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【インタビュー】「茶金」リエン・ユーハン(連兪涵) “泣くよりも真正面から闘う”

圧巻の台湾エミー賞史上最多16ノミネート! すべてが美しいと称賛された芳醇な時代ロマンス「茶金 ゴールドリーフ(以下、茶金)」。本作で父が営む日光有限会社の存続をかけて貿易商戦の世界に飛び込む一人娘・張薏心(チャン・イーシン)を演じたリエン・ユーハン(連兪涵)さんに本作についてお話を聞きました。


  リエン・ユーハンのアーティスト写真1
リエン・ユーハンさん

― 「茶金」のどんなところに魅力を感じ、出演を決めましたか?

リエン・ユーハン 客家語のドラマにチャレンジしてみたかったからです。特に海陸腔(※)のドラマのオファーを頂いたのが初めてで、難しいと分かっていましたが、挑戦したいと思いオファーを受けました。

※客家語にはいくつか種類があり、「海陸腔」はその一つ。「茶金」は海陸腔が使われた初めての台湾ドラマ。


― 本作でヒロイン・張薏心(チャン・イーシン)を演じられましたが、どんな事前準備をしましたか?

リエン・ユーハン 張薏心はできるけど私はできないことを、短い期間で集中してアドレナリンを出して、自分にできる最大の力を出し切って勉強し、このキャラクターの環境や背景に近づくようにしました。例えば客家語、台湾語、ピアノとか……。

ピアノの前に座る張薏心と張福吉
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

― 演出家や脚本家とはどのようなコミュニケーションを取っていましたか?

リエン・ユーハン 撮影するシーンや撮影済みのシーンでお互いに調整していき、一緒にキャラクターを作り上げていった感じでした。


― 演じられた張薏心という人物をどのように解釈して演じましたか? 演じる上で大切にした点や、特に意識した点があれば教えてください。

リエン・ユーハン 張薏心は簡単には折れず、他人が何を言っても目指す方向に向かって自分の道を歩む人だと思います。このキャラクターを演じるときに、あえて泣くシーンを少なくしました。彼女は劇中で様々な出来事と災難に見舞われますが、泣くよりも真正面から闘いますし、彼女の性格なら泣くことに時間を使わないと思うから。彼女の涙は心の中に隠されていて、抑えられていると思います。


― リエン・ユーハンさんと演じられた張薏心の、似ている点・似ていない点はどんなところですか?

リエン・ユーハン 似ている点は、何かが起きた時どうやって解決するかを全力で考えるところですね。似ていない点は、私は何に対しても彼女ほどの執着心がないところです。

働く人々を見つめる張薏心と張福吉
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

― どのシーンの撮影が特に印象に残っていますか?

リエン・ユーハン クランクアップで撮ったシーンで、劉坤凱(リウ・クンカイ/KK)の家で彼の荷物を見ているシーンです。過去のことを思い出し、キャラクターに別れを告げるような感じでもあったので、複雑な気持ちでした。


― 本作でたくさんの言語を使用されましたが、普段話している言語と本作のために新たに学んだ言語はそれぞれ何ですか? どれが一番難しいと感じましたか?

リエン・ユーハン 元々話せるのは華語のみです。ほかの言語は全部練習や先生の協力が必要でした。一番難しいのはどれ何かは分からないけど、その年代にいた人たちにとってこれらの言語の転換は日常茶飯事なので、このキャラクターを自分の日常の中に入れて、これらの言語と付き合い、生活の一部にしていました。


― 「茶金」は“一番美しい台湾ドラマ”と称賛されていますが、実際に1950年代のセットの中にいて、当時の衣装を着用した時の感想を教えてください。

リエン・ユーハン 古着が好きで、レトロな雰囲気の服も好きなので、本作の衣装を着た時にとても嬉しくて。まるでタイムスリップして、その時代を生きている感じがしました。

黄色いワンピースを着た張薏心
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

― 撮影現場の雰囲気はどうでしたか?撮影時に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

リエン・ユーハン 楽しい現場でした。皆さんが積極的な人たちで、一緒にいてとても安心ですし、お世話になっていました。


― 張薏心と劉坤凱の関係がとても感動的でした。劉坤凱を演じたウェン・シェンハオさんとの共演はいかがでしたか?

リエン・ユーハン 彼がいてくれると安心できました。劇中でもプライベートでも、劉坤凱というキャラクターのように、言葉だけで私に新しい方向を見せてくれました。暖かいランプみたいに、現れるたびに周りを明るくしてくれました。


― 高い評価を得た「茶金」ですが、その魅力はどんなところにあると思いますか?

リエン・ユーハン キャスト・スタッフの皆が尽力し一体となって台湾で起きた物語を語りました。この時代の歴史と親しくなり、ドラマを通じて台湾の過去を振り返り、またこの土地にある唯一無二の養分と共に前へ進み続けます。

張薏心と劉坤凱
© 2021 Taiwan Public Television Service Foundation

― リエン・ユーハンさんは、出演作を選ぶ際の決め手はありますか?

リエン・ユーハン 基本的に「来るもの拒まず、去る者は追わず」、「ボールが来たら打つ」という気持ちでやっています。俳優の道で磨かなければいけない部分がまだまだたくさんありますから。


― リエン・ユーハンさんは、日常生活の中で幸せを感じる瞬間はどんなときですか?

リエン・ユーハン 休みの日に、自然に目が覚めるまで寝ていられる時です。


― これから挑戦してみたいジャンルやキャラクターはありますか?

リエン・ユーハン 完全に母国語ではない言葉で、違う国の映像作品に出演してみたいです。例えば最近濱口竜介さんの作品がとても好きで。一生に一回だけでも彼の映像世界の中に入ってみたいです。


― 最後に、これから「茶金」をご覧になる日本のファンにメッセージをお願いします。

リエン・ユーハン 日本の皆さん、こんにちは。「茶金」という作品を好きになってくれると嬉しいです。また日本に旅行に行ける日をとても楽しみにしています。 日本が大好きです。本も、ドラマも、映画も、街の風景も、全部好きです。毎回日本に訪ねると素敵な思い出になります。

リエン・ユーハンのアーティスト写真2
リエン・ユーハンさん

「茶金 ゴールドリーフ」
「茶金」キービジュアル

DVD-BOX 2023年1月13日(金)発売(13,200円・税込)
DVDレンタル&動画配信サービスにて配信中

発売・販売元:エスピーオー © 2021 Taiwan Public Television Service Foundation
https://www.cinemart.co.jp/dc/t/chakin.html

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