Cinem@rt エスピーオーが運営するアジアカルチャーメディア

連載

【きゅんとあじあ】 第16回東京フィルメックス 台湾映画『酔生夢死』Q&A (動画あり)

11/21に行われたばかりの台湾金馬奨にて、主演のリー・ホンチー(李鴻其)が新人賞と主演男優賞にダブルノミネートされ、見事、最優秀新人賞に輝いた本作。
先程、そのリー・ホンチーが登壇してのQ&Aが行われました。今回はいち早く動画でお届けいたします!

チャン・ツォーチ(張作驥)監督の最新作である本作は、台湾金馬奨にて、リー・ホンチーの受賞のみならず、計4部門受賞(最優秀助演女優賞、新人賞、編集賞、音楽賞)となり、最多5部門受賞となった侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作『黒衣の刺客』を脅かした作品。
⇒金馬奨 受賞結果一覧記事はこちら

夏に行われた台北電影節においては、媒体推薦賞、助演女優賞、助演男優賞、主演男優賞、長編映画賞、グランプリの6冠に輝くという、圧倒的に評価された作品です。
⇒台北電影説 授賞式記事はこちら



酒に酔わずにはいられない母親と主人公である次男のやり取りで始まる本作は、ねじれた時系列の中で、手持ちのカメラが微かに揺れながら登場人物たちを追い、アリや瀕死のドブネズミや魚の死骸が象徴するような、社会の底辺に蠢く人々を描いてゆきます。

かつての苦境を乗り越え、娯楽作品や青春映画が主流となった台湾映画界において、出演者の知名度という先入観はむしろ邪魔だと言わんばかりに無名の役者を起用し、監督の視点に重きをおいた作家性の強い作品がまだこうして存在していることに感慨を覚えながら、そういえばこんな気持ちにさせる作品があったな、そうそう例えば、『きらめきの季節/美麗時光』とか......と思ったら、この作品もチャン・ツォーチ(張作驥)でしたね。まさに、これぞチャン・ツォーチといえる映画です。まだ11/28(土)の21:15からの上映がありますよ!

2ページ目へ続く



Q&Aでは、リー・ホンチーが、作品の理解をより深めてくれるような非常に興味深い返答をしていています。特にタイトルの解説。ちょっと彼とお話してみたいと思ってしまいました。
こちらの動画で是非ご確認ください!(文:村野奈穂美)






(映像約18分)
※手持ちカメラでの撮影のため、映像に一部乱れがございます。





酔生夢死 [酔、生夢死/Thanatos, Drunk]
監督:チャン・ツォーチ(張作驥)
出演:リー・ホンチー(李鴻其)、チョン・レンシュオ(鄭人碩)、ホァン・シャンハー(黄尚禾)、ルゥ・シュエフォン(呂雪鳳)、ワン・チンティン(王靖?)
[2015/台湾/107分]
監督が得意とする台北の裏社会を舞台とする群像ドラマ。社会の周縁でもがく若者たちを時にバイオレントに、時にリリカルに描く。

記事の更新情報を
Twitter、Facebookでお届け!

TOP