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インタビュー|「Eternal Butler」チャン・ジョーウェイ(張哲偉)"2人っきりのような感覚で自然と演じられた"

「Eternal Butler」キービジュアル

台湾発オリジナルBLドラマシリーズ、VBL新シリーズの第1部「Eternal Butler」がデジタル配信中&Blu-ray・DVD発売中!

Cinemartでは、本作でメガネを外すとドSになるAIロボット「恒4(ホンスー)」を演じたチャン・ジョーウェイ(張哲偉)の公式インタビューの全文を掲載! 作品への思い、演じた役柄について、あのシーンの裏側などファン必読のインタビューです。


「恒4」を演じたチャン・ジョーウェイ
©2024 “VBL Series” Partners All Rights Reserved.

—— 「Eternal Butler」に出演されることになった経緯と出演を決めた理由を教えてください。

チャン・ジョーウェイ 「Eternal Butler」に出演する前に、僕は別のBLドラマ「VIP Only」にも出演していました。この機会があったからこそ、その後に「Eternal Butler」の脚本に触れることができたんです。実は以前からずっとドラマに対して強い思いがあり、さまざまな役柄に挑戦してみたいと考えていました。多くの場合、役と向き合うことは、誰かを演じるというよりも、自分自身の内面を掘り下げることだと思っています。だから、AIロボット「恒4」を演じるという話が出たときは、非人間的な役柄ということで少し不安もありましたが、その一方でとてもワクワクしていました。自分とキャラクターの間に、どんな共通点が見つけられるかを探すのが楽しみだったんです。

—— 演じるにあたり、演出家や制作スタッフから何かアドバイスはありましたか?

チャン・ジョーウェイ 役作りをする際には、総監修のツァイ・フェイチアオ(蔡妃喬)さんと物語の背景についてかなり話し合いました。特にこのシリーズには、同じ世界観を共有する「AntiReset」という別の作品もあり、それを踏まえて「恒4」というキャラクターを準備していきました。この役で一番難しかったのは、恒4が“非常に完璧なAIロボット”という点です。性格や用途の設定から、戦略的・理性的な面に優れている一方で、感情面についてはまったく理解していない存在なんです。なので、最初の段階ではチームと一緒に「機械と人間の中間」をどこに置くか、そのバランスをずっと探っていました。表現が硬すぎてもいけないし、かといって人間らしすぎてもいけない。その絶妙なラインで、視聴者に“人間のように感じられるけれど、どこかに機械らしさが残っている”と感じてもらえるようにすることが、すごく大事でした。

—— 演じられた「恒4」をどのようなキャラクターだと解釈し、演じられましたか?

チャン・ジョーウェイ 恒4というキャラクターは、僕にとって「とても真っ直ぐで人情に疎い人」という印象です。強い保護欲を持ち、受け取った指令には必ず従うという使命感もあります。でも感情面に関しては、まるで“超ストレート男子”のような性格で、人付き合いや気遣いに疎くて、時には相手を驚かせるような率直すぎる発言をしてしまうことも多いんです。だからこの作品に出演する前に、人間とロボットの恋愛をテーマにした作品をいくつか調べたり、実際にChatGPTと会話してみたりして、「AIとのやりとりってどんな感じなんだろう?」という感覚を掴もうとしました。いつもの役作りとはまったく違うアプローチになりましたね。

 
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—— ご自身と演じられた役柄、似ているところ・似ていないところを教えてください。

チャン・ジョーウェイ 僕自身も理系出身なので、実は恒4というキャラクターは、昔の自分の性格にとてもよく似ている部分があるんです。考え方は基本的にロジック重視で、物事を理性的に処理することが多かったので、今回の役作りでは自分が持っている理性的な特徴をさらに強調し、逆に感情的・感性的な部分はできるだけ排除するようにしました。でも、それこそが恒4と僕自身の一番の違いでもあるんです。感性が欠けているぶん、彼は時に空気を読まずに自分の考えを一方的に話してしまうようなところがある。そういうところは普段の僕とは正反対で、僕はむしろ周囲の人との関係性や雰囲気をすごく気にするタイプなんです。人を不快にさせたり、気まずくさせたりしないように、常に気を配る方なので、そのギャップも面白かったですね。

—— 羅布仕(ルオ・ブーシー)は恒4にとってどんな存在だと思いますか?

チャン・ジョーウェイ 恒4にとって、羅布仕はただの雇い主とはまったく違う存在です。羅布仕は、恒4に「必要とされている」という感覚を初めて与えてくれた人なんです。ようやく、誰かが自分を“物”としてではなく、“自立した存在”として扱ってくれた—— そのうえで、恒4の感情にまで気を配ってくれる。そういった経験は、恒4にとってこれまで一度もなかったものなんです。

—— 恒4はAI(ロボット)でありながら、次第と彼を想うようになった理由は何だと思いますか? また真実の恋愛に変わっていった理由とそのタイミングはいつだったのかについても、どう解釈して演じられましたか?

チャン・ジョーウェイ 恒4はとても人間らしく設計されたAIロボットです。彼は戦略面に優れているとはいえ、だからといって感情を学んだり、そこから何かを感じ取る力がないわけではありません。誰かに大切にされ、一個の存在として扱われることで、恒4少しずつ「感覚」を自覚しはじめ、それを自分の論理で理解しようとします。しかし、羅布仕との度重なるやり取りは、恒4の中の“プログラム”を混乱させていきます。なぜなら、それらの経験は彼のこれまでの論理や知識では説明がつかないことばかりだからです。

僕の解釈では、恒4にとっての最初の転機は、羅布仕が恐怖を感じながらも自らの意志で彼の止血を手伝った場面だと思います。その一歩が、恒4の中に「なぜ?」という疑問を生み出し、以後の交流がその疑問をさらに深めていきます。羅布仕が恒4のために服を買ってくれたり、薬を盛られた時に頑なな態度の裏にある脆さを見せてくれたことによって、恒4は「守りたい」「そばにいたい」という思いを強くしていきます。その変化がやがて“愛情”へと繋がるのは、恒4が「雇い主を守る」というただの設定を超えて、羅布仕の好みや性格までも自然に覚えていくようになったからです。その時初めて、恒4は自分が感じているのが“ただの業務”ではないことに気づくんですね。

このふたりの関係の変化はとても繊細で、特に恒4の「目線」に注目すると、その変化がよく表れています。羅布仕のそばにいるとき、恒4はより人間らしくなっていき、その視線にはだんだんと温かさが宿ってくるんです。


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—— 羅布仕と恒4のように人間とAI(ロボット)の恋愛についてどう思いますか?

チャン・ジョーウェイ この物語は、今の時代の“恋愛の価値観”にもすごく合っていると思うんです。現代人ってすごく忙しくて、日々の生活の中で、本当に必要なのは—— もしかしたら“全部を守ってくれて、生活面でも支えてくれるようなパートナー”なのかもしれません。しかもその相手が、余計な感情に振り回されることなく、常に安定していてくれる存在だとしたら。自分のすべてを受け入れてくれて、どんな弱さも包み込んでくれる人がいるというのは、それだけで本当に素敵な関係ですよね。

—— 恒4と羅布仕との撮影シーンが一番多かったかと思いますが、演じるうえで心がけたことやお互いに対して気を使った部分はどのようなところでしょうか?

チャン・ジョーウェイ 実は羅布仕との撮影では、多くの場面で脚本の細かい設定にはあまり縛られず、役をつくる過程で自然と“恒4と羅布仕”という関係性が出来上がっていきました。だからこそ、撮影中のふたりのやり取りについては、あまり心配はしていなかったんです。むしろ、気にしていたのは「どうやって羅布仕を傷つけずに済むか」ということでした。特に恒4のキャラクター上、力加減が難しいシーンが多くて、演じているとつい力を入れすぎてしまい、羅布仕役のチェン・ジュンティン(陳峻廷)をよくアザだらけにしてしまって……。そのたびに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

—— チェン・ジュンティンさんとの撮影で起こったハプニングや印象に残っている撮影裏話があれば教えてください。

チャン・ジョーウェイ 僕たち二人は性格が少し似ていて、仕事に対してはどちらも「やると決めたらとことんやる、絶対に引かない」っていうタイプなんです。だから特に激しいシーンの撮影では、事前に「ここまでは触れるかも」っていう軽い打ち合わせだけして、いざ本番が始まったら、ほとんどアドリブのような感じで演じていました。監督が「カット!」と叫ぶまでは、完全に役に入り込んでいて、周りのスタッフの存在すら忘れるくらい。本当にその場に恒4と羅布仕しかいないような感覚で、自然と演技が進んでいったんです。


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—— チャン・ジョーウェイさんから見たチェン・ジュンティンさんはどんな魅力を持った俳優だと思いますか?

チャン・ジョーウェイ 彼はまるで“みんなを笑顔にしてくれる存在”、いわばムードメーカーのような人です。そばにいると、自然と安心して自分を委ねたくなるような雰囲気があります。もちろん、冗談を言って場を和ませることも多いけれど、ただふざけているだけじゃなくて、実はとても周りをよく見ていて、さりげない気配りができる人。ユーモアを通して、周囲を癒してくれる優しさのある人なんです。

—— 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか? 印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

チャン・ジョーウェイ 撮影の過程ではとても楽しくやっていました。長時間働いていても、スタッフとみんなで一緒に仕事をしていると、現場の雰囲気は常に和気藹々としていました。あるシーンでは、羅布仕が恒4のシャツを引き裂く場面があって、そのたびにボタンが飛んでしまうんです。翌日、副監督が僕のところに来て、ずっと背中を見ているんですよ。僕が「何を探しているんですか?」って聞いたら、彼女は「昨日のリプレイを見たら、背中に大きなホクロがあったけど、どうして隠してなかったの?」って言うんです。結局、シャツのボタンが私の背中にくっついていたことが分かったんです!

—— 「Eternal Butler」で、ご自身が一番気に入っているシーンまたはセリフがあれば教えてください。

チャン・ジョーウェイ 「私は 君の伴侶でも 弟でも息子でも構わない 他人に どう見えてもいい 大切なのは—— ずっと そばにいることだから」これは恒4が(ドラマの)最後に羅布仕に言った言葉で、ロボットと人間の間における愛と寿命の難しさを物語っています。

—— 恒4と羅布仕との2人のシーンで一番思い出深いシーンは何ですか?理由も合わせて教えてください。

チャン・ジョーウェイ 本作のキービジュアルにもなっているシーンなのですが、羅布仕がお腹を壊して、恒4が彼を背負って公園を歩く場面です。この時、羅布仕は自分の弱さを見せることに決め、過去の痛みを恒4に話すんです。それを聞いた恒4は、羅布仕の性格の背景をより深く理解し、彼を守りたい、ずっと一緒にいたいという決意が一層強くなった瞬間でした。


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—— 「Eternal Butler」には、キュンとするシーンがたくさんありますが、ご自身が思うNo.1胸キュンシーンを教えてください。

チャン・ジョーウェイ ホテルでの、恒4と羅布仕が初めて明晰な状態でのベッドシーンになります。羅布仕が薬を盛られた時のベッドシーンと違って、このシーンでは二人の感情がもっと濃く、雇い主とロボットの間でのやり取りではなく、恋人っぽくなっています。そしていつも主導性を強みにしている恒4が初めて羅布仕の体の下にいることになり、この中の感情の変化がとても繊細でした。

—— この作品はご自身にとってどのような作品になりましたか?

チャン・ジョーウェイ この作品全体は、軽い恋愛コメディのように見えますが、実際には現代社会の先進的なテーマを深く取り入れていると感じます。ロボットがますます人間らしくなる中で、人間とロボットの恋愛はもはや幻想ではなくなります。しかし、実際にこの状況が現実になった場合、どんな問題に直面するのかは、実に考えさせられるものです。例えば、僕が演じた恒4というキャラクターは、感情を学び深める中で、人間の寿命が自分とは異なり永遠に続かないことを知り、その痛みがどれほど耐え難いものであるかを感じていきます。

—— 「Eternal Butler」をこれからご覧になられる日本の視聴者に向けてチャン・ジョーウェイさんだからこそ知っている“ここに注目しておくともう一歩楽しめる”というポイントを教えてください。

チャン・ジョーウェイ 恒4と羅布仕の関係は非常に不思議です。羅布仕は一見するとツンデレな坊ちゃんに見えますが、実際には内心がとても柔らかく、傷つくことを恐れて外面を固くしているだけなんです。一方、恒4が坊ちゃんと交流するたびに、その内部プログラムによる感情の表現が、彼の目にとてもはっきりと現れます。ですので、まだ視聴していない方々は、恒4が坊ちゃんと関わる時の目の変化に注目してください。長い時間をかけて、彼の反応や心情を理解できるはずです。


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—— 最近、個人的にはまっていること、好きなことは何ですか?

チャン・ジョーウェイ 最近は歌の練習と日本語の勉強に頑張っています。

—— お休みの時はいつもどんなことをされていますか?

チャン・ジョーウェイ 晴れた日に外でテントを張って、ラウンジチェアに座って日光浴を楽しんだり、一人で図書館に行って静かに読書をしたり、ぼーっとしたりするのが好きです。

—— ご自身の性格を一言で表すと?

チャン・ジョーウェイ 
人生は一度きり。どんな勉強の機会とも見逃さない

—— 今後演じてみたいキャラクターなどあれば教えてください。

チャン・ジョーウェイ 性格の差が激しいキャラクターに挑戦してみたいです。昼と夜に性格が変わたり、精神的にギャップが出る症状のあるキャラクターだったり。

—— 今後の目標を教えてください。また、言える範囲で構いませんので、今後の活動に関して決まっていることがあれば教えてください。

チャン・ジョーウェイ 今年はドラマ以外、今まで得意ではなかった音楽作品にも挑戦してみました。これからも引き続き創作し、スキルを磨いてもっともっと曲を作って皆さんにお届けしたいです。

—— 最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

チャン・ジョーウェイ 一つ一つのキャラクターには奥深い物語があります。「Eternal Butler」をご覧になるときに、僕たちの心の世界に入って来て、僕たちの目線で皆さんの生活を癒すこともできたら嬉しいです。この作品が皆さんの笑顔と涙を誘えたらと思います。


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「Eternal Butler」
・デジタル配信中
・Blu-ray BOX・DVD-BOX 発売中(
BD 16,500円/DVD 13,200円 税込)
【映像特典】メイキング:全面監視カメラ/ プレミア上映会/特別上映会/予告編集 
【封入特典】ブックレット、サイン入りチェキ風カード
発売・販売元:エスピーオー
https://www.spoinc.jp/official/eb/

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