Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

チャン・ビンビン&ジン・ティエン主演!異色のラブファンタジー「司藤」が中国ドラマ市場に新たに生み出した潮流とは?

ドラマ「司藤」に関しては、適切な俳優が選ばれたことも、成功の要因の一つにあげられる。

「司藤」のキャストは、ドラマのプロジェクトが設立されて以来、ファンたちに大いに期待をよせられてきた。彼らは決して「量体裁衣」式に採用されたキャストではない。チャン・ビンビン、ジン・ティエン、リ・ムーチェンらが若手世代の傑出した人材であり、人気とルックスの良さを兼ね備え、こまやかな演技力を持ってドラマに貢献できる俳優だからこそ、このドラマに選ばれたのだ。

ジン・ティエン演じる司藤は、ひとたび登場するだけで、驚くほどの艶やかさと人を圧倒するオーラを放ち、明らかに人類ではない生命体であることを思わせ、魅了する。そのくせ、永い眠りから覚め、現代文明を理解していない彼女は、子どもっぽい部分や、かわいらしい行動をとることが多い。


こうした威圧的でありながらもイノセントで透明感のあるキャラクターデザインは、中国ドラマには珍しいヒロイン像だと言える。そしてそんな彼女の可愛らしさをキャッチした女性の視聴者たちは、すぐに司藤のキャラクターのファンになってしまうのだ。

一方、チャン・ビンビン演じる秦放は、最初は存在感が弱いようにも見えるのだが、とてもまっすぐな性格の持ち主で、司藤の時に激しさを露わにする気性を上手くかわすことができ、代わりに彼女の優しい側面を探し出せるようなタイプの男性だ。ストーリーが進むにつれ、多くの視聴者は彼の持つ「暖かい男」の魅力に気づき、惹きつけられていくことになる。


こうした司藤と秦放の「女性が強く、男性が弱い」組み合わせは、今日の女性のインターネットユーザーの好みに合うだけでなく、2人の間に輝く独特のカップル感を生み出してもいるのだ。

中国でのウェブドラマ誕生以来、オンラインドラマ市場のプレミアム化が加速する中、「新しさ」と「変化」を求めるユーザーのニーズにこたえるべく、特に現代ドラマにおいては新たな要素が求められてきた。

そんな中で「ファンタジー」要素を劇中に取り入れたことは、一般的なテーマの制限を打ち破る起爆剤になったともいえる。「司藤」の制作サイドは、こうした業界で希少なテーマを育てるために、鋭い市場感覚をもとに大胆な実験を行い、現状から判断すると、その実験の成果は間違いなく大成功といえる。このような積極的なテーマの探求は、今後も同様のドラマを生み出すための参考となり、新たな道を切り拓く原動力となっていくことだろう。

翻訳・編集:Cinem@rt編集部

記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP