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【イ・ジュンギ 歴代キャラクター図鑑】#1成長期編:『王の男』「イルジメ」「ヒーロー」…出世作から大ヒット作まで。“男ドラマ”への快進撃は、こうして始まった!

「悪の花」で、複雑な内面をもつ難役を真に迫る演技で魅せたイ・ジュンギ。そこで今特集では、彼がこれまで演じてきた主なキャラクターを分析。俳優人生の集大成ともいえる「悪の花」のペク・ヒソン役に、いかにしてたどり着いたのか、俳優としての軌跡を3回にわたって振り返ります。 

1回目の【成長期編】では、出世作からヒット作まで、入隊前の20代に演じた代表作をおさらいします。


その① 刺すような眼差しで魅せた映画デビュー作

映画 『ホテル ビーナス』 2004年

イ・ジュンギのスクリーンデビュー作。草なぎ剛主演による日本映画だが、セリフは全編韓国語、撮影はロシアという異色作で、独特の無国籍感が漂う。ワケありの人々が集うホテル ビーナスを舞台に、人間模様が繰り広げられていく。

Character ボウイ

幼い頃にホテルに置き去りにされた孤児で、自称“殺し屋”。銃を常に手から離さない。

見どころ

人一倍強さに憧れる少年を、刺すような眼差しで魅せ、「この子、誰?」と思わされるほど強い印象を放った。 ちなみに、そのときの感謝の意も込めて、ジュンギのファンミーティングではSMAPの「世界でひとつだけの花」を歌い続けている。


その② “時代劇を魅せる俳優”の称号につながる出世作

映画 『王の男』 2005年

性別を超えた蠱惑(こわく)的美しさと繊細な演技で強烈な印象を残したイ・ジュンギ出世作。暴君で名高い燕山君(ヨンサングン/扮チャン・ジニョン)から寵愛を受ける女形芸人コンギルという、物語の鍵を握る役どころを担い、この年の新人賞を総なめした。

Character コンギル

旅芸人一座の女形で、幼なじみで花形芸人チャンセン(扮カム・ウソン)とともに一座を抜け出し都へ。ひょんなことから王に気に入られ、宮廷芸人になるが……。

見どころ

相方チャンセンと孤独な王の間で、どちらへの情も捨てきれないコンギルの苦悩といじらしさに胸を締め付けられる。はかなげでありながら、華があり芯の強さも感じられる魅力的なキャラクターを生み出したジュンギのスター性が光る。たおやかな身のこなしも、その後の「時代劇を魅せる俳優」というイ・ジュンギだけの称号につながっていく。


◆『王の男』韓国版公式予告



その③ 魅惑の2番手! 見守り男子役で人気爆発

「マイガール」 2005年-2006年

連ドラ初主演作。「美男〈イケメン〉ですね」をはじめ2番手男子を魅力的に描く人気脚本家コンビ、ホン姉妹によるヒット作で、イ・ジュンギはまさにその“魅惑の2番手”役。主軸は、口達者な元気娘ユリン(扮イ・ダヘ)と高級ホテル御曹司ゴンチャン(扮イ・ドンウク)の恋模様だが、イ・ジュンギ演じるソ・ジョンウの見守り男子ぶりが素敵で、人気が爆発。

Character ソ・ジョンウ

ホテル会長の孫で海外開発部理事を任されているが、自由奔放な遊び人で、経営に関心なし。従兄弟のゴンチャンとは気のおけない仲で、ホテルはゴンチャンが継ぐものと思っている。ひょんなことから出会った風変わりなユリンに惹かれ、本気のアプローチを試みるが……。

見どころ

ユリンの秘密にいち早く気づき、密かに助けるスマートさあり。一見軽薄に見えるが、明るく楽しいノリで落ち込むユリンを笑わせたり、彼女がゴンチャンに想いを寄せていることに気づくと、すっと身を引き恋のサポートをしたりと、男と男の絆も、愛する人の幸せも守るスタイルで、見守り男子の理想形。軽やかさと切なさが同居したキャラクターになっており、若き日のジュンギの溌剌とした姿が拝める。


「マイガール」©SBS



その④ イメージ払拭に全魂をかけた“男ドラマ”作

「犬とオオカミの時間」 2007年

イ・ジュンギ=アクション、という印象を形作った作品。制作費7億を投じ、タイで撮影されたド派手なアクションや映画並みのスケールの映像が話題に。タイ式キックボクシングや激しい戦闘シーンで見せるジュンギの華麗なアクションも視聴者を釘付けにした。

『王の男』以降、“美しい男”のイメージにもがいていたジュンギが、イメージ払拭に全魂をかけた作品でもあり、本作でMBC演技大賞・演技賞を受賞。この評価と自信がこの後の彼の俳優人生の土台となり、本作以降、ロマンスより“男ドラマ”を請け負う比重が強まっていく。

本作のキム・ジンミン監督とは、のちの「無法弁護士〜最高のパートナー〜」で再び縁を結ぶことに。

Character イ・スヒョン

幼い頃に国家秘密情報院要員だった両親を殺され、自らも情報院要員に。親の仇である犯罪組織のボス、マオ(扮チェ・ジェソン)に復讐すべく、「ケイ」という名でアンダーカバーとして組織に潜入。ところが、マオの娘は愛する女性ジウ(扮ナム・サンミ)で……。

見どころ

アクションはもちろん、本作をスリリングかつドラマチックにしているのが、ジュンギの一人4役演技。優秀な情報員スヒョンと、「ケイ」という名で犯罪組織に潜入するスヒョン、事故により記憶をなくしたケイ、さらに、記憶を取り戻し、ケイのふりをするスヒョン、という4つの顔に変化していく緊迫感にハラハラさせられっぱなし。

最初のスヒョン役では、物静かだが意思が強くストイックな姿を、ケイとしては、ムエタイ選手になりすまし、組織のボスの部下になっていくタフさと緊張感を、さらに、スヒョンの記憶をなくしたケイは、残忍な性質が表れるともに、仇であるはずのマオと親子のような絆を結んでいく。やがて、記憶を取り戻したスヒョンは、自身がケイだったときの残忍さに気づき、葛藤。マオとの非情な運命を迫真の演技で見せていく。マオとの最後の対峙、その真実を知った瞬間のスヒョンの嗚咽に、心震える!


「犬とオオカミの時間」©MBC&iMBC All right reserved.



その⑤ トップスターへ上り詰めた孤高のヒーロー役

「イルジメ[一枝梅]」 2008年

イ・ジュンギを名実ともにトップスターにのし上げた大ヒット時代劇。歴史上の人物を描いてきたこれまでの時代劇とは一転、悲しい運命により記憶を失い、市井で育った若き主人公が庶民のヒーローとなっていく物語は、その後の史劇ドラマの可能性とエンターテイメント性を広げることになった。

Character ヨン

元コソ泥のセドル(扮イ・ムンシク)とその妻タン(扮キム・ソンリョン)のもと、南門市場を庭として育った陽気な青年。遊んでばかりだが、頭の回転が早く、弁も立ち、友達思いで家族思い。実は、王族の息子で父が暗殺される現場を目撃したことから記憶喪失に。成長したある日、記憶を取り戻し、親の仇を探すべく、仮面をつけた義賊「イルジメ」となっていく。

見どころ

「犬とオオカミの時間」に続き、本作でも一人二役に挑み、その多重構造のキャラクター像で視聴者の心を鷲掴みにしたイ・ジュンギ。昼の顔、明るい庶民の青年ヨンでは、親からホウキで叩かれまくっているようなダメ息子だが、正体を隠すためにわざと陽気に振る舞っている様が逆に切ない。血のつながらない父セドルとの掛け合いは爆笑ものだが、その裏に隠す互いへの思いやりがほろほろと見え隠れし、しまいには泣かされる展開に。

一方で、夜の顔である義賊イルジメは、現代的で洗練された黒装束に身を包んだ姿にうっとり。外見だけではない。ワイヤーを使い、屋根の上で繰り広げる軽やかな身のこなし、フルショットで見せる剣術など、スタイリッシュなアクションの数々に目を奪われっぱなし。また、鉄製マスクからのぞく悲しみをたたえた瞳も惹き込まれるポイント。

互いに初恋である両班の娘ウンチェ(扮ハン・ヒョジュ)に対し、ヨンの姿では軽薄な青年を装い、イルジメの姿では仮面のまま彼女の窮地を助ける孤高のヒーローに。そのギャップも心惹く。



その⑥ 20代ラストの出演作は、信念を貫く熱血男

「ヒーロー」 2009年-2010年

弱者をいたぶる権力者たちに戦いを挑んでいく三流新聞記者の奮闘を描いた社会派エンターテインメント。イ・ジュンギ入隊前最後のドラマであり、20代ラストの作品に。

Character チン・ドヒョク

金なし、コネなし、学歴なしの無いものだらけだが、正義感としつこさだけは誰にも負けないドヒョク。亡き父と同じ記者の道を進み、姉と2人の甥・姪の面倒をみながら暮らしていたが、雑誌廃刊により失業。大手新聞社に因縁のある元暴力団ボス、ヨンドクの提案で、仲間を集めて新聞社を設立するが……。

見どころ

度重なる試練に負けることなく、信念を貫き不正と戦う熱血記者ドヒョクの姿に、思わず応援したくなる。社会のはみ出し者で旧型人間ヨンドク(演じるは名優ペク・ユンシク)とのボケ&ツッコミに笑わされる一方、親子ほどの年齢差のある2人の奇妙な友情にホロリとさせられる場面も。

普段は明るいが、ふとしたときに、父のひき逃げ事故を目撃したことによる過去のトラウマが表れてしまう脆さ、甥姪との微笑ましいやり取り、女性刑事ジェイン(扮ユン・ソイ)と捜査を通して結んでいく絆など、多方面で見どころあり


次回、【成熟期編】では、除隊後の30代、役者人生第2期を迎えたキャラ図鑑をお届けします!

#2 成熟期編はこちら

TEXT:高橋尚子(編集・ライター)
ライター兼編集者。第一次韓流ブーム到来時に「韓国TVドラマガイド」(双葉社)を立ち上げ、現在まで責任編集を手がける。ドラマを中心に韓国のエンターテイメントについて、雑誌やWEBで執筆活動を展開する一方、韓国エンターテイメントナビゲーター田代親世さんと韓ドラ愛をひたすら語るYouTubeチャンネル「韓ドラマスター親世と尚子の韓ドラ感想語り」を配信中。「韓流自分史」編集長・野田智代さんとの企画「韓流セッション」も開設!

Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)


「悪の花」リリース情報
DVD-BOX1)2021年12月3日(金)発売 【映像特典】メイキング 【封入特典】ブックレット
DVD-BOX2)2021年12月24日(金)発売 【映像特典】メイキング、イ・ジュンギインタビュー 【封入特典】ブックレット 各16,500円(税込)
レンタルDVD)vol.1~vol.8:2021年12月3日(金)よりレンタル開始 vol.9~vol.16:2022年1月7日(金)よりレンタル開始

2020年|韓国|音声:オリジナル韓国語・字幕:日本語|発売・販売元:エスピーオー
© STUDIO DRAGON CORPORATION

その他、エスピーオーがお届けしているイジュンギ作品

「無法弁護士~最高のパートナー」DVD-BOX1・2
「クリミナル・マインド:KOREA」DVD-BOX1・2
「朝鮮ガンマン」DVD-BOX1・2
「TWO WEEKS」DVD-BOX1・2
「マイ・ガール」DVD-BOX1・2
すべて<シンプルBOX 5,000円シリーズ>にて発売中!(1BOX 各5,500円(税込))


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