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「七夜雪」に登場する気になるあのワードを紹介! 寒疾/十宣穴/毒蟾砂|中国時代劇トリビア#140

薬師谷の谷主で神医の薛紫夜と鼎剣閣の剣士・霍展白が、互いの使命に縛られながらも絆を深めていく、美しくも切ない愛と成長を描いたドラマ「七夜雪」。今回はこのドラマに関連した気になる“アレ”を探っていきます!

神医・薛紫夜が苦しむ「寒疾」とは

 
「七夜雪」© 2024 China Huace Global Media Co., Ltd.

かつて身も心も凍り付く目にあった薛紫夜は、生涯「寒疾」に苦しむ身となります。この「寒疾」とは中医学的概念で、冷えと滞りをもたらす“寒邪”が身体に悪い影響を与えて病となること。

典型的な症状は、顔色蒼白、悪寒と発熱、頭痛、体の痛み、嘔吐、腹痛など。温めると症状が緩和するということで、軽い運動をすることや、腎機能を高め、身体を温める食材を取り入れることも良いとされているそう。薛紫夜が薬膳酒を毎日欠かさなかったのも、こうした理由があるからなのですね!

【参考URL】
百度「寒疾」



赤ちゃんにも有効? 「十宣穴」とは?


「七夜雪」© 2024 China Huace Global Media Co., Ltd.

呼吸が弱まってしまった徐沫を救うために、小さな指に鍼を打っていく薛紫夜。ここで「十宣穴」という言葉が登場します。

10本の指先にあるこの経穴は、発熱、てんかん、小児けいれん、不眠、失神、昏睡、ショック、熱中症、けいれんなどの他、さまざまな熱症状に用いられ、応急処置に使用されるそう。指に鍼を打つのを見るとちょっとびっくりしてしまいますが、施術も簡単で効果も早く、副作用もなく伝統中医学における痙攣治療の魔法の治療法とも言われるそうです。

【参照URL】
百度「十宣穴」



「毒蟾砂」ってどんな毒?


「七夜雪」© 2024 China Huace Global Media Co., Ltd.

侍月派が使うという「毒蟾砂」。これは恐らくヒキガエルから採れる毒(蟾蜍毒)で、蟾蜍毒は心筋に直接作用し、摂取したりすると嘔吐、不整脈、呼吸不全などの症状を引き起こし、重篤な場合には心停止に至ることもあるとされています。また、神経系に害を及ぼすと、けいれんや昏睡、皮膚に触れると蕁麻疹を引き起こし、眼に触れると視力障害を引き起こす可能性もあるとか。現在のところこの毒素の特効薬はなく、中毒の場合には直ちに嘔吐させ、医師の診察を受ける必要があるという強い毒ということです。

【参照URL】
百度「蟾蜍毒」

「七夜雪」
配信|2025年8月1日より順次配信
セル|2025年8月13日 DVD-BOX1発売 以降順次(全2BOX/19,800円 税込)
レンタル|2025年8月2日よりDVDレンタル開始 以降順次(全16巻)
提供:エスピーオー/BS12 トゥエルビ 発売・販売元:エスピーオー
https://www.spoinc.jp/official/shichiyasetsu/

Text:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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