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素人俳優たちの見事な演技に驚愕『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット』上映|台湾映画の“いま”

 『ハヨン一家』ポスタービジュアル

2000年以降の台湾映画の新しい流れがどのように"いま"に繋がってきたのか、そして"いま"何が起きているのかをお届けする台湾文化センターとアジアンパラダイス共催の台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"」。

8月26日(土)に上映されたのは、三世代のタイヤル族の家族を描いたヒューマンドラマ『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット(原題:哈勇家/GAGA)』。本作は2022年の金馬奨で6部門ノミネートされ、陳潔瑤(ラハ・メボウ)が監督賞を受賞。今年の台北電影奨で長編劇映画賞、編集賞、洪金輝(ホン・ジンフイ)が新人賞を獲得した話題の作品だ。日本では台湾原住民の文化や生活を描いた作品は映画祭でたまに上映されるものの、一般公開されることが少ないのが現状。だが、本イベント「台湾映画の"いま"」では毎年ラインナップされている。

『ハヨン一家』場面写真

本作は異なる文化や習慣と共に普遍的な家族愛を描いた内容で、参加者からは「とてもいい映画!派手な映画ではないけれど、家族のささやかなやりとりに、何度も温かな気持ちが胸にこみあげてきた。また、タイヤル族の人々の暮らしや文化も興味深く、観ていてとても楽しかった」「タイヤル族の文化や伝統が代々受け継がれて行く様を見て、今の日本の暮らしに忘れ去られてしまったものを見るよう」「家族の思い遣り、過剰な干渉、意地の張り合い、甘え合い、失敗とかを細やかに描かれ、しみじみ良い作品だ」「家族の絆にどんどん引き込まれた」「原住民の家族ならではのテーマのようでいて、どこの家族にも通じるところもあり、とても興味深く見た」「美しい自然の風景や人々のリアルな光景に思わず見入ってしまった。選挙と娘の妊娠は大きな出来事だが、全体的に淡々としたタッチで描かれているのがとても良かった」などの感想が寄せられた。

上映後のアフタートークでの本編解説では、演技経験がない出演者がほとんどだったこと、また日本人には一見わかりにくい背景についても解説があった。また、活躍する原住民の俳優(歌手兼業も含め)の紹介。本作の監督、陳潔瑤(ラハ・メボウ)氏からのメッセージも紹介された。

このアフタートーク映像はどなたでも見られるよう公開中。さらに詳しい話が聞ける陳潔瑤(ラハ・メボウ)監督インタビューは、Podcastで配信中だ。

陳潔瑤(ラハ・メボウ)監督からのメッセージ

陳潔瑤監督

「今日この映画を見ていただき、とてもうれしく思います。台湾のひとつの集落の家庭を通して、家族や友人が持っている共通の情感を感じていただきたいです。そして、皆さんとは違うタイヤル族の文化を知ってもらえれば、と思います」

アフタートーク映像
https://v.classtream.jp/tw-movie/#/player?akey=f561030086754401197534265bb61718

陳潔瑤(ラハ・メボウ)監督インタビューPodcast
http://asianparadise.sblo.jp/article/190527045.html


台湾映画の“いま”
開催日程:2023年4月〜10月(7回)
スケジュールはこちら
https://www.cinemart.co.jp/article/news/20230405007222.html

開催形式:会場(台湾文化センター 定員50名)+オンライン
参加:無料 事前申し込み制。
スピーカー:江口洋子(台湾映画コーディネーター、アジアンパラダイス主宰)

主催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/アジアンパラダイス
協力:映画各社

イベント形式:会場(定員50名)とオンラインによる映画の上映とトーク
(監督や俳優のムービーメッセージ、テーマトーク、台湾映画界の最新情報)
※各回の申込みの詳細は、以下のWebサイトで告知

台湾文化センター:https://jp.taiwan.culture.tw
アジアンパラダイス:http://www.asianparadise.net

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