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『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』プレミア上映会イベントレポート

『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』 プレミア上映会概要

◆日時:3月31日(火) 18:30~19:00 ※上映前舞台挨拶
◆場所:新宿バルト9 シアター8(東京都新宿区新宿3丁目1−26 三丁目イーストビル 9階)
◆登壇者(敬称略):岸井ゆきの、ツェン・ジンホア、真壁幸紀監督

吉本ばななの短編小説集『ミトンとふびん』に収められた一篇を日台合作で映画化した『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』(6月26日公開)。そのプレミア上映会が3月31日に新宿バルト9にて実施され、W主演の岸井ゆきのとツェン・ジンホア、そして真壁幸紀監督が登壇した。

最愛の母を失った主人公・ちづみが(岸井)が、旅先の台北でシンシン(ジンホア)という青年に出逢い、喪失感の中で再生していく物語。ちづみを演じた岸井は「母親を亡くしたちづみにとって、母の喪失が自分の存在までも削ぎ落とされてしまった感覚になったのかなと思って。演じる上ではその感覚は大事に持っていたいと思いました」と役作りを明かした。シンシン役のジンホアは本作について「この物語は再生の物語であって、自分の過去の傷を癒してくれる出口を見つけようとする物語です」と説明し「本作は私にとっても大きな挑戦でした。慣れない日本語でお芝居をするのは大変でしたが、参加する事によって色々なパワーを頂きました。そして今日、このように日本に来られてとても嬉しく思います」と笑顔を見せた。

そんなW主演に真壁監督は「お二人の芝居が素晴らしいのは言わずもがな。そんな二人の醸し出す空気感や相性の良さが出ればいいと思った。撮影現場に二人が入った瞬間からその空気は出来ていたので、それが画面に映っているはずです」と手応えを口にしていた。

2024年10月に日本と台湾でロケを敢行。この日の再会はそれ以来となるが、岸井が「もうそんなに時間が経ったのかと思うくらいお互いに何も変わっていない。自然に再会が出来ました」と述べると、ジンホアは「撮影中の様々な思い出が目に浮かぶようです。撮影が終わった時に、僕と岸井さん、そして真壁監督と熱い抱擁をしたのを覚えています。今回、来日する際にもその時の写真を見返しました」と懐かしい日々に目を細めていた。

日本語のセリフに初挑戦したジンホアは、撮影の2か月前から台本に書かれている日本語を猛特訓。撮影中の岸井とのコミュニケーションは台本に書かれているセリフを通して行われたという。岸井は「例えば雨が降ってきたら、雨を待ちましょうというセリフがあって、同じ状況になった時に『雨を待ちましょう』と言ってくれたりした」と機転を利かせたジンホアの一面を紹介。また本編中には使用されていないものの、ジンホアの発する「いいよ!」というセリフが撮影現場で合言葉になったそうで「ジンホアの言う“いいよ!”は純度100%のグッドという意味の“いいよ!”に聞こえる。それが可愛い」と岸井が声を弾ませると、ジンホアは「撮影初日に僕は“ちづみ”を“ネズミ”と言い間違えてしまった…」と照れ笑い。これに岸井は「それはね…初日だけではないですよ」とツッコんで、ジンホアは「ソーリー!」と謝って場内は笑いに包まれた。

そんなジンホアの日本語習得力を絶賛する岸井は「ジンホアさんは努力の人。作品への向き合い方も誠実だし、かつて習字をテーマにしたドラマに出演されていたそうで、本当に字が綺麗。ひらがなも上手で驚いた。今回の日本語セリフも含めて努力して習得された事を感じました」とリスペクトしきり。これにジンホアは「ひらがなの50音は書けますよ」というと、会場からは驚きの声が。

また、本作の内容にちなんで「旅先での特別な出会い」を発表。フルーツ好きの岸井は「ロンドンで出会ったフラットピーチ(蟠桃)。それが本当に美味しくてピーチよりもピーチ。日本どの高い桃よりも美味しくて一番好きな食べ物になるくらい好きになりました」とゾッコン。ジンホアは「山に籠って生活していた時に出会った動物たち。鹿や鷹や猿などの姿から大自然の規律ある循環を感じました。いつか日本の山にも登ってみたい」と抱負と共に明かした。真壁監督は、「シンシン役がなかなか決まらない中、台北に行って色んな人の話を聞くうちにジンホアさんの名前が挙がって。ロケ地も含めて必然の出会いみたいなことでこの映画制作ができたと思っています」と語った。

最後に主演のジンホアは「ファンタジーやロマンチックなど、様々な要素がある作品です。どの場面も見逃していただきたくないので、お手洗いに行きたい方は是非とも上映前に行ってくださいね」とユーモア交じりにPR。同じく主演の岸井も「大切な小さな事に気付かされる映画になっています。この映画は目に見えている景色の音も大事にしているので、耳も目も澄まして楽しんでご覧ください」などと呼び掛けた。真壁監督は「もし気に入っていただければ6月26日の日本公開の際も劇場に足を運んでいただけたら。そして台湾でも公開されますので、もしよければそちらでも観ていただきたいです」と笑いを交えつつ大ヒットを祈願した。

 

『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』
6月26日(金)より新宿バルト9、シネスイッチ銀座ほか全国公開

原作:吉本ばなな 「SINSIN AND THE MOUSE」(新潮社刊「ミトンとふびん」収録)
監督:真壁幸紀
脚本:真壁幸紀、加藤法子
出演:岸井ゆきの ツェン・ジンホア

【あらすじ】
母を亡くし、深い喪失感を抱えたまま日々を過ごす、ちづみ。心の空白は埋まらず、時間だけが過ぎていくなか、友人に誘われ、台湾を訪れた。そこで、台湾人の母と日本人の父を持つ・シンシンを紹介される。見知らぬ街の風景と、何気ない会話の積み重ねが、止まっていた心を少しずつ動かしていく。消えない悲しみを抱えながらも、小さなぬくもりを見つけて――。

劇中絵本:「ないしょのおともだち」(ほるぷ出版)ビバリー・ドノフリオ:文 バーバラ・マクリントック:絵 福本友美子:訳
製作幹事・企画・制作プロダクション:ROBOT
共同幹事:TCエンタテインメント
製作:映画「SINSIN AND THE MOUSE 」FILM PARTNERS
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

2026年/日本/カラー/スタンダードサイズ/5.1ch/108分/G

Copyright © 2021 by Banana Yoshimoto All rights reserved.
Japanese original edition published by Shinchosha Publishing Co., Ltd., Japan in 2021.
The permission to use the original novel to produce this movie has been arranged with Banana Yoshimoto through ZIPANGO, S.L.
©2026映画「SINSIN」FILM PARTNERS

公式サイト https://www.culture-pub.jp/sinsinmovie/
公式X、Instagram @sinsinmovie #シンシン映画

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