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【インタビュー】「トレイン」ユン・シユン ”あなたの世界にドウォンが行くかも”

その日世界は二つに分かれ、もう一人の“俺”が生まれた――。一つの線路、二つの行き先、パラレルワールドを舞台に描くサスペンスラブストーリー「トレイン」。2人のソ・ドウォンを演じた主演のユン・シユンさんに、本作についてお話を聞きました。


  

― 出演を決めた理由は?

ユン・シユン 最初はシノプシスを見ずに、いきなり台本を読み始めました。視聴者の皆さんと同じ目線で作品を体感するためです。皆さんはシノプシスを見てからドラマを見るわけではありませんよね。だから、どんな内容か簡単に把握できないといけません。

本作の世界観はスマートで、短編の犯罪ドラマのような内容です。第1話のラストでB世界の存在を予告するんですが、とても斬新だと思いました。転写のように全く同じ世界が2つあるという設定は、とてもユニークで心憎いですよね。シナリオの構成もとても独創的で、ありきたりの犯罪捜査物ではないという点に惹かれました。


― ソ・ドウォンはどんな人物?

ユン・シユン ドウォンは12年前のある事件で父親を亡くしますが、それによって別の事件を隠蔽せざるを得なくなります。その罪滅ぼしとして一生ソギョンを守り、愛することになる人物です。


― ドウォンの魅力は?

ユン・シユン 人は誰かを守ろうとするエネルギーがとても強いものだと思います。その守りたいと願う強いエネルギーや切実な思いが、ソ・ドウォンという人物の強さの源となっています。ドウォンは決して荒っぽいタイプではありませんが、そんな強さが彼の魅力だと思います。

― パラレルワールドについてはどう思いましたか?

ユン・シユン 非現実的なジャンルであるほど、どれだけ簡単に理解させるかがポイントになると思いました。そのために重要なのは、シノプシスのような全体像より各話の台本です。台本が無理なく理解できるかどうかですね。斬新な世界観を持つドラマを演じるには不安や心配もありましたが、脚本家と話し合う機会をいただいたので何の心配もなく臨むことができました。


― 二役を演じるために気を使った点は?

ユン・シユン 2人のドウォンはA世界とB世界という別の世界に住んではいますが同じ人物です。ある事件を境に分かれただけですよね。違いがあるなら、どんな場面で苦悩や葛藤を感じるかという点だと思います。トラウマの違いですね。その時、心が揺さぶられたのはなぜなのかを明確に演じようとしました。

ドラマのカギとなるのは12年前のある事件で、これが全ての始まりです。僕はただ、この12年前の事件を念頭に置き、小さなトラウマの違いに気を付けて演じるだけで、別人のように演じてはダメだと思いました。


― もう一人のシユンさんは何をしていると思いますか?

ユン・シユン とりあえずソウルにはいないでしょうね。故郷で暮らしているかな。祖母や祖父と一緒に暮らしているような気もします。子供と接する仕事か、小さな教会でボランティア活動をしているんじゃないかな。ごく平凡な暮らしをしているでしょうね。 今の僕は、思いがけず皆さんから光を当ててもらう仕事をしていますが、もう一人の僕は誰かを輝かせる仕事をしているかもしれません。


<次のページ:ユン・シユンさんの考える、二役を演じる上で重要なこと>


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