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「時をかける愛」から知る、3つ目の願い事のこと【ドラマから知る台湾のこと #3】

この連載では、台湾のドラマ(ときどき映画)を観て感じた小さな疑問をきっかけに、台湾のくらしや文化をご紹介していきます。

教えてくれるひと:ローズさん
台湾・高雄生まれ、来日6年目。日本の映像系企業に勤務。台湾で10年間劇団に参加し、ドラマを観ることも大好き。言語と文化に興味を持ち、毎日日本人の旦那さんと日台文化の違いを楽しく体験している。将来の目標は台湾と日本の架け橋になること。



― 「時をかける愛」が金鐘奨で4冠(連続ドラマ作品賞、同主演女優賞、脚本賞、革新番組賞)を獲得しましたね!今回は、ローズさんにこの「時をかける愛」で1つ教えてほしいことがあって。「時をかける愛」には誕生日のシーンで、ケーキのローソクを吹き消すときに3つの願い事を、2つめ目までは声に出して3つ目は声に出さずに祈る、というエピソードが印象的に出てきます。あれはドラマだけの話?それとも台湾ではお馴染みの事なのでしょうか?

ローズさん ドラマだけの話ではなく、台湾ではよくやることですよ!私も子供の頃からずっとそうしてきましたし、親戚や周りの友たちの誕生日を祝うときも同じです。誕生日の人はローソクを吹き消すときに3つの願い事をしていました。まさに「時をかける愛」第一話の誕生日のシーンそのものですね。

 「時をかける愛」誕生日シーン
「時をかける愛」© Fox Networks Group Asia Pacific Limited, Taiwan Branch & Three Phoenixes Production Co. Ltd. All right reserved.


― ということは、ドラマ同様3つ目の願い事は声に出さないんですか?

ローズさん はい、そうです。3つ目は言わずに必ず心の中に隠しておきます。台湾では当たり前のことなんですよ。 だから、みんなはよく半分冗談で、2つ目までは「世界平和」とか「次のテスト全員all pass」みたいな壮大な願い事をして、3つ目だけ自分のための、一番叶ってほしい事を願います。


― どうして3つ目の願い事は声に出さないんですか?

ローズさん はっきりと決まった理由はないみたいですが、以前「声に出すと叶わなくなるから」と聞いたことがあります。よく「いい夢を見たら、人に話さないほうが正夢になりやすい」なんて言うのと一緒かな(笑)。

「時をかける愛」では、「口に出さない方が叶いやすくなるわけじゃないけど、叶わなかった時に傷が浅くて済むだろう」というセリフがありましたよね。だから女性主人公は、いつも3つ目の願い事に「一番叶ってほしいけど、一番叶いにくいこと」を願います。

現実では、みんなこの理由で3つ目の願い事を心の中に隠しているのかは分かりませんが、この「口に出さない願い事は、かなわなかった時傷が浅くて済む」というのは心理学で根拠のある話らしいですよ。そこまで考えられているなんて、改めて「時をかける愛」って本当にすごいドラマだな、と思いました。

グレッグ・ハンとアリス・クー
「時をかける愛」© Fox Networks Group Asia Pacific Limited, Taiwan Branch & Three Phoenixes Production Co. Ltd. All right reserved.

― お話ししていたら、もう1度「時をかける愛」を見直したくなってきました(笑)。

ローズさん 台湾でもこの作品は本当に話題になりました。ぜひ何度でもご覧になってください(笑)。

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今回、台湾を知るきっかけになったドラマは「時をかける愛」


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