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【インタビュー】「トレイン」ユン・シユン ”あなたの世界にドウォンが行くかも”

― アクションシーンの撮影で印象に残っていることはありますか?

ユン・シユン 走行中の電車でのシーンが記憶に残っています。危険そうに見えるシーンなのですが、実は電車は動いていません。その代わり、後ろでスタッフが新幹線のような速さで一生懸命動いていましたね。

僕が大変だったのは、撮影中にそんなスタッフの存在を忘れなくてはいけなかったことです。スタッフはもっと大変だったと思います。真夏の撮影でしたが、電車の中はエアコンが使えませんでした。本当に暑かったと思います。電車が動かないので背景を一生懸命動かしたりと、思わぬところに苦労がありました。

また撮影現場の廃駅で気になったのは、線路の周辺がゴツゴツした石だらけだったことです。時間のない中で急いで撮影していたので、足首を痛めないか心配しました。ケガなく終えられたのは幸いでしたね。現場に慣れてきた中盤には、撮影前に石をならして足場を整えるようにしました。石を多めに盛れば背を高く見せる効果もありますから、他のドラマよりも少し背の高い僕が見られます(笑)。


― ドラマには、2人のドウォンが相対する場面がありますね。

ユン・シユン 撮影技術が素晴らしいですよね。僕は対応するのに必死でした。AとBそれぞれの世界に僕の代役がいるんですが、代役の俳優には僕と同じ演技が求められます。そこで、彼らにあらかじめ演技プランを説明して、僕と同じように役に向き合うよう頼みました。

僕は以前も二役を経験しましたが、代役と息を合わせることがとても重要なんです。だから撮影現場で顔を合わせなくても一緒に酒を飲む機会を設けて、親しくなるよう心掛けました。その時間があったから僕は2回演じるだけでよかった。代役が完璧だったんです。僕はただAとBの2パターンを撮影すればよくて、本当に苦労したのは代役の俳優たちです。誰よりも大変だったはず。

代役は演技を学んでいる後輩たちだったので、僕は先輩として「自分がドウォン役だと思って準備してごらん」とアドバイスをしました。すると本当に徹夜して考えてきてくれて、本番もNGがなく、しっかり自分の役として演じていました。このドラマでの彼らの功績は大きいと思います。

― 撮影現場の雰囲気は?

ユン・シユン 本当に明るい現場で冗談ばかり言ってました。撮影中もカットが掛かると一斉にふざけ始めるんです。僕を含めた刑事役の俳優たちは筋トレに夢中でした。演技の話はそっちのけで体作りの話をしてましたね。現場の雰囲気は最高によかったです。でもアクションシーンは「お互いに全力で頑張ろう」と気合いを入れて、血を流すほど熱中していました。後半は僕が現場の雰囲気を和らげなくちゃいけないと思うほどハードになっていきましたね。


― ドラマの鑑賞ポイントを教えてください

ユン・シユン まずA世界でキャストが登場します。何となくではなく、しっかり見てください。B世界では違う姿になりますから。俳優の変身ぶりは見どころの一つですね。A世界のドウォンがB世界で混乱するのと同じように、皆さんも不思議な感覚に陥るはずです。宇宙に行ったり過去に行ったりというような大きなことでなく、見慣れた人や世界がいつもと違うというのは興味深い設定ですね。


― 撮影終了後はどのように過ごしていましたか?

ユン・シユン いろいろと予定は立てていたんですが、韓国も他の国と状況は変わりません。今は1人で過ごす時間が多くて、撮影中にできなかった読書やゲームをしています。

― シユンさんにとって、このドラマは?

ユン・シユン このドラマでは周囲から寄せられる期待がとても大きいと感じていました。撮影で期待されるのはありがたいですが、責任が重すぎて心苦しいこともありましたね。でもドウォンを演じるのは幸せでしたし、皆さんからいただいたエネルギーは全て作品に注げたと思っています。そして主人公を演じる者として現場を引っ張っていくためには、僕はもっと器の大きな人間にならないとダメだと感じました。

早く成長して、次に共演した時に皆さんを支えられるような俳優になりたいです。今回の恩返しですね。よく僕を起用してくださったと思います。僕にできるのは病気やケガをしないで、いつも元気でいることだけですから。最後まで無事に撮影できて本当にホッとしてます。


― 日本の視聴者にメッセージを!

ユン・シユン ドラマ「トレイン」は楽しんでいただけましたか? このドラマが伝えたかったのは日常の中にある運命や人生についてです。人と人が出会う中で生まれる物語の一つ一つが、その人の運命になります。そして誰と出会い何をするかが、自分の人生になります。明日……、いえ、今この瞬間から周囲の人たちと共に過ごす時間を大切にしようと感じてもらえたら、うれしいです。

ドウォンの世界はAとBだけではありません。「トレイン」に乗れば、どこにだって行けますから。辺りを見回しながら待っていてください。あなたの世界にドウォンが行くかも。「トレイン」をご覧いただきありがとうございました。



「トレイン」DVD情報
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2020年|韓国
発売・販売元:エスピーオー
原題:트레인
© STUDIO DRAGON CORPORATION

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