁当をプロデュース 新しいお弁当文化が定着! につづきます

#タビト

Text:山岸由佳
字幕翻訳家


韓国在住20年目に突入。現地発信の韓国エンタメ情報番組ディレクターとして第一次韓流ブームを最前線で過ごし、字幕翻訳家に転身。
韓国人の夫、小学生の息子、犬、亀とコロナ禍のソウル郊外に暮らしている。


Q. 山岸さんの好きなお弁当のおかずは? 
好きなお弁当のおかずは鮭おにぎり(北海道出身のため)。

写真提供:山岸由佳
Edited:
野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)

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