
皇室御用達の商人「皇商」とは?|中国時代劇トリビア#149
“小財迷”(お金好き)で商才溢れるヒロインと、ツンデレ御曹司とのロマンスを描いた「福の神の嫁入り」。今回はこのドラマの中から、気になる“アレ”を探っていきたいと思います!
皇商ってなに?
「福の神の嫁入り」© Maisong Film Investment(Shanghai)Co.Ltd Hainan Lingxi film Co.Ltd Chengdu Culture & Tourism Development Group Ltd
ドラマ「福の神の嫁入り」の男性主人公・徐子鷺は皇商選抜に臨む豪商・徐家の若き当主で、彼の一族は深い商業的素養と広い商業ネットワークを持っています。この「皇商」とは、どんな商人なのでしょうか?
◆ 皇室御用達の商人「皇商」
「皇商」とは、皇帝が任命した皇室御用達の商人のこと。
「皇商」は早くは明朝末期、清朝初期に出現し、山西商人の八家(范永斗、王登庫、靳良玉、王大宇、梁嘉賓、田生蘭、翟堂、黄雲発)が軍需品を供給、支援して朝廷に貢献したことから、順治帝が官職や爵位を与えましたが、范氏らはこれを辞退したことから、内務府に登録された商人である「皇商」の称号を授けられ、この制度が受け継がれていきました。
「皇商」は朝廷の重臣として政治的・経済的特権を享受し、朝廷に直接出入りできる裕福な商人として、非常に幅広い事業を展開していました。
◆「皇商」の政治的地位
「皇商」の政治的地位はどれくらいだったのかというと、官位では五品以上の官職を与えられ、皇帝の私財を直接運用でき、普通の官人より地位が高く、優遇されていました。そして、その権利は世襲されるという特権も与えられていました。また、朝廷からの支援を受けて、銅、鉄、毛皮、塩、絹、茶、高麗人参といった基幹産業を全国で独占し、その利潤を皇室にももたらしました。
彼らの影響力はこうした基幹産業の他、宮廷建築用の木材、後宮の衣服織物、宮廷の花木、化粧品など、宮廷用品の調達まで、多岐にわたりました。
◆「皇商」の主な職務は?
「皇商」の主な職務は、具体的にはどんなものだったのでしょうか。
第一に、皇室を代表し、銅や鉄、塩、茶や馬、絹、毛皮、銀の鋳造など、朝廷が独占していた事業を営むこと。第二に、各地の皇室資産や、首都や地方の皇店(皇帝や皇室が所有・運営し、利益を直接的に皇室に納めさせていた店舗)を管理し、中国東北部のウスリー河での高麗人参栽培などを行うこと。第三に、戦時中は穀物や装備などの軍需物資を朝廷に輸送し、軍需品の生産を請け負うこと。第四に、清朝政府を代表して対外貿易を行い、港湾輸送や外国船の積荷を管理する。第五に、さまざまな資材を朝廷に生産・納入することなどがありました。
ドラマでは、皇商の地位は、こうした商業的最高栄誉と莫大な利益を意味するだけでなく、徐子鷺が自身の能力を証明し、家族の期待に応えるための鍵にもなっていきます。

「福の神の嫁入り」© Maisong Film Investment(Shanghai)Co.Ltd Hainan Lingxi film Co.Ltd Chengdu Culture & Tourism Development Group Ltd
【参照URL】
『皇商』
セル|DVD-BOX1:2026年5月15日発売/DVD-BOX2:2026年6月12日発売
レンタル|第1巻~第6巻:2026年5月2日/第7巻~第12巻:2026年6月3日
発売・販売元:エスピーオー
2023年/中国/原題:小財迷
https://www.spoinc.jp/official/hukunokami/

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。
中国時代劇を見て感じるちょっとした不思議や疑問を解説します。


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