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【インタビュー】「品位のある彼女」キム・ソナ#1

昨日、BS12での放送が最終回を迎えた「品位のある彼女」。財閥家を混乱に陥れる謎の介護人ボクジャを怪演したキム・ソナ。彼女からみた「品位のある彼女」、そしてパク・ボクジャというキャラクターについて話を聞いた。

第1回:2018.10.10公開
第2回:2018.10.11公開 ※一部ネタバレを含みます※


【プロフィール】キム・ソナ
1975年10月1日生まれ。中学・高校時代を日本で過ごし、米国の大学に在学中モデルオーディションに合格し帰国。98年に女優デビューし、ドラマ・映画双方で活躍。一大シンドロームを巻き起こした05年の「私の名前はキム・サムスン」で国民的女優に。「シティーホール」「女の香り」などのヒットを生み出し、コメディエンヌとして唯一無二の座を確立。近作に「恋はドロップキック!~覆面検事~」など。

「品位のある彼女」
日本公式サイト http://www.cinemart.co.jp/dc/k/dignity/
BS12作品ページ https://www.twellv.co.jp/event/dignity/

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― 本作への出演の決め手は何ですか?この作品の、もしくはパク・ボクジャ役の、どんなところに魅力を感じられたのでしょうか?

まずは、ただ好きでした。あと演出も、会いたいと思い会えると嬉しくなる、キム・ユンチョル監督でしたので出演を決めました。'ボクジャ'の役を私に提案してくれた方が、他でもない「私の名前はキム・サムスン」のキム監督だったんです。キム監督とは12年ぶりでしたし、是非やりたいなと思いました。オファーしてくださったときは本当に嬉しかったです。



― キム・ソナさんから見たボクジャとはどんな人物ですか?ボクジャ役を演じるにあたり、役作りなどはどのようにされましたか?

まず台本が凄く興味深かったし、キャラクターも本当面白くて。ただ、挑戦してみたいとは思いましたが、最初から受け入れ易いキャラクターではありませんでした。頭で面白いと思うのと、心でそれを受け入れ演じるのは別問題ですからね。

実際、キャラクターを受け入れるのに随分時間が掛かりました。パク・ボクジャを受け入れるために演技指導の先生と1ヶ月ほど、台本ではなく人が生きることに対して語りました。そんなある日、白雪姫に登場する王妃が頭に浮かび、徐々に理解できるようになりました。

パク・ボクジャは、子供の頃から十分に愛されてこなかっただけです。ただ温かい一言、自分に対する信頼が欲しかっただけ。彼女は精神的に成長できなかった人なんです。夢と欲望の違いが分からない。そんなことを教えて導いてくれる人もいませんでした。それで間違った道を歩むことになるしかなかったんだと思います。




― 撮影に入る前や撮影中などに、キム・ユンチョル演出家や脚本家のペク・ミギョンさんと、役についてお話しされたり、リクエストされたりしたことなどはありますか?もしあれば、どのようなお話をされたか教えてください。

ボクジャが綺麗になる事を含め、全ては事前に計算された内容です。本当に凄いと感心しました。作品と言うのは決して1人で作れるものではありません。特に、演じる側としては演技だけに集中できる環境が、凄く良かったですね。台本だけを見ていれば、何を言わなくてもヘアメイクから何もかもを全部やってもらえました。撮影中、鏡を見た覚えがありません。その上、皺も全部消してくれたんですよ。監督の頭の中には全ての計画が立てられていたんですよね。

よく知らずに過ぎてしまったところも、後から監督に話を聞いて分かったこともありました。こんな方と一緒に仕事ができた自分は、本当恵まれていたと思います。本作では、カメラさえも俳優の感情と一緒に動いていたのです。そういったものが真の意味での、心臓がトキメク仕事だなと思いました。




― ボクジャは純朴な面や攻撃的な面、そして時折見せる痛みを抱えている部分など、とてもたくさんの顔を持った人物だと思いますが、多様な面を表現するために、何か気を付けたり、意識したりしたことはありますか?

パク・ボクジャに対して気を付けていない所はありません。彼女が使う方言が本当なのか、ただマネしているだけなのかも分からないし、彼女の本心が何なのかも知る余地がありません。そんな部分に対する悩みが本当に多くて、ずっと心の中で疑問としてしまっておきました。なので、人からボクジャに関して質問されても、私は答えることができませんでした。私自身も答えを知らなかったからです。ボクジャはそう生きるしか他に方法がなかったし、彷徨うしかなかった人です。彼女はずっと独りぼっちだったからです。

私は彼女の事が可哀想で仕方ありません。パク・ボクジャと言う人物は、ある時を期に時間が止まっている人だと思います。幼い頃の不幸で時間が止まった人。面倒を見てくれる人も慰めてくれる人もいない、彼女の人生。そんな彼女の人生を通して、結局人は誰かを必要とするしかないんだと感じました。




― ボクジャはドラマ序盤の介護人の時とアン・テドンとの結婚後とで、髪型や服装もガラッと変わりますが、髪型や衣装などはどのように決められたのでしょうか?キム・ソナさんのご意見なども入っているのでしょうか?

5月に台本を貰いパク・ボクジャというキャラクターを頭の中で描いてみたのですが、それが上手く作れませんでした。実は髪の長さが鎖骨まであったのですが、撮影が始まった10月までに少しずつ短く切っていって。その度に何回も繰り返して監督に写真を送りました。

衣装もスタイルをずっと変えていまして。何回もダメ出しもらって'これで最後だ'との思いで本当とんでもないスタイルを監督に送ったのですがそれがOKになりました。ボクジャは派手なスタイルが好きだがスタイリッシュではなかったので最初から調和している綺麗なスタイルは駄目だった訳です。それでドラマの中でアン・テドン会長が、最初に彼女に洋服や靴を買ってあげた時、彼女のスタイルは全てがそれぞれ派手で目立ってしまい調和していません。

その後、パク・ボクジャが綺麗になったのは、全て監督の計算です。どれだけ照明に助けられたか。勿論、衣装の力も大きかったです。現場で台本を見ながらじっとしていると、メイクやヘアなど必要な物は全てを周囲が手伝ってくれました。
後から知ったのですが、それは全部、ドラマ内での上流階級の感覚をカメラが回っていない時でも継続させようとした監督の演出だったと聞きました。本当凄い方です。


<第2回へつづきます>


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公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/dc/k/dignity/

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