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『バニシング:未解決事件』ドゥニ・デルクール監督インタビュー解禁

ドゥニ・デルクール監督最新作、オルガ・キュリレンコ×ユ・ヨンソク共演『バニシング:未解決事件』が5月13日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国公開! この度、監督インタビュー&新場面写真が解禁となった。

ドゥニ・デルクール監督インタビュー

― 前代未聞の事件解決に挑む刑事と法医学者のタッグが魅力的でした。作品制作のきっかけと演出意図を教えてください。

ドゥニ・デルクール監督 事件とその解決だけを目的とするのではなく、様々な人物のストーリーまで盛り込んだ緊張感溢れる映画を作りたいと思いました。それに臓器売買という設定にも興味がありました。映画の持つサスペンス性を高めるために、各登場人物の動機をよく表現することに重点を置き、ストーリーを作り上げました。

― 韓国オールロケーションで撮影された作品ですが、韓国の俳優陣やスタッフとともに現地での撮影はいかがでしたか。

ドゥニ・デルクール監督 韓国コンテンツが世界的に大きな反響を呼んでいる今、韓国での作品制作は、機会があればぜひ挑戦したいと考える監督が多いのではないでしょうか。今回のプロジェクトを通じて私の夢も叶ったと思っています。韓国は、制作陣はもちろん、観客も映画に対する目が肥えており、より高いレベルで人々に感嘆をもたらす作品制作が可能な場所だと思います。

― 韓国での映画監督の地位は絶対だと言いますが、実際にはどうでしたか?

ドゥニ・デルクール監督 監督はまさしく神のごとく崇められる存在です。撮影チームはどんな小さな事柄に関しても、私のゴーサイン無しには何もしようとせず、最初は難しさを感じました。韓国では俳優もまた深く尊敬されていて、人気俳優ともなればなおさらです。私は彼らにも大いに自由を与えました。私がスター俳優たちを自由にさせ、彼らのアイデアを積極的に取り入れる姿勢を見せると、すぐにチーム全体が自分たちも同じようにすべきだということを理解してくれました。


© 2021 The French Connection

― どんな韓国映画に影響を受けましたか?

ドゥニ・デルクール監督 韓国の警察に関して言えば、ナ・ホンジン監督の『チェイサー』、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』から影響を受けました。『チェイサー』は、スリラーというジャンルのイメージを持ちながらも韓国ならではの空間、例えばソウルの地下室などを把握する上で非常に参考になりました。『殺人の追憶』は、刑事を一般的な通念とは違って皮肉に描いた点がとても気に入り、参考にしました。効率を追い求めるばかりではなく、少し抜け感があり、威圧的でないジノのキャラクターを描く上でのヒントとなったと思います。

― ユ・ヨンソクは英語を使った演技に挑戦していました。彼との仕事はいかがでしたか。

ドゥニ・デルクール監督 ユ・ヨンソクはジノを完璧に表現してくれました。彼とはジノというキャラクターについて色々と意見を交わしましたがが、絶えず独自のアイデアや意見を出してくれました。とても賢く信頼できる俳優だと感じました。


© 2021 The French Connection

― 韓国の俳優たちにはかなりの自由を与えたとのことですが、アリス役のオルガ・キュリレンコに対してはいかがでしたか?

ドゥニ・デルクール監督 世界中で多くの映画に出演してきたオルガは高い適応力を誇る俳優です。シナリオを読んで「絶対に演じてみたかった役だ」と快諾してもらったのですが、手術シーンに必要なあらゆるジェスチャーを徹底的に練習し、現場に入りました。劇中の全シーンを自ら演じています。アリス本来の役割を果たしてくれました。

© 2021 The French Connection

『バニシング:未解決事件』
『バニシング:未解決事件』ポスター

5月13日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋他にてロードショー
監督:ドゥニ・デルクール『譜めくりの女』
出演:オルガ・キュリレンコ『007 慰めの報酬』、ユ・ヨンソク「賢い医師生活」、イェ・ジウォン
2021/フランス、韓国/韓国語、フランス語、英語/カラー/88分  原題:Vanishing
配給ファインフィルムズ
© 2021 The French Connection

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