
玉文化発展の背景と、玉佩を見るだけで身分がわかる理由|中国時代劇トリビア#136
「月歌行」のシュー・ルーと、「想いの温度差~九霄寒夜暖~」のビー・ウェンジュン主演!古代の宝石業界を舞台に、商いの才能と折れない心で古代の宝石業界で成長していくヒロインと、才能がありながらも放蕩息子のふりをしている玉器店の御曹司の愛と成長をパワフルに描いたロマンス時代劇「輝ける宝珠の如く」。今回は、このドラマの中に登場する気になるアレを探っていきます!
玉文化発展の背景と、玉佩を見るだけで身分がわかる理由

「輝ける宝珠の如く」©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
ドラマ「輝ける宝珠の如く」で取り上げられる中国の“玉文化”の歴史は長く、西周時代には玉器の発展の基礎を築きました。西周時代の玉器の中には、前周時代の伝統を受け継いだものもあるそうですが、殷代から大量の手工芸奴隷と大量の玉器がもたらされ、その中には多くの有名な玉器職人も含まれていたとか。
玉彫刻は石材製造や他の手工芸から独立しており、非常に早くから存在していたそうですが、儒教に基づく階級制度を用いた西周の政治体制によって玉彫刻産業は独立した地位を与えられて、玉器を彫る専門職が設立され、玉器の専門的な生産が促進されました。またこの時代には、専門的な玉彫刻工房と、玉を管理する専門機関や役人が存在しました。『周礼』に記された規定によると、中国史上、玉の管理を専門に行う最初の行政機関として記録されている「玉府」の役割の中には、玉の管理の他に、玉加工の技術管理、加工、採集、保管、供給などがあり、そうした様々な職務を行う官員が78名もいたとされているそうです。
玉の工芸が発達したこの時代には、服飾においても、男女共に玉を用いた「佩飾」を重視するようになりました。しかし、ここでも玉使用の規定があり、貴族の階級によって、使える玉の形や色が異なり、厳密に階級制が保たれていたそうです。よく時代劇で登場する、まったく見ず知らずの人でも、身に付けている(もしくは拾ったりした)玉佩を見ただけで、相手がどんな立場の人か、どんな位の人物なのかが一瞬にして分かってしまうのは、こうした古代からの規定を踏まえてのことなのですね!
セル|2025年5月14日(水)DVD-BOX1発売 ※以降順次(全2BOX/13,200円 税込)
レンタル|2025年5月2日(金)よりDVDレンタル開始 ※以降順次(全12巻)
発売・販売元:エスピーオー
©Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
https://www.spoinc.jp/official/houju/

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
中国時代劇を見て感じるちょっとした不思議や疑問を解説します。


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