Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

【最新ドラマin台湾】アンソニー・ウォンが台湾ドラマに初出演!「四樓的天堂」で経歴不詳の凄腕マッサージ師に

ニュース提供元:台湾公共テレビ(公視/PTS)

香港の大物俳優アンソニー・ウォン(黃秋生)が、台湾ドラマに初めて出演する。

作品は公視ドラマシリーズ「四樓的天堂(原題)」(仮訳:四階の楽園)で、監督はチェン・シンイー(陳芯宜)、脚本家はロウ・イーアン(樓一安)と、いずれも台湾の権威ある賞の受賞歴がある強力な布陣。そのほかシエ・インシュエン(謝盈萱)、フェンディ・ファン(范少勳)、ワン・チェンリン(王真琳)、ホアン・ペイジア(黃姵嘉)、パン・リーリー(潘麗麗)、チェン・ジアクウェイ(陳家逵)、タイポー(太保/張嘉年)、マー・ジーシアン(馬志翔)、ルー・イーチン(陸弈靜)、ディン・ニン(丁寧)、スン・クーファン(孫可芳)ら、台湾と香港から錚々たるキャストが集結する。

 

舞台は、ひっそりとした路地裏に建つ古いアパートの4階、看板のないプライベート・マッサージ店。アンソニーは、香港なまりで経歴不詳の推拿師(マッサージ師)・天意を演じる。

天意は、客の歩き方や立ち姿、座り方からその人の生活習慣や症状を推測する。そして「体は沈黙していない。私の手はたくさんの秘密を読み取る」と自らが語る通り、独特な手技を通して、人の心の奥底に隠された傷を癒やしていく。その神秘的な診療スタイルと卓越した手技は、まるで武道の達人のよう。

母親とのわだかまりを解決する方法がわからない心理カウンセラー、ブラックホールのような過去を持つストリート・アーティスト、失うことを恐れて常に感情を抑えている舞台俳優ら、そこを訪れた者は皆、天意の手により自分の中の一番柔らかくて温かい部分を再発見していく……。

実は、「推拿」(経絡を刺激し代謝や血流を促す、伝統的な手技治療)の人体への治療効果について半信半疑だったアンソニーだが、撮影後はその力を信じられるようになったという。この役を演じるため、事前にプロのマッサージ師に手技を学び、撮影現場でも常に指導を受けた。

アンソニーは「今回、監督とも分かり合えて、満足度は100点だ」と自信をのぞかせる。監督は「推拿をテーマに、身体的な症状と心理的な傷をリンクさせることで、都会生活のさまざまなジレンマを探った」と話した。アンソニーの強烈なオーラと神秘性が天意役にうってつけのため、脚本の段階からアンソニーをイメージして執筆したそうだ。

心理カウンセラーを演じるシエ・インシュエンは、「アンソニーはこれまで出会った中で一番印象深い人。全身から発するオーラがすごくて、地面に突っ伏しそうになるほどだった」と、初めて会った当時を振り返る。

客の一人、ストリート・アーティストを演じるフェンディ・ファンは、大物アンソニーとの共演について「演技経験を喜んで分かち合ってくれる人。台本の読み合わせの前に、たくさんのアドバイスや方向性を示してくれたので、とてもいい課題になった」と話した。最初どう演じていいか想像しづらかったという、マッサージを受けながら心の傷を思い出すシーンでは、「泣けないと思っていたのに、アンソニーさんの手が後頭部に置かれた瞬間、全身に鳥肌が立って涙があふれてきた。演じている役だけじゃなく、まるで自分自身の心の中まで開けられた感じがした」と、複雑な思いを吐露した。

すでに公開されている2本の予告映像でその一端を垣間見れば、共演俳優との化学反応も含め、ますます期待が高まるに違いない。

人と人の関係、セルフヒーリングの道を描き、アフター・コロナの自分との向き合い方を探求する癒やしのドラマ「四樓的天堂」は、10月9日から毎週土曜夜9時、台湾の公視チャンネルで2話ずつ放送予定。全10話。


◆予告編 第1弾

◆予告編 第2弾

翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。2017年4月より、ラジオ番組「Asian Breeze」では台湾の現地情報を発信するコーナーを担当中。

記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP