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最新台湾ドラマ|Netflixドラマ「忘れても、憶えてる(忘了我記得)」記者会見、キャストが撮影秘話を明かす

ニュース提供元:Netflix


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Netflixのオリジナル華語ドラマ「忘れても、憶えてる(原題:忘了我記得)」のオンライン記者会見が20日に行われ、主要キャストが初めて一堂に会した。登壇者は脚本・監督のレネ・リウ(劉若英)、プロデューサーのリー・ヤオホワ(李耀華)をはじめ、キャストのシエ・インシュエン(謝盈萱)、チン・ハン(秦漢)、ウォレス・フォ(霍建華)、トレイシー・チョウ(周采詩)、エスター・リウ(劉品言)ら。それぞれ作品に対する思いや撮影エピソードを語った。

壇上には、主人公・程光齊の自宅の家具がセッティングされており、程光齊役のチン・ハンは「皆さん、私の家にようこそ」と愛嬌たっぷりに挨拶。レネ・リウは程光齊のキャスティングについて、チン・ハンがぴったりだったと語る。「チン・ハンさんとウォレス・フォさんの出演にこだわった理由は何なのか改めて考えてみました。お二人とも自分がかっこいいと言ってほしくないと思われている点が理由の一つなので、本作では彼らの演技力もご覧いただきたいです」と太鼓判を押した。特にチン・ハンに関しては、身なりが乱れた程光齊という役どころを演じるにあたり、スタッフが俳優イメージへの影響を懸念するほどだったが、チン・ハン自身が直す必要はないと役者魂を貫き、これまでのダンディな印象を覆すほどの仕上がりになったという。


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ベテラン俳優のチン・ハンは「程光齊には大した能力も才能もありませんが、食べるには困らない、娘を愛する父親で善人です。監督が平凡な父親を演じる機会をくださって嬉しい」と語った。「ずっとイケオジ路線だったのに、平凡になりたかったのですか?」と司会者に尋ねられると、「男性にはかっこいいではなく、深みがあると言ってほしい。それが、より好きな褒め言葉です」と笑顔で応酬。実生活ではどんな父親、祖父かとの質問には、父親として失格だとした上で、「どうすれば父親らしくなれるのか、全くわからないんです。人の人生に枷をはめたくないですし、彼らには伸び伸びと本来の資質を発揮してほしい。私には子どもがこうあるべきだと決められないし、私自身も他人にこうあるべきだと決めつけられたくありません。監督以外はね」と茶目っ気たっぷりに答え、皆を笑わせた。

24年ぶりに台湾ドラマ界に復帰したチン・ハンは、「今回は大袈裟な演技はいりませんでした。たくさんのセリフを暗記しなければならないのは苦痛ですが、本作はあまり暗記する必要がなかったんです。監督はセリフをはっきりと正確に話すことは求めず、もごもごと元気なく話してもいいし、時には自分がセリフを足してもいい。リアルな人生とはまさにこういうものなので、素晴らしい経験だったと思います」と、生活感を重視した作風と撮影環境を称賛した。


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一方、娘の樂樂役のシエ・インシュエンは、40代の役を演じ慣れているはずの彼女にとっても大きなチャレンジであり、葛藤があったと明かす。「私個人の視点では、程光齊は可愛いらしい父親に見えますが、娘の樂樂の視点では、成長しない父親の重荷をどう背負うべきなのか考えます。こうした問題は、女性に限らず同じ状況にある男性もたくさんいると思います」と説明した。実生活では、人見知りが激しく、打ち解けるのに時間がかかるタイプだというシエ・インシュエン。夫役のウォレス・フォとは口論シーンが多いため、当初は緊張したり不安になったりしたが、「ウォレスさんは誰とでも気軽におしゃべりできるんです。『真面目に話してるんですか?』と聞いたら、『うん、みんなに興味があるから』と言われました」と、打ち解けるまでの微笑ましいエピソードを明かした。


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「華燈初上 -夜を生きる女たち-」ぶりの台湾ドラマ出演となるウォレス・フォにとって、今回のオファーは意外なサプライズだったそう。当初は単なるシンボル的な夫役として出番も多くないだろうと思っていたが、実際の脚本には夫婦間のセンシティブな諍いが描かれており、感情的にも重い役どころだと知り、少し後悔していると冗談めかしつつも、チャレンジングな役なので参加できて光栄だと語った。シエ・インシュエンについては、「本作で初めてお会いしたので、短期間で演技を合わせるのに苦労しました。彼女は内向的なタイプなので、男性側が積極的に笑わせたり、おしゃべりしたりした方がいいと思います」と、シエ・インシュエンへの向き合い方を説明。しかし、難易度の高い樂樂役はシエ・インシュエン以外には演じられなかったと手放しで称賛し、レネ・リウへ送った撮影終了後のお礼のメッセージにもシエ・インシュエンに言及したことを明かした。


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樂樂の親友役を演じるエスター・リウとトレイシー・チョウも、撮影前に行った1泊2日の親睦旅行で発覚したシエ・インシュエンの人見知りぶりを証言。シエ・インシュエンは一階のベッドに一人で寝たがり、残された二人は2階で一緒に寝たという。これについてシエ・インシュエンは「よく知らない人と48時間も一緒にいるなんて冗談じゃありません。二人への質問リストも準備していたけれど、30分で聞き終わるとは思いもしませんでした」と反論。しかし結果的には、一緒に温泉に入ってシートマスクをしたり、スナックをつまみながらゴシップに花を咲かせたりするうちに、本当の姉妹のように打ち解けたそう。エスター・リウは「インシュエンの人見知りを48時間で打破しました」と、にっこり笑顔を見せた。


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これまで多くの自立した女性を演じてきたエスター・リウは、これまでと一味違った一面を見せるという。「台本に描かれた、自立心旺盛なこのキャラクターは、仕事で多忙な多くの女性にどこか似ていると思います。一見華やかに見えても、家に帰ると話す相手は自分、カーテン、テレビだけ。気ままで自分の面倒を見られれば満足ですが、その孤独感は共感してもらえるはずです」と自身の役について説明した。トレイシー・チョウは、「皆さんの周りにも、きっと専業主婦の方がいらっしゃると思います。子どもが寝たら休めると思われているかもしれませんが、実際はトイレに行く時間さえありません。いろんなことが後回しにされ、生活の中心は子どもです。母親は、自分と子どものニーズのバランスを取るために、一生懸命働かなければいけないんです」と、理解されづらい専業主婦の苦労に言及した。


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ある程度の年齢になり、ふと親を見ると以前とは変わった姿に気づくが、その変化は誰しも同じこと。心に深く根付いた「記憶」を巡り、人生の岐路や無常感への向き合い方を繊細に描く。ハートウォーミングなホームドラマ「忘れても、憶えてる」は、本日5月23日からNetflixで全世界独占配信。


「忘れても、憶えてる」あらすじ

スタンダップコメディアンへの夢を抱きながらも、コンビニで働く平凡な日々に鬱々とする程樂樂(シエ・インシュエン)。やがて夫の張凱(ウォレス・フォ)との結婚生活、父親(チン・ハン)の生活上の問題など、予想外の試練に次々と直面する。しかし、この一連の出来事が、自身と向き合う勇気を与え、父や愛する人、友人との関係を見つめ直し、やり直すきっかけとなる。


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翻訳・編集:二瓶里美
編集者、ライター。2014年より台湾在住。中華圏のエンターテインメント誌、旅行情報誌、中国語教材などの執筆・編集に携わる。2020年5月、張克柔(字幕翻訳家・通訳者)との共著『日本人が知りたい台湾人の当たり前 台湾華語リーディング』(三修社)を上梓。

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