
「輝ける宝珠の如く」に出てくる「荐玉師」は実在した?|中国時代劇トリビア#137
「月歌行」のシュー・ルーと、「想いの温度差~九霄寒夜暖~」のビー・ウェンジュン主演!古代の宝石業界を舞台に、商いの才能と折れない心で古代の宝石業界で成長していくヒロインと、才能がありながらも放蕩息子のふりをしている玉器店の御曹司の愛と成長をパワフルに描いたロマンス時代劇「輝ける宝珠の如く」。今回はこのドラマの中に登場する気になるアレを探っていきます!
「輝ける宝珠の如く」に出てくる「荐玉師」は実在した?

「輝ける宝珠の如く」©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
ドラマ「輝ける宝珠の如く」に出てくる「荐玉師」というのは実在するのでしょうか?
「荐玉」という言葉のおおまかな意味としては、「玉を推薦する、紹介する」ということで、「荐玉師」は玉を見極める立場の人であることが分かります。まず、玉職人であれば、経験からその品質を見極める目を持っており、前回紹介した玉を管理する専門機関や役人もまた、そうした専門知識を学び習得していたと推察されます。こうしたプロフェッショナルたちが、玉を扱う商人となり、「荐玉師」となり得たのかもしれません。
「荐玉師」というワードで史実と絡めるのは難しいところですが、玉を見極めた人物……ということでは、韓非の著した『韓非子』和氏篇の卞和を思いうかべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
春秋時代、卞和は山中で得た宝玉の原石を楚の厲王に献じたが信じてもらえず左足を切られてしまいます。次の武王のときにもこの原石を献じますが、ここでもまた、ただの石だとして右足を切られてしまいます。卞和は宝石の原石を石と言われて、うそつきと扱われたことを嘆き、三日三晩泣いて、武王の子の文王がこれを磨かせると、それが見事な宝石だったことが分かります。この故事から、素晴らしい才能や、すぐれた業績が正しく評価されずに嘆くことの「卞和泣璧(べんかきゅうへき)」といった言葉が生まれています。
セル|2025年5月14日(水)DVD-BOX1発売 ※以降順次(全2BOX/13,200円 税込)
レンタル|2025年5月2日(金)よりDVDレンタル開始 ※以降順次(全12巻)
発売・販売元:エスピーオー
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
https://www.spoinc.jp/official/houju/

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
中国時代劇を見て感じるちょっとした不思議や疑問を解説します。


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