最新台湾ドラマ|「悪との距離2」視聴率、台湾のテレビ番組で華語ドラマ1位の快挙 ※ネタバレ注意
ニュース提供元:CATCHPLAY

「悪との距離2」が先日、ついに最終回を迎えた。その反響は予想を上回り、CATCHPLAY電影台で放送された9、10話は、週末の華語ドラマ視聴率トップをマーク。配信プラットフォームの成績も好調で、CATCHPLAY+の会員数は30%増し、ライブ視聴者数は過去最高を更新したほか、iQIYI(愛奇芸)国際版は初回放送から最終回まで、台湾ドラマ再生数1位をキープし続けた。さらに公視+は1日で約5,800人の新規会員を獲得し、会員数が122万人を突破するなど奇跡的な快進撃を見せている。
時系列が2022年に戻り、1話の続きが描かれたラスト2話。交錯したそれぞれの運命、複雑な伏線がきっちり回収され、その秀逸なストーリー構成は視聴者から高く評価され、「今年必見の神ドラマ」と絶賛された。
最終話放送の前日には、「最終回前夜祭」と題しライブ配信を実施。監督のリン・ジュンヤン(林君陽)、脚本家のルー・シーユエン(呂蒔媛)をはじめ、ヴィック・チョウ(周渝民)、シュエ・シーリン(薛仕凌)、ヤン・グイメイ(楊貴媚)、ジャン・ズーシュエン(詹子萱)、バイ・ルンイン(白潤音)、リウ・ツーチュアン(劉子銓)、デレック・チャン(張軒睿)らキャストが一堂に会し、「全10話配信中。今こそ一気にドラマを見返すチャンス!」と視聴者に呼びかけた。
マー・イーセン(馬亦森)役のヴィック・チョウは、劇中の「泣き担当」として家族を失った自責の念や悲しみを繊細に演じ、「涙と鼻水を自在に操る演技の神」と称賛された。ヴィック・チョウは「イーセンの後悔は勇気が足りず大切にできなかったことです。そのチャンスは逃したら二度とないかもしれません。ドラマは終わりました。彼がそこから踏み出すことを願っていますし、僕自身も抜け出そうと思います」と役について語った上で、子役のバイ・ルンインとフェイフェイ・チェン(鄭又菲)に「彼らはイーセンに一筋の希望を見せ、たくさんのネガティブな感情を浄化してくれました」と感謝の意を示した。監督のリン・ジュンヤンは、二人の子どもたちがイーセンの生きる力となり、チェン・ヨーミン(陳又茗)の言葉によって、もう一度医師としての自分を取り戻すことができたと付け加えた。

ニッキー・シエ(謝欣穎)演じるヨーミンは、同作で最もつらいキャラクターと言われるが、20年の歳月を経てついに元の家族と和解する。ニッキー・シエは「いろいろ大変だったけど、よく耐え抜いたね。ありがとう」と自身の役に語りかけた。夫と別の女性との間に生まれた娘ヨーミンと、その子どもたちをやっと受け入れた義母のガオ・ジャン・イーミン(高張玉敏)役のヤン・グイメイは「彼らを受け入れると同時に、自分の過去も受け入れたんです」と説明。息子ガオ・ジョングアン(高政光)の立法委員解任が決まったとき、ヤン・グイメイが歌った「人生的歌」は、現場のキャストやスタッフが涙を流すほどの感動的なシーンとなった。登場人物の人生の浮き沈みや喜び、悲しみを思いながら歌ったというヤン・グイメイは「歌い終えた瞬間、本当に涙がこぼれました。たくさんの人が一緒に泣いてくれたと聞きましたが、一番心配だったのは高音が出せるかどうかだけでした」と意外なエピソードを明かした。

20年ぶりに再会する保健師のシンジュー(許幸珠)と姪のチーフェイ(簡齊蕙)のシーンも涙なしには見られない。シンジュー役のユー・ズーユー(于子育)は、「このドラマは自らを励ますような物語です。誰もが自分自身を修復している途中で、傷はゆっくりと癒えていきます」と語った。
また、プー・シュエリャン(卜學亮)演じる幹事長代行、リュー・シュエフォン(呂雪鳳)演じる前総統、シー・ミンシュアイ(施名帥)演じる林一駿がサプライズ登場するなど、「WAVE MAKERS〜選挙の人々〜」と連動した未来も描かれている。もちろん「悪との距離」シーズン1の主人公の1人、ウー・カンレン(呉慷仁)演じるワン・シャー(王赦)もフー・グアンジュン(胡冠駿)の弁護人として再登場。ウー・カンレンは「『悪との距離』の現場に帰り、懐かしい仲間に会えて感激しました」と撮影を振り返った。

グアンジュンの裁判は、劇中で鍵となる重要なシーンだ。リアリティを追求した結果、法的な内容は法律の専門家が執筆し、法廷では本物の検察官、書記官、弁護士らが出演した。胸が締め付けられるような涙にむせぶ証言シーンを演じたヴィック・チョウは「何度もリハーサルを重ねましたが、実際に席に座ったあの瞬間、感情を抑えることができませんでした」と当時の心境を吐露。一方、劇中最も物議を醸すキャラクター「グアンジュン」を演じたリウ・ツーチュアンは「グアンジュンは周囲にしっかり受け入れてもらえなかった人。一番印象に残っているのは、ワン・シャー弁護士が証人の医師に『彼自身にADHDや反社会性人格障害にならないことを選べたか?』と尋ねたこと。答えはノーです」と物語の核心に触れつつ、グアンジュンに「君は一人じゃない。誰かの愛情表現を理解できなくても、きっと君を愛している人がいると伝えたい」と話した。リン・ジュンヤンは「登場人物は皆氷山のようなものです。視聴者一人ひとりの観点からその氷山を解釈してほしい」と語る。まさにイーセンが法廷で述べた「皆さんの判断に委ねます」との言葉を想起させるようだ。

「悪との距離2」は、CATCHPLAY+、iQIYI国際版のほか、Amazonプライム・ビデオを通して240以上の国と地域で配信中。全10話。

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。
台湾でのドラマ・映画などのエンタメ最新情報をお伝えしています。


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