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ロウ・イエ監督『シャドウプレイ 【完全版】』メイキング映像公開


第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品された、ロウ・イエ監督作品『シャドウプレイ【完全版】』が、1月20日(金)より新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺他にて全国順次公開され、同日、ロウ・イエ監督夫人のマー・インリーが『シャドウプレイ』の裏側を撮ったメイキング映画『夢の裏側』も公開される。

今回『シャドウプレイ【完全版】』から、罠に嵌められても、なお真実を追う若き刑事役、主演のジン・ボーランのメイキング映像が公開された。この映像は、メイキング映画『夢の裏側』の本編映像の公開でもある。

『シャドウプレイ【完全版】』場面写真1
©DREAM FACTORY, Travis Wei

『モンスター・ハント』『クライマーズ』等で、日本でもファンの多い中国の若手スター、ジン・ボーラン(井柏然)。今回はロウ・イエ監督のリアルさを追求したフィクションの中で、今まで以上に色気とかっこよさを合わせ持つ大人の俳優としての輝きを増している。

「最初は長回しで撮るから、慣れなかった」と語る彼は、「とにかくアクションがきつくて、身体がついていかない。初めの頃は撮り終わるといつも、吐き気やめまいがした。撮影の翌日は、1日中寝ていた」と笑いながらインタビューに答えている。確かに映像では、冼(シエン)村の路地、広州の街中でドローンカメラ、ジェイク・ボロックの手持ちカメラ、レールを引いた上に設置されたカメラなどが、彼の姿を追いかけている。ジェイクが撮影前に「走る。ひたすら走る」と説明しているように、ジン・ボーランは“ひたすら走って”いるのだ。ロウ・イエ監督の指示で、皮膚の表情の変化が見える程度の量でしかメイクをしていないため、彼のリアルな感情がより伝わってくる。

1989年という奇しくも天安門事件が起こった年から、激変する中国の30年間を、香港、台湾との離れがたい関係と、ある家族の姿を通して描くネオノワール・サスペンス。

『シャドウプレイ【完全版】』場面写真2
©DREAM FACTORY, Travis Wei

出演者は、ジン・ボーランの他、野心家の不動産会社社長ジャンに、ロウ・イエ組常連のチン・ハオ(秦昊)。市の開発責任者タンに、チャン・ソンウェン(張頌文)。その妻で精神を病んだことがあるリンに、『SHOCK WAVE ショック・ウェイブ 爆弾処理班』のソン・ジア(宋佳)。タンとリンの娘ヌオ役で、『ソウルメイト 七月と安生』のマー・スーチュン(馬思純)。チャンのビジネス・パートナーで台湾人アユン役、『あの頃、君を追いかけた』のミシェル・チェン(陳妍希等が出演。

同日公開される『夢の裏側』は、ロウ・イエ監督のパートナーで脚本家として『天安門、恋人たち』(共同脚本)『ブラインド・マッサージ』(脚本)のマー・インリー(馬英力)が監督を務めた。ロウ・イエ監督作品がいかにして作られるのか『シャドウプレイ』の中国公開まで、制作の詳細を撮り切っている。   

『シャドウプレイ【完全版】』場面写真3

『シャドウプレイ【完全版】』場面写真4

『シャドウプレイ【完全版】』場面写真5

『シャドウプレイ【完全版】』場面写真6
©DREAM FACTORY, Travis Wei

『シャドウプレイ【完全版】』
「シャドウプレイ」キービジュアル

2023年1月20日(金) 新宿K‘s cinema、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺他 全国順次公開

『シャドウプレイ【完全版】』
監督:ロウ・イエ(婁燁)
出演:ジン・ボーラン(井柏然)、ソン・ジア(宋佳)、チン・ハオ(秦昊)、マー・スーチュン(馬思純)、チャン・ソンウェン(張頌文)、ミシェル・チェン(陳妍希)、エディソン・チャン(陳冠希)
2018年/中国/129分/北京語・広東語・台湾語/DCP/1.85:1
©DREAM FACTORY, Travis Wei


同時期上映『夢の裏側』
『シャドウプレイ』のメイキングフィルム。今まで明かされることのなかった、ロウ・イエ監督の映画制作の裏側、そして映画が完成してから2年近くの審査期間を要した本作の公開前日の記者会見の様子などが収められている。

監督:マー・インリー(馬英力)
出演:ロウ・イエ(婁燁)、ジン・ボーラン(井柏然)、ソン・ジア(宋佳)、チン・ハオ(秦昊)、マー・スーチュン(馬思純)、チャン・ソンウェン(張頌文)、ミシェル・チェン(陳妍希)ほか
2019年/中国/94分/北京語・広東語・台湾語/DCP/1.77:1
©DREAM FACTORY Limited(Hong Koing)

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