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「月刊ホン・サンス」第3弾『水の中で』キービジュアル・予告編・場面写真 解禁‼

ベルリン国際映画祭で物議を醸した“全編ピンボケ映画”
夏の終わりの済州島、自主映画を撮るために集まった男女3人組を描く青春ドラマ


© 2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

 大学卒業後、俳優業に専念していた青年ソンモは、自主制作で短編映画を監督しようと決意する。かつての同級生ふたりを連れ、リゾート地として知られる済州島へ向かうが、思うようにシナリオは書けず、煩悶しながら海辺を散策していた。そんな折、ひとりの女性との出会いをきっかけに、語るべき物語を見出す。やがて、海辺での撮影が静かに始まる──。
 ホン・サンス監督は、かつて「韓国のエリック・ロメール」と評されたように、長年小規模な製作体制をとり、男女がくりひろげる恋愛模様をユーモラスかつシニカルに描いてきた。しかし、2020年のヒット作『逃げた女』以降は、監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽すべてを自ら手がけ、より小規模で実験的なスタイルへと進化している。『水の中で』は、そのフィルモグラフィの中でも、とりわけ特異な一本だ。第73回ベルリン国際映画祭では、上映前に「これからかかる映画は決して映写ミスではない」と事前アナウンスが入るほど、“全編ピンボケ”の映像表現が大きな話題に。出演者たちの顔の判別が難しいほど焦点の甘い映像が延々と続き、観客を大いに驚かせた。今回の日本で上映における映倫審査でも、「これは素材の不備ではなく、意図された映像なのか」と審査員を悩ませたという。

『関心領域』『私たちが光と想うすべて』を抑えて
カイエ・デュ・シネマ誌「2024年の映画ベスト10」第3位
ホン・サンス監督の新境地を示す一本

 しかし、「印象派の絵画のよう」「その完成度はルーヴルに飾られる名画にも匹敵する」という評が示すように、輪郭を失い、いくつもの色が溶け合う済州島の風景は、実験的な手法と作品世界が見事に響き合い、これまでにない不思議な美しさを生み出している。本作はこの独創的な試みが高く評価され、カイエ・デュ・シネマ誌編集部の「2024年の映画ベスト10」にて『関心領域』『私たちが光と想うすべて』を抑えて第3位に選出されるなど、ホン・サンスの新境地を示す一本として称賛を集めた。また、特殊な手法に注目が集まりがちだが、映画づくりを志す青年たちの友情を描いた、瑞々しい青春映画としての魅力も備えている。


© 2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.


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 今回解禁されたキービジュアルは、海に向かっていくソンモの後ろ姿を捉えたもの。「ぼやけたままでいい」というコピーが示すとおり、迷いや葛藤を抱えながらも前に進もうとする青年の姿を静かに肯定するような、余韻を湛えたビジュアルとなっている。あわせて解禁された場面写真では、主人公の青年ソンモ(シン・ソクホ)、大学時代の友人で今は映画製作会社で働くサングク(ハ・ソングク)と、後輩のナミ(キム・スンユン)の姿が切り取られる。“全編ピンボケ”でありながらも、実際にはショットによってフォーカスの度合いが異なり、登場人物の表情がかわるカットもあれば、完全にぼやけたカットもある。その微妙な差異を味わうのもまた、この映画の醍醐味となっている。


© 2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

監督デビュー30周年記念! 5カ月連続で新作を味わう「月刊ホン・サンス」
第3弾は新作『水の中で』、人気作『イントロダクション』も限定上映!

 ユーロスペースほかにて、ホン・サンス監督のデビュー30周年を記念した特別企画「月刊ホン・サンス」を開催中。2025年11月から2026年3月までの5カ月間、最新作を含む新作5本を月替わりで公開する。第3弾は、第73回ベルリン国際映画祭で“全編ピンボケ映画”として物議を醸した話題作『水の中で』(英題:In Water)。さらに、一部劇場限定で新作にリンクしたテーマで過去作を振り返る特集「別冊ホン・サンス」では、同じくシン・ソクホ主演の青春ドラマ『イントロダクション』(20)を上映。姉妹作ともいえる、モラトリアム期の青年をめぐる瑞々しい物語をあわせて堪能できるプログラムとなっている。12月13日(土)からは、第2弾としてキム・ミニ主演作『小川のほとりで』と、別冊ホン・サンスとしてヒット作『逃げた女』が上映される。多作で知られるホン・サンス監督の「いま」に出会える貴重な機会。劇場でしか味わえないホン・サンスの世界を、ぜひ体験してほしい。

 

『水の中で』
2026年1月10日(土)より、ユーロスペースほかにて全国順次公開

脚本・監督・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス
出演:シン・ソクホ、ハ・ソングク、キム・スンユン

2023年|韓国|韓国語|61分|カラー|16:9|ステレオ|原題:물안에서|英題:In Water
字幕:根本理恵 配給:ミモザフィルムズ
© 2023 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
【公式サイト】https://mimosafilms.com/gekkan-hongsangsoo/

【ストーリー】
大学卒業後、俳優業に専念していた青年ソンモは、自主制作で短編映画を監督しようと決意する。かつての同級生ふたりを連れ、リゾート地として知られる済州島へ向かうが、思うようにシナリオは書けず、煩悶しながら海辺を散策していた。そんな折、ひとりの女性との出会いをきっかけに、語るべき物語を見出す。やがて、海辺での撮影が静かに始まる──。

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