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唐の学生にも夏休みがあった!? 入学時のお約束とは?|中国時代劇トリビア#73

前回の「中国時代劇トリビア」では、「若葉の詩(うた)~青青子衿~」の舞台となる「書院」についてご紹介しました。今回は更に書院に関する2つのプチトリビアをご紹介します!

その1 唐の時代の学生にも夏休みがあった!?

唐代の太学では、学生たちに5月と9月に1か月の長期休業が与えられ、故郷への帰省が認められていました。その休暇に関する特例として、家が200里(100km)より遠い場合と、家庭に重大な事故が起こった場合には、休暇期間を延長することができたのだとか。

また、玄宗皇帝の時代には、真夏の厳しい暑さの中で宿舎に住む学生たちの不便を考慮して、私邸や故郷に戻って勉学することを望む者を許し、今でいうところの「夏休み」の規定が生まれたそうです。


「若葉の詩(うた)~青青子衿~」より



その2 入学時のお約束は……

官立学校への入学の際、唐代には学生の入学時の教師に対する謝礼慣行が「束脩(そくしゅう)の礼」と呼ばれ、明文化されていたそう。

そのしきたりでは、国子学、太学の学生は一人当たり絹3匹(1匹=八丈)、酒1壺、肉1塊を贈ることになっていて、その贈り物は、5分の3を博士が、5分の2を助教が受け取ることになっていたということです。

実はこの束脩のしきたりは、古代日本の養老律令の「学令」の中にも取り入れられており、同じ様に国の教育機関に入学する学生には、布や飲食物を納めるきまりがあり、この品々も博士と助教が定められた割合で分配し、受け取る仕組みになっていたとか。

現代でも、師弟関係を重んずる伝統文化(茶道など)に入門する際に見られる束脩のしきたりは、こんなところに繋がっているのですね!


Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。『台湾エンタメパラダイス』『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)にて執筆記事掲載中。

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