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【最新映画in台湾】TIFF上映作品『テロライザーズ』 ヤオ・アイニン、コスプレシーンのメイキング映像公開

ニュース提供元:齊石傳播、映画《青春弒戀》

11月19日より、台湾にて国際的に活躍するホー・ウィディン(何蔚庭)監督の新作『テロライザーズ(原題:青春弒戀)』が公開される。

この作品には、リン・ボーホン(林柏宏)、リン・ジェーシー(林哲熹)、ムーン・リー(李沐)、アニー・チェン(陳庭妮)、ディン・ニン(丁寧)、ヤオ・アイニン(姚愛寗)らが出演。第58回金馬影展のオープニング作品にも選ばれており、最優秀監督賞、最優秀助演女優賞、最優秀新人賞、最優秀音響効果賞、最優秀編集賞、その他5つの賞にノミネートされている他、トロント、東京、フィラデルフィアなどの国際映画祭で公開され、シンガポールでは台湾と同じく11月19日に上映される。

10月20日には、ヤオ・アイニンが演じる女子高生・キキ(綺綺)のメイキング映像が公開された。自分が人気者であることを証明したいキキは、コスプレによって注目されるようになると、虚栄心を満たすために、更にもっと多くの関心を得ようと夢見るようになっていく。


キキは、青春まっただ中に生きる奔放なキャラクターで、ヤオ・アイニンはメイキングの中で「キキのキャラは、『唯我独尊』っていう4文字がぴったりだと思っています。だから何をしたって構わない、だって世界で最も偉大なのはこの私で、私がなんでも決めるんだから!っていう彼女のイメージを掴んで演じました」とキキのキャラクターについて語った。

 

ホー監督はキキについて「キキのキャラクターは、基本的に反逆的な女子高生のイメージで描いています。彼女の家庭はとても素晴らしく、ご両親も彼女の事が大好きです。でも、彼女は他の同級生たちとは何か違うことをやらかしてみたくて、遊びたいし、目立ちたい。だから、コスプレという表現を選ぶに至るのです」と話す。

『テロライザーズ』でコスプレを愛する女子高生を演じることになったヤオ・アイニンは、よりリアルなレイヤー仕様になるべく、撮影前に職業としてコスプレを行なうプロの方々に話を伺ったり、実際に同人誌の販売会などに足を運ぶなどしてコスプレ文化を理解したそう。リアルな撮影効果を求めるために、実際にヤオ・アイニンが台北圓山花博公園でのコミック展にコスプレをして初参加することとなり、現場ではギャラリーが集まりカメラマンたちの熱い大撮影会が始ってしまったとか。

とはいえ、現場に到着したばかりの時はまったく注目もされず、むしろ会場でひとりぼっちで浮いてしまったというヤオ・アイニン。「現場で私たちはいったいどうすればいいのか全く分からなくて。すっごく緊張したけど、監督はイベント会場でのリアルな場面を撮りたいというので、私たちは一緒に作戦を考えたんです。まず私たちのクルーのカメラマンが私を撮りはじめる。次第に一人一人と近づいてきてくれて、最後には本当に撮影してくれる人がたくさん集まってくれました。こんな風にレイヤー仲間の皆さんと交流できる特別な体験ができて、とっても満足しました」と笑ってコメントした。

多くの人が集まると、ヤオ・アイニンの中にキキの役柄が瞬時に現れたとホー監督はいう。「その日は、コスプレ活動の撮影に行ったのですが、そこで彼女がとっても安定して役柄になりきるのに気が付きました。これは後で知ったのですが、彼女は事前に自分で役作りのために、色々とリサーチをしてくれていて。とっても驚きましたし、彼女は有望で潜在能力のある頭のいい女優だと思いました」

ヤオ・アイニン曰く、今回『テロライザーズ』で演じた役柄と自分はまったく違う性格で、彼女は反逆的ではないし、劇中で見せるような愛を積極的に追い求めるタイプでもないのだとか。「青春時代って、精神的、肉体的発達の影響などもあって、愛のために未来への憧れや幻想を抱きますよね。キキはこういう思春期の幻想の中で他人を征服できると感じている」「キキは(リン・ボーホン演じる)ミンリャンのことが好きになり、彼は自分の獲物で、捕まえなきゃっていう感覚になっていると思います」

映画の中で“獲物”になってしまうリン・ボーホンは、ヤオ・アイニンの演じている時とそれ以外の時の印象がまったく違うと感じたそう。「僕たちが映画で演じるキャラクターは、彼女の方が攻めてきて主動なので、僕は彼女がとっても活発な女の子なんだろうなって思っていたんです。でも撮影が終わったら黙々として、“実は自分はとても静かなタイプなんだ”って打ち明けられて。思わず『キャラ違いすぎだろ!』ってツッコミたくなりました。撮影中はお互いの感情を毎回伝え合うことができて、どんどんパフォーマンスの細部においても分かち合えるようになりました。ヤオ・アイニンは本当に素晴らしいパートナーだったと思います」

この映画は、一見無関係に見えるが互いに影響を及ぼし、最終的に無差別殺人事件に巻き込まれたZ世代6人の物語を描いた物語で、10月30日から開催される第34回東京国際映画祭でも上映される。


翻訳・編集:島田亜希子
ライター。中華圏を中心としたドラマ・映画に関して執筆する他、中文翻訳も時々担当。Cinem@rtにて「中国時代劇トリビア」「中国エンタメニュース」を連載中。『中国時代劇で学ぶ中国の歴史』(キネマ旬報社)『見るべき中国時代劇ドラマ』(ぴあ株式会社)『中国ドラマ・時代劇・スターがよくわかる』(コスミック出版)などにも執筆しています。

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