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中国文明や国家繁栄には不可欠な「治水」|中国時代劇トリビア#152

乱世の覇権争いの中で“政略結婚から始まる愛”を、時代劇の重厚さで描き出したロマンス時代劇「折腰」。今回は、このドラマの中に登場する気になるアレを探っていきたいと思います!

中国文明や国家繁栄には不可欠な「治水」


「折腰」© Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

中国の河川はしばしば洪水を発生させたため、中国文明や国家繁栄には治水が不可欠であったとされています。ドラマ「折腰」でも、その水の流れの掌握がいかに重要になるのかが、描かれています。

民衆の命にもかかわる治水を戦に使うことが禁じられていたことは歴史上にもみられ、今回参照させて頂いた東洋大学の坂井多穂子教授の論文にも、紀元前651年に斉の桓公が葵丘にて諸侯と締結した「葵丘の会盟」の中に、黄河の流れを変えるなどして「堤防を勝手に曲げて他国を水攻めにしてはならない」という決まりがあったことが紹介されており、その重みが分かります。

このため、治水を成功させた人たちは、国と民を守った神のような存在となっていきます。


◆治水の功績で知られる2人の人物

では、その治水の功績で知られる人物を紹介していきましょう。

1人目は「大禹だいう治水」の伝説で知られ、治水の功績で中国・古代夏王朝の初代王となった 。禹の父・こんが治水工事を任され9年間工事を続けるが失敗。その後の工事を息子の禹が継ぎました。禹は父鯀がとった堤防などを利用する方式を改め、放水路を使って水を高いところから低いところへと疎通させる方式をとり、13年間かけて工事を続けました。この間、仕事にうちこむために、禹は自宅の前を通りかかっても、一度も門をくぐらなかったとも。禹の熱心な働きの結果、河の水は海へと流れるようになり、堤防の決壊がなくなり洪水もおこらなくなっていきました。この功績を受け、舜帝は禹に帝位を譲ったとされます。治水の神として禹が伝わるのは中国だけでなく、沖縄には禹王遺跡がある他、京都の鴨川、淀川そして、関東の利根川などの要所に、禹を祭った社や石碑が江戸時代を中心に建立されていたということです。

2人目は世界遺産にもなっているかんがい施設「都江堰とこうえん」を造った李氷。紀元前3世紀、戦国時代の秦の蜀郡郡守であった李氷は、岷江が雪解けの時期には山岳部から成都平原の扇状地に出てきた辺りで増水し、ほぼ毎年洪水を起こしていたのを、息子の李二郎と共に8年かけて都江堰を完成させて国と人を救いました。

「都江堰」は、川の中に中洲を作って流れを分散させる仕組みを利用し、現在も機能しています。李氷父子は神格化され治水の神として祀られ、李二郎は中国神話の「二郎神」のルーツとなっています。


【参照URL】
大禹治水

 

今回登場したドラマ「折腰」
配信|2026年7月3日より、順次デジタル配信予定
セル|DVD-BOX1・2:7月10日発売 DVD-BOX3:8月14日発売(各15,400円 税込)
レンタル|7月3日より順次リリース(全18巻)

発売・販売元:エスピーオー
HP:https://www.spoinc.jp/lineup/list/detail/setsuyou/

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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