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【インタビュー】「ミセン」イム・シワン 「あぁ...狂った人たちだ」 #2




★★今までの「インタビュー(韓国)」はこちら★★



本日2月22日より、Dlifeで放送スタートとなる「ミセンー未生ー」。

韓国でも社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを起こし、韓国だけでなくアジアのドラマ賞を軒並み受賞した本作。日本でも、東京ドラマアウォード2015で海外作品特別賞を受賞、リメイク作品(『HOPE?期待ゼロの新入社員?』 )まで制作されました。

今回は、Dlifeでの放送に併せ、主演のイム・シワンさんのロングインタビューを掲載!
あの名シーンの裏側や、俳優イム・シワンさんにとって「ミセン―未生―」がどのような影響を及ぼしたのか、など深いところまでお話しをお伺いしているので、これからご覧になる方はもちろん、「ミセン」ファン、イム・シワンファンの方にも超必読です。

※まだドラマをご覧になっていない方は、#2に一部ネタバレの箇所があります。ご注意ください。
※インタビューは2015年に実施されたものです。

#1:2017.2.21更新
#2:2017.2.22更新<一部ネタバレがあります>
#3:2017.2.23更新

★「ミセン-未生-」公式サイトはこちら
★Dlife「ミセン-未生-」作品ページはこちら 

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― 営業3課のメンバーでは、キム・デミョンさん演じるキム代理はとてもアドリブが多かった、とお伺いしました。

アドリブはたくさんされていましたね。準備もたくさんして来られますし...(笑)。
でも、デミョン兄さんが、アドリブをたくさん織り交ぜてくれる事で、脚本のまま自分の中で決め込んでいたチャン・グレというキャラクターを思いっきりゆさぶってくれたんだと思います。そのおかげで、より生き生きとしたキャラクターを作ることができたと思います。

とても印象に残っている事があって。
休憩室の自販機のシーンで、「私はアメリカーノ、課長は何にしますか?」アメリカーノのボタンをピッと押して「品切れです。」とでる。

これもリハーサルしながら私も思いついてポンとアドリブを投げて。ある瞬間にこれがピッタリ合ってくるんです。現場で作られる事がほとんど大部分でした。




― 台本には無かったのに、リハーサルで呼吸を合わせたと言う事ですか?


はい。台本には無い...私たちは台本に無い事が本当に多いんです。デミョン兄さんと一緒にやりながら台本に無い台詞をとてもたくさんいいましたね。


― 他にはどんな印象的な事がありましたか?

あの香水のやり取りもそうでしたし...本当に有名な香水のイタズラ(※)...。(笑)

他に私たちのアドリブで何があったっけ?キム代理とやった部分はほとんど台本通りに行かなかったと見ていただいて良いと思います。台本にアドリブで肉付けをしたと思ってくだされば良いです。

キム代理とチャン.グレが一緒に撮ったシーンはほとんどがアドリブなんです。

※ドラマの中でキム代理がよくやるコミカルなやり取り。「新しい香水を買ったんだ」とキム代理が手首を相手の顔の前に出し、相手が香りを嗅ごうとするとそのままおでこを小突く。




― シワンさんもアドリブはされましたか?

たくさんアドリブしましたよ...逆に台本通りにやったのはありませんでした。少なくともデミョン兄さんと一緒に撮ったシーンでは確実に(笑)。デミョン兄さん自体が台本にある物を出して来ないので、それに合わせて私が平行にやらざるをえないんです。そんな事がとてもたくさんありました。



*つぎのページより、ドラマの展開に触れている部分がございます。ドラマを未見の方はご注意ください*




*このページには、ドラマの展開に触れている部分がございます。ドラマを未見の方はご注意ください*


― 入社試験でのプレゼンも忘れてはならない名場面の一つですが、以前インタビューで撮る前の緊張感など、とても辛かったとお聞きしました。

プレゼンは、ハン・ソンニュルを演じたピョン・ヨハン兄さんと私で本当に沢山準備をしました。ドラマの序盤でしたし台詞もとても長くて...しかも専門用語も多かったですし...。

思いだすのは、ヨハン兄さんと私が練習室で、明け方に撮影が終わってから2人で会って台詞を合わせてみたり、覚えたりした事ですね。個人的にデミョン兄さんを捕まえて、どうしたら良いのか聞いてみたりもしましたよ。「一度やって見るから聞いて下さい」とお願いしたりも。そうしながら無事撮影できたシーンだったと思います。

あのシーンについてとても挑戦的だったと思う事は、70分の放送時間のうち、40分がプレゼンのエピソードだったんです。

普通のドラマだったらプレゼンは、こんな風だった!それで結果はこうなりました!って省略して見せてしまうと思うのですが、準備する過程からプレゼンする過程まで全て映しましたよね。ドラマとして考えても、とても大きな挑戦をしたと思いましたし、画期的だったと思います。




― 監督からプレゼンシーンを撮影する時に、なにか指示された部分はありましたか?

あのシーンついて監督は、「やりたい通りにやってみろ」と私に任せてくださいましたね。



― ITチームのパク代理とのエピソードもとても感動的でした。あのシーンのエピソードを教えていただけますか?パク代理を演じたチェ・グィファさんとの共演など。

チェ・グィファ先輩と一緒に撮影したシーンは、時間の無いスケジュールの中で撮影したんです。でも、そんなつらい中でも撮影の間をぬって私とお話して下さいました。

ドラマでは、あのエピソードで初めてグレが誰かの力になれる存在になりましたよね。そういう意味では意義深いエピソードだったと思います。

すが、6話でのもう一つのポイントは、卑しい手はわざと使ってはいけない、誰しも自分だけの囲碁があるので、その自分だけの囲碁を私が評価し、判断し手を下してはいけないのだ、という事をグレが考えるエピソードでした。

そのエピソードも本当重要で、また上手く映し出されましたし。CGを見る楽しさを感じる回でした。チェ・グィファ先輩もそのエピソードを終えてインタビューをうけて下さったのですが、その時私について良いお話を沢山して下さって。本当に感謝しています。

この作品で出会う方々がすべて良かったのだと思います。とても温かい方たちが多かったです。それで監督がこの作品を作り上げる際に、心の温かい方に多くの重点を置かれたのだと思います。





― 物語の中盤で起こるパク課長の不正は、ドラマの中でもとても大きな事件です。
インパクト大のパク課長を演じたキム・ヒウォンさんとの共演はどうでしたか?


初めにパク課長(=キム・ヒウォンさん)に会った時は怖くて話しかける事もできませんでした(笑)。

最初に「怖い」という先入観があって話かけられなかったんですが、何日も経たないうちにパク課長と我々営業3課がとても親しくなったんです。食事も一緒にしたり、パク課長はお酒は飲めない方なのでコーヒー飲みにいったり。




― 自分を庇ってくれる母親への負い目を感じているグレが、母の本当の想いを知り「私は母の誇りだ!」と自信を取り戻すシーンは放送時、多くの視聴者から共感を得たと評判でした。あのシーンは、どの様に撮影に臨まれましたか?

私とグレが共感しあえる部分がたくさんあったシーンでした。

私自身は、家ではいつも母にとって常に良い子でまっすぐな子だったんです。そんな私のことを母親が、他の母親たちや保育園に行った時にとても自慢する人だったんです。私が、幼いにもかかわらずその話を聞いた時恥ずかしくなるくらいに(笑)。

撮影する時に、そんな思い出をオーバーラップしながら演じました。誰でも、家族にとってはどんな子供でも大切だとよく言いますよね。そんなところに、私だけではなく視聴者のみなさんにも共感していただけたようです。




― 物語の後半の名場面のひとつに、グレが、グレを敵視するチャン・ベッキと市場でお酒を飲みながら靴下やパンツを売るエピソードがありますが、演技に没入する為に本当にお酒を飲んで演技したと聞きましたが。

本当にお酒を飲みながら撮影しました。監督が先に提案なさったんです。「酒を飲んでやってみようか?」と。
(チャン・ベッキを演じた)ハヌルや私は酒好きなので...(笑)





― シワンさんはお酒は強いんですか?


たくさんは飲みません。一度にたくさんは飲まず、チョビチョビと飲むタイプです。

このシーンでは、この際飲んだら現実みもおびるだろうし「よしっ!やってみる」と監督に言いました。多分監督の計算では、シラフでやるより酒に酔った姿の方がより身体を柔軟に作れると判断されたんだと思います。結果的にはシラフの時より身体が柔らかくなった様にも感じられます。

このシーンも、アドリブがとてもたくさん入ってるんです。文字通り台本は基本的な枠でしかなくて、そこに沢山肉付けをしたんですが、その肉もリハーサルをしながら、撮影しながら監督もたくさん追加して下さいました。

そうしながら撮影した部分なんです。
「私どもは押し売りはしません。」「いちど匂いをかいでみます。」「パンツと靴下が匂わなければ帰って結構です」という台詞は、実は台本にはまったく無い言葉です。全てアドリブだったんです。
台本に書いてあった台詞は、「これを合わせて1万ウォン」「ご覧ください!頼もしいおともですよ~」「常備しておけば頼もしいな~良かった~とおっしゃるでしょう~」これくらいが全てだったんです。

グレに対して、この他の部分は全てアドリブで作られてたんです。なので私にとって演技的な部分で新たに試みたそんなシーンでした。価値のある経験でしたし、良かったです。



― オ課長から贈られるクリスマスカードのシーンもとても感動的でしたが、その時の撮影現場の様子を教えてください。

あのシーンは、過ぎ去った様々な事が走馬灯の様に全部よみがえってくる感じをうけました。そして今までしてきた仕事が決して無駄ではなかったという思いを感じていました。

疎外され、一生懸命努力しても誰も認めてくれなくて、この社会で必要の無い人間に思えて来たけれど、振り返ってみたら結局はその過程が無駄ではなかったと感じました。その上ナレーションがまた良かったんです。




― 「ミセン-未生-」の象徴的なシーンで、屋上でオ課長がグレに"未生と完生"と囲碁用語を使って「おれたちはまだ未生(弱い石)だ」と話をするシーンがありますね。演じていてどのように感じましたか

成功に向かって、もう一つの扉を開いた様な感じ...。
キム代理がグレに話していた言葉だったと思いますが(「俺たちは成功とか失敗ではなく、死ぬまで扉を開け続けていくんだと思う。」)、終わりの無い扉をずっと開いて行くだけの過程のようにも思えますし...。
"完生"と言う単語は、存在するのが容易ではない単語だと思います。





― 「ミセン-未生-」ではナレーションもとても素晴らしく心に残るものが多くありました。どんなナレーションが一番印象に残っていますか?


クリスマスカードを屋上で読むシーンで出てくる「ずっと酔っていよう」が最高だったと思います。そのシーンの歌や言葉が上手く調和していて、とても素晴らしいシーンができたと思います。

簡単にあの言葉の要点を言うのなら、「常に酔いしれなければならない」と言う事なんですけれど。
ただそれが「私にとって何に酔えば良いのか?」と言う疑問を投げたようにも考えられますし、酔っていなければならないと言う事は「常にためらわずに、緊張し、何かに向かって進んでいく為に途切れる事なく自身を鞭打たなければならない」というメッセージにも取れます。

いろいろと含まれた言葉なので、私にとってたくさん考える事の出来たシーンだったと思います。





― グレにとってオ課長が人生のメンターとなっていきますが、特にそう思えるシーンはどこだと思いますか?


そう思えるようなシーンはドラマを通じたくさんあります。
ただ、その中でも特に印象に残っているのは、物語の後半の回で、オ課長がグレを正社員にするため無理をするのを、グレが止めようと「どうか正当で無いと判断できる仕事をなさらないで下さい」とお願いをするんです。
屋上でしぶとくお願するんです。「私の為と思ってなさるのならどうかやめて下さい」と。

オ課長がグレをどれくらい大切に思っているのかを知っているので、グレが絶対に話さなければならない、そんなシーンだったと思います。そのシーンが、グレがいかにオ課長を大切に感じているかが端的にでる場面ではないかと思います。




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「ミセン-未生-」予告編





「ミセン-未生-」DVD情報

DVD-BOX1&2 発売中
価格:各12,500円+税
発売・販売元:エスピーオー

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