
「紅き真珠の詩」より、中国の海商と海賊|中国時代劇トリビア#147
中国時代劇に登場する気になる“アレ”を探るこのコラム。今回はチャオ・ルースー(趙露思)&リウ・ユーニン(劉宇寧)主演の「紅き真珠の詩」に登場する気になる“アレ”を探っていきたいと思います!
中国の海商と海賊

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昭武康国の豪商・ 燕子京は粟特(ソグド)商人として唐にやってきます。粟特商人は中央アジアの粟特(ソグディアナ)地域を拠点としたイラン系の商業民族で、シルクロードの東西交易を独占し、特に隋唐時代に中国で大いに活躍しました。独自の言語と文字を持ち、その文字はシルクロードの交易活動において、商人たちの間で広く使われ、国際共通語としての役割を果たしたとされています。その燕子京は陸路ではなく、海路を利用した海商として描かれており、どこか海賊風の雰囲気を漂わせています。
海賊というと、西洋のバイキングなどのイメージがありますが、中国にも後漢の安帝(107年〜113年)の時代に、張伯路という海賊が出現し、その後も様々な海賊が登場しました。その中でも有名なのが、商人出身の海賊の王直。明の時代、海禁政策が行われるなかで、密貿易に従事していた王直は、海賊の許棟の配下となり、日本などとの貿易を盛んにしました。しかし、1547年から取締が厳しくなった折、許棟が殺されたことをきっかけに海賊団を結成し、後期倭寇の頭目となります。こうしたことからも、海商=海賊では決してないものの、両者が切ってもきれない関係であるイメージは強いのかもしれません。
陸地を離れ、巨額の富を手にする海商は、自由なイメージもありますが、彼らの貿易は唐代から設置された市舶使(司)という海上貿易をつかさどる官吏に管理されており、宋代には市舶使が積み荷の検査、輸入税の徴収など貿易業務全般に関する手続きを行ったとされていたそう。ドラマなどで、突然船に役人が乗り込んできて積み荷を改めたり没収したりするのは、ずばりこのシチュエーション!に、あてはまるのかもしれません。また、法令として、海商が没した場合、その財産の処分は官が行い、3か月以内に海商の妻子が官憲に届けなければ、全て官憲が没収したという事例もあったとされ、なんらかの規制が国によってあたえられたことなどが、分かっているようです。
中国海商が海外から持ち帰ったものは、香料・銀・米・乾物海産物。そして中国から海外に国々に渡ったものは、生糸・絹織物・陶磁器・漢方薬剤・茶葉や日用品などとされており、危険と表裏一体で、成功すれば膨大な富を生みだす、まさに一攫千金のビジネスだったといえますね。

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【参考文献】
松浦章(2003).『世界史リブレット63 中国の海商と海賊』.山川出版社
欺波義信 他 監修(2024).『東インド会社とアジアの海賊』.勉誠社
ながたみかこ(2014).『伝説の海賊&大事件事典』.大泉書店
セル|DVD-BOX1・2:発売中 DVD-BOX3:2026年2月4日発売
レンタル|第1巻~第10巻リリース中 第11巻~第20巻:2026年2月4日リリース
提供:エスピーオー/BS12 トゥエルビ 発売・販売元:エスピーオー
2023年/中国/原題:珠簾玉幕
https://www.spoinc.jp/official/akakishinju/

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
中国時代劇を見て感じるちょっとした不思議や疑問を解説します。


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