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最新台湾ドラマ|性をテーマにしたホームドラマ「セックスを語るなら(愛愛内含光)」が話題に。

ニュース提供元:麻吉砥加

「愛愛内含光」メイキング写真    
麻吉砥加

セックスをテーマにしたホームドラマ「愛愛内含光(原題)」が話題を呼んでいる。

台湾で名の知れたMV監督ホアン・ジエユー (黃婕妤)が初めて手掛けるドラマ作品で、主要キャストはクー・チェンドン(柯震東)、リン・ジェーシー(林哲熹)、ウー・チエンホー(巫建和)、キミ・シア(夏于喬)、マー・ジーシアン(馬志翔)、ミアオ・コーリー(苗可麗)、ホンドゥラス(洪都拉斯)、ジャン・ズーシュエン(詹子萱)であることが明かされた。キャスト8人のポスタービジュアルの表情は、劇中の心情を予告しているようで、好奇心がそそられる。

監督のホアン・ジエユー は、インディペンデント系映画製作者を対象としたアメリカの「IndieFEST Film Awards」で、最優秀女性監督賞受賞の実績を持つ。台湾生まれ、インドネシア育ち、アメリカ留学という経歴の中で培われた多様な文化的視点から、本作では台湾家庭の文化について考察。なぜ台湾ではセックスについてめったに語られることがなく、言及するとポルノと関連付けられるのだろう。その疑問から「愛愛内含光」いう物語が誕生した。

ホアン・ジエユー(黃婕妤)監督
麻吉砥加

性と愛に触れない台湾家庭の文化を打ち破り、家族を取り巻くさまざまな出来事を通して、誰もが遭遇しうる各年代のジェンダーのテーマを浮き彫りにしていく。ベッドシーンについての質問には、放送後にわかるという答えに留めつつも、「視聴者の期待は裏切りません」と自信をのぞかせた。

タイトルの「愛愛内含光」は、崔子玉「座右銘」の中のフレーズ「曖曖内含光」に由来するもので、作品のテーマが愛と性すなわち「愛愛」であることから、「曖」を「愛」に置き換えた。性を健全でオープンな視点でとらえ、愛は美しく自然なことだと伝えたいというメッセージが込められている。

親世代を代表するのは、ミアオ・コーリーとホンドゥラス。二人は、毎日口喧嘩がたえない3人の子持ちの夫婦を演じる。ある日、夫の自慰行為を見てしまった妻は、もう食事を作らない、なんなら土を食べさせてやると大騒ぎに発展する。

ミアオ・コーリー、ホンドゥラス
麻吉砥加

3、40代を代表するのは、マー・ジーシアンとキミ・シアが演じる夫婦。元は教師と教え子で13の歳の差がある二人は、以前は一晩に7回だった夜の営みが今では7年に1回となり、夫婦の危機に直面している。

マー・ジーシアン、キミ・シア
麻吉砥加

最も若い20代のカップルは、現代のデート事情を映し出す。大学の同級生のクー・チェンドンとジャン・ズーシュエンは、出会い系アプリで新しい出会いを求め、体を重ねるだけのZ世代。恋愛はしない。ジャン・ズーシュエンは家ではいい子を装う一方、実はセックスの知識を深めるチャンネルを運営するYouTuberだ。

クー・チェンドン、ジャン・ズーシュエン
麻吉砥加

一人息子のリン・ジェーシーは、女性を愛せないゲイを演じる。ずっと男性と付き合ってきた彼は、ある日ウー・チエンホーと出会い地下賭博の相棒となるが、果たしてその後の展開は?

リン・ジェーシー、ウー・チエンホー
麻吉砥加

キャスト、制作陣は、金鐘賞、金馬奨、台北電影節などの受賞歴がある実力派揃い。長編ドラマ初挑戦で「金」賞メンバーとコラボするにあたり、ホアン・ジエユー は、プレッシャーはあるがかえってモチベーションが上がるとし、「視聴者がこの作品を見て感動し、登場人物に共感してくれたらと思います」と意気込みを語った。

出演者の中で、監督のホアン・ジエユー に一番プレッシャーを与えた俳優は、ベテラン監督の作品に出演経験のあるマー・ジーシアンだったそう。しかし実際の彼はとても優しい男性で、いつも制作チームを励まし、撮影時にはホアン・ジエユー の精神的な支えになった。

ホアン・ジエユー は、「この役を執筆するとき、クー・チェンドンを想定して書きました。彼はリアクションが早く、相手役とのキャッチボールに長けています。撮影時はいつも予想外のサプライズをもたらしてくれました」と、悪いイケメン男を魅力的に演じたクー・チェンドンも絶賛した。そのほか、リン・ジェーシーの演技に引き込まれるあまり、自分が監督だということを忘れてしまうこともあったという。そのほか新人俳優ジャン・ズーシュエンについても、ほかの俳優に勝るとも劣らないとその演技力を評価した。

「愛愛内含光」は台湾にて2023年に放送予定。

「愛愛内含光」場面写真
麻吉砥加

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。

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