【鑑賞コラム】VBLシリーズ「Promise of the Soul」−−愛の本質を問うファンタジック・ラブストーリー
【ネタバレあり】愛の本質とは何か?
BLは、いまや台湾でも一つのジャンルとして確立されているが、実はキャストや製作陣には特にこだわりがないという姿勢の人が多く見受けられる。本作ではないが、キャストやプロデューサーから「愛に性別は関係ない」、「いつかBLというジャンル自体なくなるのが理想」という発言も少なからず聞く。それはおそらく、台湾社会全体に浸透している共通認識でもある。もちろん台湾にもBLをこよなく愛する人もいれば、逆に同性愛を受け入れられない層も少なからず存在する。それでも「愛に性別は関係ない」と考え、それを積極的に表明していく空気があり、手を繋ぐ同性カップルを街中で見かけることも日常の風景になっているのが今の台湾だ。
「Promise of the Soul」には、大久保麻梨子とケリー・リャオ(廖奕琁)が演じる女性同士のカップルも登場する。原作にないキャラクターを加えた理由は一つではないかもしれないが、女性間の恋愛も男性間、異性間となんら変わらないというメッセージも反映させたかったのではないか。BLだからこその良さももちろんあるが、あえてその点にこだわらず「愛に性別は関係ない」を描こうとするのも、台湾らしさの一面が表れたBL作品だと思う。

©2024 “VBL Series“ SET All Rights Reserved.
そして物語中盤以降は、輪廻転生の可能性も示唆される。もし何度生まれ変わっても同じ魂に巡り合い愛し合えるほど強く結ばれた縁があったなら、なんとロマンチックだろうか。「入れ替わり」に「輪廻転生」、まさにロマンチックのてんこ盛りである。結末については正直、別のハッピーエンドの形もあったのではないかと思わずにはいられないが、ファンタジーを軸としながらも、その実描いているのは愛の本質だ。外見が違っても、性別が変わっても、年齢が離れてもなお惹かれ合う、そんな真実の愛があるならきっと誰もが手に入れたい。本作に限らず、VBLシリーズの作品は基本ライトなテイストで気軽に楽しめるのが魅力だが、実はさらりと深いテーマも内包している。コミカルで甘いシーンに酔いしれながらも、見終わった後、その提起された問いを考えながら余韻に浸る。「Promise of the Soul」も、そんな楽しみ方ができる作品だ。

©2024 “VBL Series“ SET All Rights Reserved.

Text:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
2026年3月13日(金)発売
【収録内容】本編全12話+特典映像/全1BOX
【映像特典】メイキング他
【封入特典】ブックレット、サイン入りチェキ風カード
【価格】BD:16,500円 DVD:13,200円(どちらも税込)
原題:靈魂約定(英題:The Promise of the Soul)
発売・販売元:エスピーオー
https://www.spoinc.jp/official/pots/


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