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【インタビュー】「ミセン-未生-」カン・ハヌルさん #1「また明日」




★★今までの「インタビュー(韓国)」はこちら★★



現在、【毎日ちょい見せ】にて無料公開している「ミセン-未生-」。本作で、エリート意識の強い新入社員チャン・ベッキを演じたカン・ハヌルさんのインタビューを掲載!

※若干ネタバレあり※
明確なネタバレはありませんが、インタビューの中で物語の後半の内容に少し触れています。
"ちょっとのネタバレも絶対NG"派の方は、ご視聴後に読まれることをオススメします。


第1回「また明日」:2018年1月25日(木)更新
第2回「僕が演じたいと思うのは」:2018年1月26日(金)更新
(インタビューは「ミセン-未生-」DVD日本リリースの2015年に行われたものです。)



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★★「ミセン-未生-」公式サイト★★


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― 「ミセン-未生-」の出演オファーを受けた時の気持ちをお聞かせ下さい。最初に脚本を読んだ時の印象は?

ドラマ『モンスター~私だけのラブスター~』という作品でキム・ウォンソク監督に初めてお会いして、監督から出演依頼をいただきました。

ウェブ漫画を好きな方なら共感できると思いますが、自身が好きなウェブ漫画を原作にドラマや映画が作られるということに期待もしますが、心配にもなるじゃないですか。僕も同じでした。原作「ミセン-未生-」の大ファンでしたし......。

だから、心配もしました。最初はそのプレッシャーのせいで、僕がやるべきではないという思いもありました。躊躇しました......。期待もしましたが、僕がとても大好きな作品をダメにしてしまうような気がして......。『やめようかな』とも思ったんですが、僕の人生で一度は必ず挑戦してみたい作品だと思いが大きくて、挑戦しました。できるだけうまく表現しようと、たくさん努力しました。

台本の印象は、こう言えます。今も他のドラマや、僕がやってきた作品の台本は、改めて見ると「ミセン-未生-」ほどは満足できません。それほど、「ミセン-未生-」の台本は本当に良かったと思います。完璧とまでは言いませんが、ほぼ完璧に近かったと思います。




― チャン・ベッキを演じるにあたり、監督からリクエストやアドバイスがありましたか?また、ご自身では何か特別な役作りはされましたでしょうか?

監督に一番感謝している部分は、僕の自由にさせてくれたことです。
それは、言葉を変えると、僕を完全に信じてくれたということです。僕が何か意見を言うと、「ハヌル、君がやりたいようにやったらいい」と言ってくれて、それがすごくありがたかったです。
それで、僕が役柄についてもっと悩むようになりました。

容姿などは、メガネや2対8に分けたヘアスタイルは僕が監督に話したんですが、初めは嫌だと言われました。でも、僕はそのスタイルをやりたかったんです。周りの方々が、しきりにカン・ハヌルに似合うスタイルを薦めてくださるんです。
でも、それはカン・ハヌルであって、チャン・ベッキではないじゃないですか。

だから、「僕が考えるチャン・ベッキはこういうキャラクターなので、こういうスタイルで行きたい」と話したところ、監督も快く承諾してくれました。容姿的に気を使った部分はそういうところですね。

多くの人々がこう訊きます。「会社生活をしたことがないのに、どうしてチャン・ベッキという人物を演じられたの?」と。でも、僕は会社員経験は一度もないですが、「ミセン-未生-」の原作ウェブ漫画をすごく楽しく読んだんです。多くの方々がそうだったように。

ということは、「ミセン-未生-」という作品はただ会社員や会社に関する話だけではなく、人と人の関係についての話を描いているため、僕が会社に通ったことがないから会社員の感情を感じられないということはないと思います。

「ミセン-未生-」の原作を読んだときの印象そのまま、台本もとても面白く仕上がっていました。だから、僕が演じるときに何か特別なことを前もって準備しなければいけないと思ったことは、特別に具体的にはなかった気がします。

雰囲気などを見るために実際に経験もしてみましたが、そういう場所で感じたものは、むしろ会社員だからこその行動を感じることではなく、『その会社員が感じる感情も、会社員ではない僕たちの感情と同じなんだな』『人がすることなんだな』ということを感じました。




― 演じられたチャン・ベッキと似ていると思った部分や、ここは似ていないと思った部分があれば教えてください。

似ている部分はやはり、僕も僕がやろうと思ったことがあれば「できない」という言葉を聞くのが大嫌いなんです。チャン・ベッキも、そんな人物です。根性とこだわりがあります。僕自身もそうなんです。

ただ、ベッキがやろうとする社会生活の方法、人に接する方法に間違いがありました。自分だけを考えて、優劣感、自惚れがとても強くて、そういう部分を見るとむしろ彼が愚かだと感じました。

自分を曲げるということを知らない人は、いつか折れてしまうと言うじゃないですか。最初、ベッキのことをそういう人物だと見ていました。ベッキという人物が幼い(内的な成長ができていない)人だという印象を受けました。

そんなベッキがチャン・グレという人物に出会い、少しずつ成長していく過程が、それがチャン・ベッキの一番の魅力ではないかと思います。


― 本作には胸に響く素晴らしい台詞やシーンが本当にたくさんあります。ハヌルさんにとって印象に残った台詞やシーンはありますか?

やっぱり、「また明日」じゃないでしょうか(笑)。

カン代理から初めてこの言葉を聞くシーンを撮影したとき、とても気分が良かったんです。それから、チャン・ベッキがチャン・グレにも第15話で同じ言葉を言うシーンがあるんですが、その言葉を言わせてくださって、作家にとても感謝しています。

この台詞がなぜ一番印象に残っているかというと、この言葉は「こんにちは」「さようなら」「お疲れさまでした」みたいなありきたりな言葉ですが、そのありきたりな言葉に意味を付与することができるシーンだということ自体が、僕の心に響いた名シーンだと思います。




― 本作には様々なキャラクターが登場し、その全員にドラマがありました。多くの視聴者はそれぞれのキャラクターに自分を投影していたのではと思います。ハヌルさんは本作に登場するキャラクターの中で、どのキャラクターが印象に残っていますか?ひとつでも複数でもかまいません。

印象的なキャラクターは......劇中に登場する、僕が一番好きなカップルいます。
オ課長と部長の関係なんですが、そのふたりの関係がチャン・グレとチャン・ベッキ、ハン・ソギュルとアン・ヨニに関するエピソードよりも本当に良かったと思います。

オ課長が部長を送り出すときの視線や昔の出来事を回想するシーンや、そのふたりはすでにチャン・ベッキ、チャン・グレ、ハン・ソギュル、アン・ヨンイの時代を経て、上司として現在にいる感じではないでしょうか。その感じがドラマでとてもうまく表現されていて、そのシーンがベストシーンで、キャラクターだったと思います。




― 同期社員の4人皆さんがとても仲がよさそうでした!4人でのシーンも多かったですね。イム・シワンさん、カン・ソラさん、ピョン・ヨハンさんとの共演のご感想と撮影の合間のエピソード、また印象的なシーンがあれば教えてください。

ひとりひとりに何かを感じたというより、本当に同期のような印象を受けた気がします。皆さんとても演技が上手だったので、正直に言えば、僕はそれに乗っかった部分がありました(笑)。3人のおかげでうまく融合できた気がして、いつもありがたい気持ちだったと思います。

シワン兄さんにも、ソラさんにもヨハン兄さんにも、皆さんに感謝しています。
いつもお会いするたびに、自分が演じる役柄について忠実に準備しているということが、僕にはとてもありがたく、うれしかったです。

とにかく僕は演じていて、気分がすごく良かったんです。だって上手な方々が横にいるから(笑)。一緒に演じていて、僕もうまくやらなくちゃ!という刺激を受けたというよりは、ただ気分が良かったです。

現場では、僕とヨハン兄さんが一番楽しく過ごしていたと思います。シワン兄さんとソラさんは僕たちの話を聞いてリアクションをしてくれる立場で、僕とヨハン兄さんがいたずらばかりしていました。すごく仲よくなりましたし。もちろん、ヨハン兄さんは陽気な性格というわけではないですが、いたずらをするときは僕と息ぴったりで、そういう点でも楽な気分で過ごしました。




― カン代理役のオ・ミンソクさんとの関係がとても印象的でした。クールなカン代理と徐々に心を通わせていく部分がもどかしくもあり、ほほえましくもあり......。オ・ミンソクさんとの共演のご感想をお聞かせ下さい。また、ご共演されて印象的なシーンはどのシーンでしたか?

チャン・ベッキにとって一番大きな宿題な、他の誰でもない、少しずつ変化するカン代理との心理過程でした。台本がとても素晴らしく仕上がっていたので、何か大きな事件がぽんぽん起こるのではなく、奥深いひと言が行き来する過程で人々がそれを感じなければならないんです。微妙な感情を......。

それを表現しなければならないと同時に、1話にすべてが表現されているのではなく、数話に渡ってカン代理との関係が悪化したり良くなったりを繰り返します。だから、それを計算しなければなりませんでした。

「ここでこのくらいお見せしたら、その次にもっとお見せして......」「ここでは少し減らして......」...
そんな計算が必要だったんですが、それがチャン・ベッキにとって一番大きな宿題であり、僕がやらなければならない部分だったんですが、それでも多くの方々が良く評価してくださって、カン代理にはいつも終わると「ありがとうございます」と言っていました。本当にうまく演技をしてくださって、本当に自然に出てくる部分が多かったです。ミンソク兄さんに本当に感謝しています。

ふたりのシーンで一番印象的なのは...毎回微妙な感情ラインを生かさなければならない部分が多くて...。すべてをお話することはできませんが、ミンソク兄さんが冷たく接するときは、本当に冷たいということをたくさん感じました。「この人、本当に冷たいな」と感じたこともあります。特に、劇中の序盤でカン代理がチャン・ベッキに冷たく接するシーンは、本当に冷たかったんですよ...!(笑)




― 撮影中、共演者の方と演技について意見を交わされましたか?また、休憩時間など共演者の方とどのように過ごされていましたか?

多くの俳優の方々がそうだと思います。休憩時間に集まって、演技について話すことはほとんどありません。ただ、普通の話をします(笑)。

飲み会で僕が一番避けるのが、演技に関する話です。ヨハン兄さんも同様だったので、ふたりで飲みに行くときは面白い話だけします。楽しくなろうとお酒を飲むタイプなので、深刻な演技の話はしません。ヨハン兄さんとは、そういう部分でもよく合っていたと思います。


― 同期4人がそれぞれ影響を与え合いながら成長していくというのも大きな魅力です。ハヌルさん自身にもそういった方たちがいますか?

います。僕にとっては、大学の同級生たちがそういう存在です。

インタビューでも何度か話したことがある友だちなんですが、演技者です。まだ大きな作品に出演したことはないんですが、ずっと演技をし続けてきた友だちで、僕がもっと一生懸命やって、もっと成長して、その友だちの力になれる人になることが、まずはその友だちにやりたい目標です。友だちに、叶えたい目標だと言えます。少しでもその友だちの力になれることは、やります。すごく大切な友だちなんです。




― いろいろなタイプの上司が登場しますが、ハヌルさんから見て理想の上司は誰でしょうか?

僕に必要な上司は、カン代理です。僕は、ひとつひとつすべて教えてくれる上司とはあまり合わないと思います。カン代理みたいに、僕がやってみて間違った方向に進み始めたとき、それを正しい道に進めるように軽くすっと直してくれる人が必要です。

僕はひとりで失敗して、ぶつかってみてこそ気付く性格なので......。
カン代理のような人が、一番僕に必要な上司だと思います。


― カン・ソラさん演じるアン・ヨンイとは同期というだけでなく、それ以上の思いを少し感じさせるような場面もあったように感じました。ふたりの関係はどのように解釈して演じられましたか?


このふたりの関係については、入社同期として初めは同質感、同じ部類の人かな......と感じていて、後半部になるにつれてチャン・ベッキの外側にある鎧が崩れ始めながら、内側にあるものを埋めながら人と人として接するようになります。

それはある意味では好意ですが、普通でも男性社員と女性社員が仲よく過ごすことも多いですよね。そういうふうに見えようと努力しました。そうじゃないですか?現実でも男性と女性が友だちとして付き合っていて、たまには「もし付き合ったら?」と頭の中で考えてみませんか?そういう感情は、異性同士ならいつも持っている感情なので、そう思うんです。わざわざ恋愛感情がない関係だと表現するというよりは......。

「ふたりの関係は、お互いに親しくしている関係だ」くらいの表現で、多くの方々が気になるような関係としてのみ維持されるのが面白いんじゃないかなと思います。

なので...ご想像にお任せします、という感じでしょうか?(笑)




<第2回へつづきます>


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「ミセン-未生-」DVD情報





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セル発売・販売元:エスピーオー
c CJ E&M Corporation,all rights reserved.

カン・ハヌル撮り下ろし写真:Kim Da Un(studio zip)

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