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最新中国ドラマ|「底線」「両個人的小森林」「大考」…話題性や特殊なテーマを持った現代ドラマが人気に

引用元:wechat 德塔文科技 公式アカウント:「德塔文影视观察」
記事タイトル:「剧周报40|《底线》《昆仑神宫》头部竞争激烈,献礼剧、爱情剧占领市场大半江山」


 

中国で市場分析を展開する德塔文科技による影視観察(datawinfilmtv)データより、2022年第40週のドラマ景気指数TOP10にランクインしたドラマを、ピックアップ! 第40週の調査で人気を獲得したドラマカテゴリーは、1位現代ドラマ、2位サスペンス、3位青春ドラマという結果に。(以下ドラマ表記名は全て原題)

40週は28本の新作ドラマが放送され、トップドラマ競争はいずれも僅差で過熱。国慶節の11連休中ということもあって、ドラマ視聴熱が高まった。

「底線」「崑崙神宮」「請君」が今週トップ 3 にランクインするも、前回のランキング争いと大きな違いはなく、「底線」「崑崙神宮」が激しいトップ戦いをみせ、最終回を迎える「請君」が最後の仕上げとなる追い上げをみせた。

3位以降の中間層のドラマは多種多様で、時代劇の「唐朝詭事録」は怪奇事件を追うサスペンスというテーマが評価され、ダークホース的な人気を獲得。恋愛ドラマ需要は一時冷めつつあったものの、この連休中に供給量、人気ともに上昇し、「熾道」「両個人的小森林」「我的反派男友」などが連休向けのドラマとして成績を伸ばした。

次週からは「愛的二八定律」「我們這十年」「搖滾狂花」といった注目作が、ランキング内での新たな動きとなることが予想されている。


―本週カテゴリー別ヒットドラマTOP1:現代ドラマ―
第1位 「底線」
第2位 「両個人的小森林」
第3位 「大考」

今週の現代ドラマ市場では、女性を題材としたドラマが、供給・注目度共に好調だった時期を経て、再評価されている傾向が見受けられるように。

こうした女性主体の作品の他にも、現在放送されている現代ドラマにはそれぞれ特徴がある。例えば、リアルな作風と人気テーマで常に最高の人気と話題性を獲得してきたジン・トン(靳東)、チョン・イー(成毅)出演の法廷ドラマ「底線」、植物学者と人気ブロガーで秘密の顔を持つヒロインの恋を描いたチャン・ビンビン(張彬彬)&ユー・シューシン(虞書欣)主演の「両個人的小森林」、コロナ禍という特殊な環境で高考(=大学入試)に臨む受験生や家族を描いた「大考」など。ランキング外では、チョウ・イーラン(周依然)主演のオフィスドラマ「三悦有了新工作」も独自の視聴者層を獲得している。

このように、全体として現代ドラマ市場はあらゆる形式と内容を持った作品が自由に発展する環境にあるものの、話題性や特殊なテーマを取り上げている作品以外は、どうしても作品ごとに視聴者層が限られてしまう傾向にあるようだ。


―本週カテゴリー別ヒットドラマTOP2:サスペンス―
第1位 「崑崙神宫」
第2位 「消失的孩子」
第3位 「烏雲遇皎月」

サスペンスドラマはカテゴリー内で明らかに分層化されており、競争も緩やかになっている。

「崑崙神宫」は今週山場をむかえ、緩やかに冒険作品への人気熱量を維持している。「消失的孩子」は会員向け配信で最終回を迎えてから競争力が下降し、総合ランキングのトップ10からは落ちてしまった。

リー・イートン(李一桐)、ジン・ハン(金瀚)出演の「烏雲遇皎月」はジャンル内で唯一のラブ&サスペンスを描いた作品あり、サスペンス市場の多様性を豊かにする作品ともいえるが、サスペンスとラブの統合にいくつかの欠点があり、プロットのリズムが良くないなど、わずかに不足点も指摘されているようだ。


―本週カテゴリー別ヒットドラマTOP3:青春ドラマ―
第1位「熾道」
第2位「東北插班生」
第3位「当你年少時」

2週連続で青春ドラマの人気が過熱し、本数も好調でジャンル別トップ3を占めた。このテーマは長い間抜きんでた傑作が不足していたが、ジン・チェン(金晨)とワン・アンユー(王安宇)主演の陸上競技の世界を描いた「熾道」が、競争要素と歳の差カップルの恋愛要素をビジョンにうまく取り入れたことにより人気を獲得。

また、「東北插班生」も小作品ながら、多地域のカルチャーギャップを演出として上手く利用し、視聴者の期待を超える面白さという高評価で人気となっている。

翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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