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最新中国ドラマ|「少年派2」がこの夏の若者向けジャンルのスタートを切る作品に!

引用元:wechat 德塔文科技 公式アカウント:「德塔文影视观察」
記事タイトル:「剧周报30|《少年派2》青春+家庭题材覆盖广泛大众,年轻化流量剧集占据头部」


中国で市場分析を展開する德塔文科技による影視観察(datawinfilmtv)データより、2022年第30周(07.23-07.29)のドラマ景気指数TOP10にランキングしたドラマを、ピックアップ! 第30週の調査で人気を獲得したドラマカテゴリーは、1位現代ドラマ、2位時代劇、3位ファンタジードラマという結果に。(以下ドラマ表記名は全て原題)

第30週は合計19本の新ドラマが放送されたが、市場全体での数量は減少気味に。夏休みということで、作品傾向も若者向けのドラマが多く占めており、「少年派2」はその中でもこの夏の若者向けジャンルのスタートを切る作品となった。

「星汉灿烂」「沈香の夢(原題:沉香如屑/沉香重華)」「少年派2」が今週のトップ3にランクイン、その後にはチャン・シンチョン (張新成)主演のファンタジードラマ「天才基本法」が続いている。上位の人気作品は、総じて「人気キャスト+コンテンツの若返り(若者向け)」の作品で、他の作品群とは大きくその差を開けることになった。

またこの夏は、エンタメ業界も経済的な影響を大きく受けており、リスクを冒してでも大きなヒットを狙う傾向が控え目に。なかでもテレビドラマ市場は、安定した定番モデルと高品質のコンテンツ提供という方向性に加速しているようだ。

「星汉灿烂」は今週、月升滄海編がスタート。この他にもサスペンスドラマの「迷航昆侖墟」、ファンタジードラマ「被遺忘的時光」、現代ドラマ「告别薇安」などが始まる。こうしたファン層が絞られるテーマの作品は、徐々に実力を発揮しているところだが、先発の人気ドラマが多数あり、ネット上でも依然そうした人気ドラマの話題が過熱している状況下で、特色ある新規スタート作品がどこまで成績を伸ばすことができるのか、今後の動きに注目したい。

来週も上位陣の人気はあまり変わらないと予測されているが、中高年市場や男性市場で注目を集めているドラマもあり、ニッチなドラマが今後増える見込みも。


―本週カテゴリー別ヒットドラマTOP1:現代ドラマ―
第1位 「少年派2」
第2位 「張衛国的夏天」
第3位 「匆匆的青春」

「少年派2」は放送1週目だが、その内容も素晴らしく、シーズン1の余熱はあるものの、多くの視聴者が主人公の4人に注目している。長年の片思いや大学院入試を逃れて就職するといった、現代の若者の行動様式や価値観を伝えるプロットや視点も多くの注目を集め、熱い議論を巻き起こすテーマになっている。だが同時に、このドラマは若者の話をメインとして描きつつも、実際には複数のアイデンティティや立場を持つ物語の構造であり、世代を超えて語りあえる内容ともなっている。また、出演者のラインナップも実力派若手俳優とベテラン俳優のコンビなので、幅広い観客層をカバーできる。市場に出回っているホワイトカラードラマやキャンパスドラマと比較して、このタイプのドラマは視聴者のくくりを打ち破ることができ、若者の視点から「世代を超えて発信する」ためのコンテンツ作成方法というものを提供していると評価されている。


―本週カテゴリー別ヒットドラマTOP2:時代劇―
第1位 「星汉灿烂」
第2位 「沈香の夢(原題:沉香如屑/沉香重華)」
第3位 「齊醜無艷之破鏡重圓」

今夏の時代劇は非常によくできており、各ドラマとも主演ラインナップは非常に市場性があり、独自のスタイルも持っている。ウー・レイ(呉磊)とチャオ・ルースー(趙露思)主演の「星汉灿烂」は今週で終わり、後編の「月升滄海」が始まり、多くの話題を呼んだ。ヒロインの家庭内闘争のシーンはよりエキサイティングで、紆余曲折を経て、男女主人公の愛が緩やかに交わる。全体として、プロットロジックは比較的正確でコンパクトだが、主人公2人の関係性の展開は比較的遅いので、じっくりと鑑賞して楽しむタイプのドラマとも。


―本週カテゴリー別ヒットドラマTOP3:ファンタジードラマ―
第1位「天才基本法」
第2位「被遺忘的時光」

レイ・ジャーイン(雷佳音)、チャン・ズーフォン(張子楓)、チャン・シンチョンが出演する「天才基本法」はストーリーの半分以上まで放送され、成績も順調。前半部分、主人公が幼少期にタイムリープして逆境にめげずに成功を勝ち取る展開は爽快で、子役たちの演技も鮮やか。物語の中盤にかけて、主人公3人に変化が起こり…という展開には、多くの論争が生まれた。本作は青春要素とファンタジー要素を融合させた非常に典型的なドラマで、視聴者にとって敷居も高くなく、感情の葛藤と爽快感が豊富なのに加えてファンタジー設定の新鮮さがあり、若い視聴者たちの注目や話題性を獲得している。主人公ふたりの数学的インスピレーション、そしてストーリーテリングは十分に魅力的でもあった。

こうした青春+ファンタジーという組み合わせの傾向は昨年から現れており、「天才基本法」のパフォーマンスは、再びこの傾向に強い後押しをする役割を果たした。これは青春ドラマに、まだ多くの新鮮な視点、カットインできる要素があることを証明していると分析されている。

翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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