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【インタビュー】「永遠の桃花」「運命の桃花」リン・ユーフェン監督 "チャン・チェンからの意外な提案"

大人気中国時代劇の桃花シリーズで「永遠の桃花~三生三世~」「運命の桃花~宸汐縁~」の演出を手掛けたリン・ユーフェン(林玉芬)監督。30年のキャリアを持ち、時代劇から現代劇まで数々のヒット作を演出してきた彼女に、「永遠の桃花~三生三世~」「運命の桃花~宸汐縁~」についてお話を訊きました。

\桃花シリーズ3作品特集ページ/


― 「永遠の桃花~三生三世~」を監督することを決めた理由は何でしょうか?このドラマのどんなところに魅力を感じましたか?

リン・ユーフェン監督(以下、リン監督)  私とチームのスタッフは皆、この小説の人物設定や物語の構造、そしてラブラインがとても好きです。キャラクターは神様や仙人ですが、ベースにあるのは人間の基本的な感情です。この物語に必ず共感できると思いました。

また、この物語の展開は一つ一つ繋がっていて、三生が同じ人物に起こります。例えば白浅と夜華が違う身分で出てくるなど、そういう人物設定も魅力的ですね。また、三つの異なる世界はそれぞれ立体感があって分かりやすく、人間味があります。

       

あとは恋愛に対する感覚も魅力的です。現代人の恋愛に対する信頼はどん底まで落ちていますが、「永遠の桃花~三生三世~」で描かれる恋愛の追求と執着は、皆さんの恋愛への信頼を少しでも取り戻すきっかけになるかもしれません。

現実にも恋愛でこういう感情は起こりえますが、あまり多くはないでしょう。通じ合う相手に出会うには根気が必要だと思います。(出会えたとしても100%一瞬でカップルになれるわけではないので、自分がどう受け取るにもよりますが……。)

現代人は現実的な条件を考えがちで、どんどん理論的になっていると思います。私この作品を通じて、皆さんが世間の考えから少し離れて自身の審美的価値観を呼び戻してみてほしいと思っています。


― 「永遠の桃花~三生三世~」は日本でも大人気となりましたが、海外でも大きな成功を収めた理由は何だとお考えですか?

リン監督  「永遠の桃花~三生三世~」が高い評価を得られたのは、プロデューサーから頂いた信頼と良い作品を作りたいという思いのおかげです。プロデューサー、衣装担当、美術担当、CG担当……1人1人が入念に仕事をし、完璧な成果につながりました。

私は一つのドラマに対して、全てに気を配ります。一番心配なのは、俳優からもらえる時間が足りないことです。私は昔からずっとプロデューサーに「私が演出を務めると、ある程度の時間はかかります」と何度も強調して伝えています。時間が少ないと、私は自分の役目をしっかり果たすことができません。

今の私はお金を稼ぐためというより、楽しいからこの仕事をしています。私の創作に対する自信は、1つの作品に対し最初から最後までコツコツと真剣に向き合う態度から生まれます。私はただ作品に対する理解で入念に演出を務め、そして運よくプロデューサーとスタッフからのサポートを頂いているだけです。

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