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インド発、伝説級ゴーストホラー『霊の還るところ』日本初上映


『霊の還るところ』 ©︎B Studios

インド映画の配給会社、SPACEBOXが主催するインド映画の特集上映「インディアンムービーウィーク2026」(主催=SPACEBOX)にて、ゴーストホラー作品『霊の還るところ』が日本初上映されます。本作はインド・タミル語映画界の鬼才、ミシュキン監督による2014年公開作で、タミル・ニューウェーブの旗手として知られるバーラー監督がプロデュースしたヒット作。ニューウェーブの旗手×カルト級の鬼才監督という強力なタッグにより世に送り出され、低予算かつ大規模プロモーションなく公開された中、製作費の4倍以上の興収を記録し話題となった、伝説級のゴーストホラーです。
本作は5月22日(金)より、キネカ大森で開催の「インディアンムービーウィーク2026パート2」、ミッドランドシネマ名古屋空港で開催の「インディアンムービーウィーク」にて初上映されるほか、近畿エリアでは、塚口サンサン劇場にて上映が予定されています。

〈初上映作品〉『霊の還るところ』

正義感の強い青年シッダルトは、ひき逃げ事件に遭遇し、被害者の若い女性を救護するが、その甲斐もなく女性は絶命する。それ以降、彼の住むフラットで怪異が続けざまに起こるようになる。

日本では演技者として名前が知られるミシュキンが監督した、情念の闇と切ない涙に彩られたエモーショナルなホラー。
タミル語映画界で2000年代中盤から起こった新感覚映画の潮流「タミル・ニューウェーブ」。その先駆的な存在であるバーラー監督がプロデュースし、同潮流を代表する映像作家ミシュキンが監督を務めた。本作はインドで製作費の4倍の興収を記録し、話題となった。トニー・リャン(『イップ・マン 序章』)がアクション振付を担当している。


『霊の還るところ』 ©︎B Studios

原題:Pisaasu
監督:ミシュキン
出演:ナーガー、ラーダー・ラヴィ、プラヤーガー・マールティン、ハリーシュ・ウッタマン、カニ・クスルティ
インド/タミル語/2014年/107分/G
©︎B Studios

≪作品解説≫

タミル語映画界で2000年代中盤から起こった、新感覚映画の潮流「タミル・ニューウェーブ」。その代表的な映像作家の一人がミシュキン監督だ。本作で主演を務めたのは、ミシュキンのアシスタントだった新人俳優のナーガー。事故死した女性の父を演じたラーダー・ラヴィ(『ムトゥ踊るマハラジャ』)を除くと、出演者は映画デビューからまもない俳優ばかり。音楽監督も新人で、製作費は約2千万ルピー(2026年4月時点の為替レートで約3430万円)の低予算と、セールスポイントが少ない作品ではあったにもかかわらず、公開後は製作費の約4倍の興行収入を記録するヒットとなった。プロデュースを手がけたバーラーは、監督作『セードゥ』(1999年)を大ヒットさせ、タミル・ニューウェーブの先駆的な存在として知られる。タミル語映画界の注目すべき映像作家であるバーラーとミシュキンが組んだ本作は、観客を恐怖に陥れるのではなく、事故で命を奪われた若い女性の念と、喪失感に苛まれる彼女の父の慟哭がキーとなる、文学的な余韻を湛えたホラー作品である。ミシュキン監督の前作『狼と子羊の夜』(2013年)が特集上映「インディアンムービーウィーク 2023」(2023年12月から2024年1月に開催/ 主催:SPACEBOX)にて上映された際はクチコミを通じて多くの観客を集め、観客のニーズがメインストリーム系の大作だけではないことがうかがわれた。本作の緊張に満ちた映像表現は、スクリーンで鑑賞してこそ魅力が倍増する。ミシュキン監督の代表作として知られ、批評家からも高く評価された本作の日本語字幕版上映は、多くの映画ファンに歓迎される機会となるだろう。

ミシュキン プロフィール

1971年生まれ、タミルナードゥ州マドラス(現チェンナイ)に生まれる。本名はシャンムガ・ラージャー。ペンネームはドストエフスキーの『白痴』の主人公ムイシュキンから採られた。ヴィンセント・セルヴァ監督のもとで助手をつとめたのち、2006年に『Chithiram Pesuthadi』(未)でデビューし、高い評価を受ける。以降、批評家からは常に注目を浴びつつも、一貫してスター不在のネオ・ノワール系低予算作品を作り続けている。長回し、暗い情念の世界の描写、社会の周辺・底辺にいる人々への執着など、ユニークな作風を保持し、タミル語のニューウェーブ監督たちの中でも、最も作家らしい作家。職業俳優にオファーしても受け入れられないようなキャラクターを主人公に据えることが多く、やむなく自分が主演しているうちに、他の監督の作品でも悪役などを演じるようになった。仄暗い夜の情景を美しく印象的に撮ることでも出色。黒澤明と北野武を崇拝しているといわれ、東アジア全般の映画に関して強い関心を持つ。商業主義映画を批判する数々の発言でも有名。自作で作詞・作曲や歌唱を担当することもあり、また実弟であるアーディティヤ監督の『Devil』(2024・未)では音楽監督を務めた。日本でこれまでに紹介された監督作品には『狼と子羊の夜』(2013)がある。出演作品は同作のほかに『伝説の勇者 マーヴィーラン』(2023)、『レオ:ブラッディ・スウィート』(2023)がある。


『霊の還るところ』 ©︎B Studios


『霊の還るところ』 ©︎B Studios


『霊の還るところ』 ©︎B Studios

 

【開催日程・上映劇場・チケット料金】
1) インディアンムービーウィーク2026 パート2 @キネカ大森
開催期間:5月22日(金)から6月11日(木)開催
上映作品:『霊の還るところ』(初上映)、『ピザ 死霊館へのデリバリー』『お気楽探偵アトレヤ』『ジャパン・ロボット』『ツーリストファミリー』(再上映)計5作品を上映
キネカ大森チケット料金:一般2000円/TCG会員1400円(火・木1200円)

2) インディアンムービーウィーク @ ミッドランドシネマ名古屋空港
『霊の還るところ』5月22日(金)から5月28日(木)1週間限定上映
ミッドランドシネマ名古屋空港チケット料金:劇場通常料金

3) 兵庫県 塚口サンサン劇場
近日上映


【インディアンムービーウィーク(IMW)とは】
インド映画に特化した映画配給会社SPACEBOXがセレクトした作品を、日本語字幕付きで上映する特集企画です。映画大国として知られるインドから日本未公開作品を中心に紹介し、インド映画の多様性を味わえる企画を組んでいます。2019年に第1回を開催し、2026年は10年目を迎えました。

【主催】SPACEBOX
【公式サイト】https://imwjapan.com/
【SNSアカウント】X: @ImwJapan

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