Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

【最新映画in台湾】彼女いない歴29年コミュ障男子と年上女性の恋『ママボーイ(原題:初戀慢半拍)』が好評価!

ニュース提供元:甲上娯楽


ビビアン・スー(徐若瑄)、クー・チェンドン(柯震東)が主演する『ママボーイ(原題:初戀慢半拍)』の初メイキング映像が6月29日に公開された。

『初戀慢半拍』は、先月台北電影節(台北映画祭、Taipei Film Festival)のオープニング作品としてアジア初上映され評判は上々。『台北の朝、僕は恋をする』から12年、アーヴィン・チェン(陳駿霖)監督が「もう一つの台北ラブストーリー」として制作した。プロデューサーは『返校 言葉が消えた日』のリー・ヤオホワ(李耀華)、キャストはビビアン・スー、クー・チェンドン、フェンディ・ファン(范少勳)のほか、本作で台北電影奨の助演女優賞にノミネートされたユー・ズーユー(于子育)。

メイキング「創作源起編」では、チェン監督が「ストーリーは一見大げさだが、新鮮な切り口で恋愛を描きたかった」と創作意図を明かす。また実際には身近にも少なくないケースだとし、「多くの男性は、母親の愛情と干渉を受けすぎると成長を妨げられます。劇中の小洪は30歳でやっと目を覚まし、年上の楽楽を好きになります」と説明した。

 『初戀慢半拍Mama Boy』 ビビアン・スー(徐若瑄)

清々しい作風で愛されるチェン監督は、何気ないことをロマンチックなシーンに変え、恋愛のさまざまな側面を描くことに長けている。本作で作り上げられた現実離れした世界も、想像力を駆使して表現したという。「初恋はまるで魔法のようなもの。そのプロセスがないと人は成長しないんです」と話した。

ビビアン・スーが演じるのは、ホテルの副支配人・楽楽。男性を引きつける優しい性格でありながら、処世術に長けすぎず媚びてもいけないという。ビビアンは、チェン監督は安心感を与えてくれるが、作品に対する要求は厳しい人だと明かす。メイキングでは、ビビアンが監督に「演じづらいです」とこぼすシーンも。またあるシーンでは、テイク15回目でようやく監督のOKサインが出て、嬉しさのあまり思わず叫び声を上げるビビアンの姿も見られる。

ビビアンは、そんな撮影現場について「最初のシーンを見たときは驚きました。ゆっくりと落ち着いて話す楽楽は、まるで8キロも太ったように見え、懐かしいプードルヘアを頭に載せていたのですから」と振り返る。ビビアンの息子役を演じるフェンディは、「監督はいつも『これはマジックだ』と言います。ロマンチックな映画で、劇中たくさんの化学反応が起きます」と話した。

『初戀慢半拍Mama Boy』クー・チェンドン(柯震東)

登場人物のコントラストをコメディという手法で描いたラブストーリー『ママボーイ』で、「女神」とも称されるビビアンは、これまでのイメージを覆し苦難を乗り越えてきた孤独な女性、対するチェンドンは女性と目を合わせて話すことすら苦手な恋愛経験のない純情男子を演じ、そのギャップある演技が各界で高い評価を受けた。

チェンドンは「世の中でこういう人に出会うのは珍しいし、会ってもすぐには信じられないけれど、本当にこんな単純な人なんだと思えたとき、シンプルな愛はまだ存在すると感じられると思います」と真摯に答えた。美玲役のズーユーは、干渉しすぎて息子の自立を阻むコントロールフリークの母親を見事に演じ、台北電影奨の助演女優賞にノミネート。プライベートでは未婚で子どももいないズーユーは、偉そうな美玲とは違い、仏のように穏やかな態度で「軽やかで楽しい雰囲気の中、自分を愛するためのさまざまな方法を教えてくれる映画です」と答えた。

恋愛経験のない独身男子と年上女性との恋の甘酸っぱさを描いた『ママボーイ』は、8月26日より台湾公開予定。

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。

記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP